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■┃井┃上┃哲┃士┃メ┃ー┃ル┃マ┃ガ┃ジ┃ン┃
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井上さとしです。
いよいよ166通常国会が開会。今日、衆参の本会議で安倍総理の施政方針演説
をはじめ政府四演説が行なわれました。その終了直後、政治資金の不正疑惑が
かけられている角田参院副議長が辞任を表明。波乱の幕開けとなりました。
今日の本会議の様子を紹介しましょう。まず、出席議員が少ない。開会時は
191人でした。参院議員の総定数は242人で、出席が200人を切ることはめったに
ありません。演説の途中に退席する議員も多く、特に与党席は終わりごろはガ
ラガラ。政権の求心力の無さを感じさせました。
安倍総理の演説は、愛国心教育や「美しい国」作り、改憲などの部分では声
を張り上げますが、それ以外は課題を羅列した官僚の作文の棒読みで、国民の
暮らしのことを慮るような気持ちは何も伝わってきません。一方で、横文字の
多様と哲学の感じられない薄っぺらな言葉は相変わらずです。臨時国会で使っ
た「人生二毛作」ということば、あまりにも不評だったのか、今回は無し。
しかし、「イノベーション」「アジア・ゲートウェイ構想」「カントリーアイ
デンティティ」「戦後レジーム」「オープンな姿勢」などの言葉は今回もちり
ばめられました。「筋肉質の政府」というのは、贅肉をおとした無駄ない政府
という意味のようですが、ほとんど話題にならなかったのに、臨時国会に続い
て今回も使ってました。
総理は冒頭、「憲法を頂点とした…基本的枠組みの多くが、二十一世紀の時
代の変化についていけなくなっている」「直面している様々な変化は…テレビ、
冷蔵庫、洗濯機が三種の神器ともてはやされていた時代にはおよそ想像もつか
なかった」とのべました。
ここですかさず、わが党の仁比議員が「憲法は洗濯機じゃないぞ!」と野次。
タイミング、声の大きさ、内容のいずれも素晴しい。民主党の席からも共感の
声が上がっていました。今日の野次の中の最優秀賞をあげたいと思います。
さて、議場内が一番騒がしくなったのが、太田経済財政政策担当大臣の経済
演説の時。竹中前大臣の弟子といわれている人だけに、相変わらず大企業の視
点だけが目立ちます。特にひどかったのが次のくだりです。
「人口減少社会において目指すべき成長の姿は、家計を起点とした好循環で
す。イノベーションや規制改革によって、新しい商品・サービスが提供され、
消費需要が作り出されれば、それは質の高い雇用を生み出すことにもつながり
ます。消費者の視点から供給サイドの大胆な改革を行なうこと、すなわち『消
費革新』を行い、家計を起点とした成長の姿を作り出すことが重要です」
つまり、消費需要が冷え込んでいるのは、新しい商品やサービスが不足して
いるからであり、供給側=企業を応援すれば好循環が生まれるというのです。い
つまでこんなことをいい続けるのでしょうか。こういう供給側にたった経済政
策の結果、大企業は空前の儲けを挙げる一方、国民の中には貧困と格差が拡大
しているではありませんか。
消費需要が冷え込んでいるのは、商品やサービスの不足のためではなく、相
次ぐ負担増と増税、非正規雇用の広がりによる収入の減少と将来不安の拡大の
ためです。それをもたらしてきたこれまでの政策にひとかけらの反省もなく、
破綻した路線を続ける――この政権に国民の未来は託せません。
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