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■┃井┃上┃哲┃士┃メ┃ー┃ル┃マ┃ガ┃ジ┃ン┃
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井上さとしです。
今日からサミットが始まります。大きなテーマの一つが地球温暖化防止の問
題です。日本共産党は先日、「地球温暖化の抑止に、日本はどのようにして国
際的責任をはたすべきか」という見解を発表して、取るべき道を明らかにして
きました。
この問題では、この間、自民・民主の議員と一緒に議論する機会が2回あり、
特に自民党の危機感と責任感の無さに驚きました。いまやるべき温暖化抑止の
中心は何か。世界の科学者の英知を結集した知見――産業革命以前より2度の気
温上昇に抑えなければ、破局的な事態が予想される。その防止のために2050年
までに温室効果ガスの排出量を半減させる。先進国はさらに削減して責任を果
たす――に対し、政治が危機感、責任感をもって取り組むことです。
ところが、京都で行われたシンポジウムの席上、私が、中間目標を明確にし
ていないことなど政府の対策を批判すると、自民党の代議士は、「批判ばかり
でなく、国民を励ますことが必要。できることからみんながやったらいい」と
発言されました。
この発言には危機感も切迫感もありません。そこで私は、「国民ができると
ころから始めるのは大事だ。しかし、地球温暖化の問題は期限までに目標をや
らなくてはならない。政府は、できることからやるのではなく、やるべきこと
をやりきる姿勢が求められる」と強調しました。会場では多くの皆さんがうな
ずいて聞いてくださいました。
もう一つはCSテレビの討論番組。「日本の環境対策は進んでいるのでは」と
いう司会者の問題提起に対し、90年比で25年までに20%削減という法案を出して
いるはずの民主党の議員まで「日本はヨーロッパより早く対策をすすめてきた。
むしろ、進んだ省エネ技術で途上国の削減に貢献すべき」と、国内での削減目
標を棚上げにするような発言もでました。日本が90年との比較で地球温暖化ガ
スを6%以上増やしており、ヨーロッパから見ても立ち遅れているとし主張した
のは私だけでした。
さらに自民党の議員からは「京都議定書で90年を基準にしたのが諸悪の根源」
「交渉上手のヨーロッパにうまくやられた」「このままでは今世紀最大の経済
交渉に負ける」などの発言も出ました。この発言も見過ごせません。私は、「
この問題は地球と人類の未来がかかった問題であり、自国の利益中心の経済交
渉とは違う」と強調し、日本は京都議定書を発信した国としても、サミットの
議長国としてももっと積極的役割を果たすべきとのべました。
だいたい収録が始まる前の雑談では、「2050年に80%も減らすなんて、できる
はずがないよね〜」などという会話が平然と行われました。私が「できるかど
うかではなくて、やらなければ破局が来る。やらねばならないんですよ」とい
うと、「共産党は原理原則だから」というだけ。嗚呼、なんという危機感、責
任感の無さ!
目先の利益や財界の言い分だけにとらわれる政治では人類の未来の責任をも
てません。孫子のためにも、今、がんばりどきだと痛感しています。
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