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井上さとしです。
新政権誕生後、初めての論戦となる臨時国会が始まりました。昨日は、鳩山
総理の所信表明演説。本会議場は、様変わりを感じさせました。
本会議の席は自民党の隣となり、いろいろと会話があります。本会議開会前
のこと。自民党のベテラン議員が、党の議員に「毎日元気で過ごしてるかい」
と声をかけてきました。「がんばってますよ」と返すと、「俺は毎日むなしく
過ごしてるよ」とのぼやき。
一昨日の参院補選でも、野党になった自民党には業界団体などの推薦が集ま
らなかったことが報道されていました。与党として、利益誘導型政治にどっぷ
りつかってきた身にとっては、それが通用しない野党暮らしはむなしく感じる
のでしょうか。
さて、閣僚が本会議場に入りひな壇にずらり並びました。これまでとまった
く違う顔を向き合うと、政権が変わったと実感します。そして、総理の演説が
始まりました。この間、総理の所信表明演説は20分から30分程度でしたが、今
日はなんと50分という異例の長さ。
鳩山氏自らが心を動かされた具体的エピソードを紹介しながら、「友愛政治」
を語り、その実現のための政策を述べるというスタイル。自民党時代の演説は、
各省庁からあがってきた政策項目をホッチキスでとめて、最後に古事をひきな
がら国民に呼びかけるというスタイルが大半でしたから、違う味がありました。
しかし、「友愛政治」の原点として「政治は弱い立場の人を優先させなくて
はならない」と語りましたが、そのために政治をどう変えるかが具体的に見え
てきません。長い演説だったのに「憲法」という言葉がなかったのも特徴。官
僚政治の打破を強調しますが、深刻な雇用の問題でも、大企業の社会的責任を
問う言葉はありませんでした。
さらに、労働者派遣法の抜本改正に言及はなく、後期高齢者医療制度廃止は先
延ばしを表明。普天間基地の問題も具体的に明らかにされませんでした。今後
の論戦で正すべきことが浮き彫りになってきました。
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