次の問題ですが、今、本当に失業率が大変な事態です。その上に、今、空前の人減らしやリストラのあらしが吹き荒れております。
最近のリストラの特徴の一つは、買収や合併、営業譲渡、会社分割、こういう会社組織の変更に伴って、解雇や転籍、出向、労働条件の引き下げ、こういうものが行われていることにあると思います。これに対して非常に労働者の不安が広がっております。
そこで、その一つでありますことしの四月から改正商法の施行で導入されました会社分割制度についてお聞きをいたします。
この制度の利用が九月末までに九十件に達していると、こういう報道もされました。私どもは、この制度が労働者の権利引き下げに悪用されるんではないかという指摘を当委員会でもしてきたわけですが、それが現実のものになりつつあるのではないかと思うんです。
会社分割法とセットで労働契約承継法もつくられました。その趣旨は、会社分割では、同意なき別会社への移籍は許さないとしている民法六百二十五条を適用せずに、本人の同意なしに新会社への承継が決まる、そこで、不利益にならないように労働者を保護するものと説明をされています。
これに加えて、労働者との事前協議の義務づけという修正がされました。この事前協議が義務づけられた趣旨は何だったんでしょうか。