活動日誌 | つれづれぐさ | プロフィール | 国会質問 | ホッとひといき | 新聞記事・論文 | お知らせ | おたより紹介 | |||||||
2002 年 4 月 23 日
午後の質疑日本共産党の井上哲士です。 冒頭、大臣から大阪高検の幹部逮捕の問題について発言がございました。大変重大な問題だと思います。今日は時間もございませんが、別途この問題で集中的な議論をする場を持っていただきたいということを私からも要望をしておきます。 さて、まず土地家屋調査士の皆さんの報酬の問題についてお尋ねをいたします。 今朝の参考人の御発言の中にも、この問題が、土地家屋調査士には依頼に応ずる義務もあるし、国民には過料に処してまでの申請義務がある、事実上の公共料金に準ずるものであるし、自由競争にはなじまないのではないかと、こういう御発言もありました。大変これは私も理解もできますし、実際、ほとんどの人は一生に数回しか掛からないということがあるわけであります。 やはり、本当に利用者の皆さんが不安にならないような対応をする必要があるかと思うんですが、この利用者の中には地方自治体や国も入るわけであります。例えば、法務省も発注をする側になるわけでありますが、この法律によってこれまでとどうその対応が変わっていくのか、この点、まずお願いします。 各種の公共事業に際しまして登記の嘱託等を行うという場合、その報酬をどう当局の側で算定するかというお尋ねだと思いますが、基本的には、その事業の実施主体が現地の状況、作業内容の難易度、求める測量精度、あるいは報酬の実勢価格、平均的にどの程度の価格が支払われているのかというようなことを調査勘案いたしまして、予定価格を定めた上で入札に付す、あるいは事情に応じて随意契約を締結するということになるものと考えております。 そういう公共の契約についてはこれは大きな一つの目安に私はなっていくかと思うんですが、そういう個々の契約についての中身については、これは公表されていくわけですね。 現在、落札又は随意契約の結果は官報に公示されるものを除いて公表はしておりません。 なお、官報に公示されるものは、予定価格が一千四百万円以上のものということになっております。 官報に公示されない規模のものであっても、こういうようなことで契約が行われたということを例えば会の方が例示をすると、これは構わないわけですね。 受託をした調査士の方がその実績を公開するということはもちろん自由でございます。 こういう公共工事などは大変やっぱり目安になっていくものですから、こういう形も一つの知恵として、国民に安心できる報酬体系というものを出していくということでお願いをしたいと思います。 次に、不動産登記法の附則第五条に関連をしてお尋ねをいたしますが、まず国にとって登記の意義、目的というものを今日どのようにとらえられているのか、大臣の御所見をお願いいたします。 不動産登記制度というのは、国民の重要な財産である不動産の権利関係を公示することによりまして、不動産取引の安全と円滑を図り、もって国民の権利の明確化と権利の保護に資するためのものであるというふうに理解しております。 国民の権利を明示をして明らかにしていくということと言われましたけれども、常に言わば国民のものと、それから公のものも境界を接するものが幾つもあるわけであります。 この不動産登記法の附則第五条では、昭和三十五年の改正時に、国や地方公共団体等には、当分の間、表示に関する登記の申請義務についての規定を適用しないということとなっております。しかし、どうも、言わば課税の対象にならないので、お金も掛かることだし、取りあえず登記は先送りにしようじゃないかと、こういう発想があるんではないかというふうに思うんですね。やはり、国民の権利の問題、それから今日こういう登記という問題が行財政の施策の基礎資料になっているということを考えますと、今、この附則第五条というものも改めて見詰め直して、こういう非適用を外していくということも考えられるんじゃないかと思うんですが、その点での御所見をお願いします。 御指摘のように、昭和三十五年の不動産登記法改正に当たりまして、一般的に表示登記については申請義務を課したわけでございますが、この附則の五条で国有地等につきましては申請義務を負わさない、当分の間、課さないということとしたわけでございます。 この経緯でございますが、元々この不動産登記法、三十五年改正する前、土地につきましては土地台帳で一般的に管理をされていたわけでございます。ところが、国有地につきましては国有財産台帳で国がこれを管理をするということになっておりましたので、国有地については土地台帳に登載しないという扱いがなされておりました。不動産登記法に一本化するときに、国有財産についても登記の在り方とすれば登記をすることは望ましいということは言えますので、そういうことから一般的に登記の対象としたわけでございますが、これを表示登記の義務を課すということになりますと、膨大な国有地について測量いたしまして、すべて表示登記の申請をしなければならないということになるわけでございます。それは相当の手間であり、また費用の負担も相当大きなものになることが予想されると。 一方、国有地につきましては、一般的には直ちに取引の対象となることはありませんので、その土地の管理が国有財産台帳においてきちんとされているのであれば、直ちに登記申請義務を課して不動産登記簿に記入をしなくても、国民の取引の安全等の観点からするとさして問題はないだろうと。このようなことから、経過措置として当分の間、国有財産等については表示登記の申請義務を課すということを見送ったわけでございます。 将来的な形とすれば、登記簿に国有地についても記載があるということは望ましいとは思いますが、それはやはり徐々に状況を見ながら漸進的に進めていただくということではないか。直ちに義務を課すというのは、やはりまだ現段階においてもなかなか難しいのではないかという具合には考えております。 確かに、義務を課すということになりますと、おっしゃるように莫大な費用が掛かるわけであります。しかし、望ましいということでありますから、例えば今、地方分権一括法に基づいて官公間の財産移管があります。それから、いわゆる十七条地図を作成する地域でその中にこういう官有地がある場合がある。こういうところに言わば限ってこういう登記をやはり順次進めていくということは必要だと思うんですが、その点ではどうでしょうか。 これは、現行法はもちろん申請義務を課していないだけでありまして、登記に適するような状態で費用負担等を考えて管理のために登記をした方がいいということを御判断いただければ、それはもちろん登記していただける、申請をしていただければ登記をするわけですので、そこはそれぞれ土地を管理している部署で、登記をするに適しているか、そのための費用負担等を考慮して必要に応じて進めていただければという具合に考えております。 地方自治体などと等価交換で国のものに土地がなる場合がありますが、そういう場合などは、これは正に国の判断でありますけれども、率先して登記を進めるべきだと思うんですが、その点どうでしょうか。 ちょっと具体的状況にもよると思いますので、私どもとすれば、もちろん登記を所管するところとしてはできるだけ登記を利用していただければとは思いますが、具体的な状況にもよると思いますので。 当分の間と言って四十年たち、本来、国有地でも登記は望ましいということでありますから、これは是非積極的な対応をお願いをしたいと思います。 それから、これ幾つか確認になるんですが、法人化の問題であります。 司法書士会などからも一人法人ということの要望もあったかと聞いておるんですが、弁護士には認めております。それから、少し分野は違いますが、商法などでも一人法人というものがあるわけですが、今回、司法書士や土地家屋調査士にはこの一人法人を認めなかったというその理由についてお願いします。 専門資格者の事務所を法人化するというのは、複数の資格者が協働して利用者に良質で多様なサービスを提供するということを可能にすることを主な目的としております。そういうことからしますと、その設立には本来、二人以上の社員が要るというのが考え方としては自然でありまして、実際にも、監査法人は五人以上、それから特許業務法人、税理士法人はそれぞれ二人以上の社員を必要としております。 御指摘の弁護士法人は一人法人が認められておりますが、専門資格者の法人化の中では、言わば弁護士法人はかえって逆に例外ということでございまして、この弁護士法人になぜ一人法人が認められたかということにつきましては、弁護士事務所の形態の特殊性、すなわち一人の経営弁護士が数名の勤務弁護士を雇用する、いわゆる親弁型事務所が多数あると、そしてこの親弁型事務所についても将来の協働化等をにらんで法人化を認める必要があるということから、特に一人法人が認められたという具合に聞いております。 その点、司法書士等につきましては、他の特許業務法人あるいは税理士法人と同じように、弁護士のような特殊事情が認められないということもありまして、原則に戻りまして、二人以上の社員を要するということにしたわけでございます。 将来、この点をどうするかということについては、今後の司法書士事務所の在り方等を踏まえて検討していきたいと考えております。 最後に、ちょっとまた報酬の問題に戻りますが、司法書士さんなどの報酬について事務所に明示することなどの御答弁がありました。私も一度だけ利用したことがあるんですが、実態としますと、仲介業者の方とか金融関係の御紹介ということで、たしか仲介業者の事務所でお会いしたかと思うんですが、こういうケース非常に多いかと思うんですね。ですから、事務所に掲示をしても必ずしも利用者には見えないという問題があるんですが、その明示の仕方は、契約する場合の時期とか方法とか、これはどういうふうに考えるんでしょうか。 事務所へ掲示をするというのは典型例でございますが、できるだけ利用者にその契約をする前にどういう報酬なのかということを分かってもらうということでございますので、できるだけ、例えば、会の方でそういう多くの報酬規定を表示するとか、個人で広告をする方もいらっしゃるでしょうし、そのような形でできるだけ知らせる努力をしていただきたいということと、やはり契約をするに当たっては、当然、報酬についての考え方であるとか基準であるということを説明していただきたいという具合には思っております。 終わります。 |
リンクはご自由にどうぞ。各ページに掲載の画像及び記事の無断転載を禁じます。 © 2001-2005 Japanese Communist Party, Satoshi Inoue, all rights reserved. |