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2004 年 4 月 15 日

法務委員会
出入国管理及び難民認定法の一部改正案(第 3 回目の質疑・採決)

  • 入管収容センターでの待遇改善について質問。また、現在難民申請中の方の実例を示して、人道上の配慮を要求。

井上哲士君

 日本共産党の井上哲士です。

 三回目の審議になりました。今日はまず、入国管理の部分での刑事罰強化とその運用の問題をお尋ねをいたします。

 我々は、原則的には厳罰化には反対でありますが、今回の改正は、懲役はそのままで罰金刑のみ引き上げる、そして一方で出国命令制度で上陸拒否期間を短くするということが併せて行われております。

 そこで、前回改正で刑罰が付けられて以降の運用の問題についてなんですが、平成十四年で入管法違反で退去強制事由の対象になる人が約四万二千。これは基本的にはこの刑罰の対象になり得るわけですが、最高裁からもらった資料によりますと、そのうち入管法違反で有罪判決を受けたのが平成十四年で五千七百二十六人、うち実刑は百九十人、罰金が九人と、こう聞いております。そして、平成十五年でいいますと、有罪判決が七千四百七十一人、そのうち懲役、禁錮の実刑が二百七十三人、執行猶予が七千百九十五人、罰金刑は七人と、こう聞いております。この中には不法就労助長罪による日本人も若干は含むわけでありますが、平成十四年も十五年も実刑の率は三%から四%程度と、こういうことになっております。

 今示した数にありますように、入管法違反については、人道的立場での在留特別許可であったり、また退去強制ということを基本として、よほど悪質な者以外は刑罰を付けないという運用がされてきたと思います。

 そこで、まず法務省にお聞きをするわけですが、今度の改正で、これまで退去強制などで済んでいた人にまで刑罰が付くと、こういうことになってはならないと思うんですが、法務省としてのお考えはいかがでしょうか。

政府参考人(増田暢也君)

 今回、不法滞在者に係る罰金額の上限を引き上げることとしましたが、これは、我が国で不法に就労して経済的利得を得ることを目的として不法に本邦に入国、上陸する不法在留者やいわゆるリピーターなどについて、罰金刑の併科による経済的制裁をも加えて反対動機の形成を図り、これらの悪質な不法滞在行為を抑止することを目的とするものでございます。したがって、今回の罰金額の引上げは、例えば出国命令の対象となるような比較的悪質でない不法滞在者をターゲットにするものではございません。

 なお、お尋ねは刑事手続の運用について触れておられましたが、この刑事手続の運用は入管局としてはお答えできる立場にはございません。ただ、一般論としては、個々の事案の諸事情を勘案して罰金刑の適用がこれからも検討されるものと承知しておりまして、あえて申し上げれば、入国管理局としては、今回の改正の趣旨を踏まえて適用されることを期待しているものでございます。

井上哲士君

 そこで、警察の方の運用についてお聞きをするんですが、平成十四年、入管法違反による検挙数は幾らになっているでしょうか。

政府参考人(米村敏朗君)

 お答えをいたします。

 平成十四年の御質問の来日外国人による入管法違反の検挙でありますけれども、件数七千九百九十件、人員にしまして六千七百四十人を送致しております。

井上哲士君

 入管法の六十五条では、この不法滞在者がほかの犯罪にかかわった疑いがない場合に限って裁判手続を経ずに入管局に身柄を引き渡せる特例がありますし、同じく、不起訴となった場合は六十四条で入管に引き渡すということになっていますが、平成十四年にこの六十五条、そして六十四条で入管に引き渡された数は幾らになっているでしょうか。

政府参考人(増田暢也君)

 平成十四年にこの入管法六十五条で引渡しを受けた数は約千百人でございます。法六十四条によって引渡しを受けたのは同じく約千百人となっております。

井上哲士君

 昨年の報道によりますと、警視庁は、それまでは不法滞在が一年半程度に及んだ外国人は送検をしてきたけれども、他の犯罪に関与している疑いがなければ、この六十五条を使って、原則として四十八時間以内に入管に引き渡すと、こういう報道もされております。

 警察としても、悪質な者以外は送致をせずに入管に送って刑事罰を与えないという運用がこの間されてきたと思うんですが、今度の改正によってもこういう運用については変わらないと、こういうことでよろしいでしょうか。

政府参考人(米村敏朗君)

 お答えをいたします。

 警察といたしましては、今回の法改正の趣旨、これを十分踏まえつつ、不法滞在の外国人につきましては入管法六十五条、これを活用いたしていくことが望ましいというふうに考えております。

井上哲士君

 繰り返しになりますけれども、今回の改正趣旨が、悪質な者については刑罰を与えていく、そうでない者についてはよく状況を見て人道的な配慮もしていくと、こういう点は是非運用上も貫いていただきたいということを重ねて申し上げておきます。

 次に、難民申請者の収容の問題についてお聞きをいたします。

 この間、この委員会でも様々、収容センターの中での処遇に関して議論になりました。人権侵害であるとか、長期収容の中での自殺未遂などが相次いだということも随分ありました。これについても改善をすべきだという議論を随分してきたわけでありますが、この点は、この間、どういう改善がされてきているんでしょうか。

政府参考人(増田暢也君)

 被収容者の処遇につきましては、入管法六十一条の七に定められておりますとおり、保安上支障がない範囲内においてできる限りの自由を与えることを原則とし、これを受けて、被収容者処遇規則が定められておりますが、そこでは処遇に関する必要な事項を定め、その規定に従って被収容者の人権に最大限配慮しつつ、適正な処遇に努めているところでございます。

 例えば、書信の発受信、親族、知人や弁護士等との面会、あるいはテレビの視聴、新聞等の購読、物品の購入、あるいは礼拝等の宗教活動、そして喫煙なども認めております。さらに、各収容施設の改修工事を順次行ってまいりました。施設設備の充実に努め、改修された施設におきましては戸外運動、入浴などの機会は増やしましたし、一定の時間帯は居室を開放するといういわゆる開放処遇でございますが、これを実施いたしております。また、その開放処遇実施中には被収容者が自分で外部に電話できる、そういう方法を導入しているところもございます。

 今後も施設の改修等を進めまして、引き続き処遇の改善に努めてまいりたいと考えております。

井上哲士君

 問題になってきた戸外運動とかそれから電話など、一定の改善がされてきているようであります。ただ、やっぱり根本問題は全件収容主義ということがあります。先日の答弁のときに、これまで以上の収容の強化はしないと、こういう答弁がありましたが、しかし現状でも人道に配慮必ずしもされていない収容が相当されているといういろんな訴えを、アムネスティーなり UNHCR なり、また支援団体からお聞きをしております。

 先ほども幾つかの指摘があったわけですが、二つほど具体的な問題についてお尋ねをいたします。

 一つは、先月報道されました横浜の件であります。難民申請はしたけれども認められずに退去強制令書が出ていたアフガンのハザラ出身の男性の件ですが、先月の十日に入管への出頭通知を受け取って、その前の三日には、うつ病の通院中の病院から、収容は悪化を招き自殺の危険性が生じる、こういう診断書が出ていたそうであります。これを弁護士が入管に送ったけれども、そのまま返されてきた。そして、先月の十七日に病院前で入管がこの男性を拘束をした。横浜の支局に向かう車中でこの男性が持っていたカッターナイフで右上腕や左太ももを刺して、腕は十三センチ、足は八センチもの傷ができた。そして、病院に帰って治療後、再び横浜支局に連行した。こういうことが報道をされております。

 大変私は人道上の配慮を欠くと思うんですけれども、この経過とそして見解はどうでしょうか。

政府参考人(増田暢也君)

 お尋ねの事案についての事実関係をまず申し上げますと、これは東京高等裁判所の決定によりまして、この人に対する退去強制令書の執行停止決定、それが取り消されました。執行停止決定が取り消されましたので入管では本人に出頭を指示いたしましたが、本人がこの出頭に応じなかったことから、入管では所在を確認し、この人物がその日その病院に診察を受けに行くとの情報を入手したために、入管の職員をその病院に派遣して様子を見ていたところ本人が姿を見せましたので、本人の診察が終わるのを待って、病院から外に出てきたところを本人に声を掛けて退去強制令書を執行したものでございます。

 最初に申し上げたとおり、さきに出ていた執行停止決定が取り消されたために、入管といたしましては速やかに退去強制令書を執行したというものでございます。

 それと、病状についてやはり触れておられましたが、本人の健康状態につきましては、三月一日に出た東京高等裁判所のこの決定の中で既にある判断が示されておりまして、入管としてはその決定に従ってやはりこれはもう速やかに執行せざるを得ないと判断したものでございます。

 もっとも、おっしゃるとおり、護送の途中で自損行為によってこの本人自傷いたしました。この点は入管としてもその執行に際して問題があったかと思うのですが、本人が自傷したことを受けて、速やかに最寄りの病院に搬送して適切な処置を行いまして、そして医師から収容に耐えられるのかどうか十分確認を行った上で東京入管の横浜支局に収容した後、東日本入国センターに移収したものでございます。

井上哲士君

 先ほどありましたように、事前に医師からは、収容は悪化を招き、自殺の危険性が生じるという診断書が出ていて、そして現実にこういう自損行為、かなりの傷を負ったわけでありますから、やはり人道上、収容の在り方に不適切な部分があった、こういうふうには認められませんか。

政府参考人(増田暢也君)

 本人に自ら自分を傷付けるという行為を結局防げなかったわけですから、その点では、あらかじめ、本人を車に乗せる際などに凶器を持っていないかどうかなどの検査をきちんと行わなければならなかったことは間違いございません。

 病院の前で公衆がいたということで、本人の携帯している中に凶器があるかどうかの検査をちょっと怠ったというようなこともあったようで、その点はやはり反省しなければいけないところはあろうかと思います。

井上哲士君

 現場の収容の仕方ということではなくて、やっぱりこういう人に対して収容そのものに人道的な配慮がされるべきだったということを強く申し上げておきたいんです。

 もう一件、大阪のこれはバキルさんという、これもアフガンの難民申請者の件でありますが、愛知でこの難民の認定にかかわる裁判をされておりましたけれども、これが負けたということから、現在仮放免で外に出ておりますけれども、強制送還を受けるならば収容はしないけれども、日本に残るのであれば十五日、今日になりますが、出頭時に収容する、こういう連絡を受けているということであります。この方も、過去入管センターの中で自殺行為などもやられていたり、そしてまた非常に今アフガンに帰ることに対しては恐怖心を抱いていらっしゃるということをお聞きをしております。

 UNHCR からは、これは強制送還も収容もしないような申入れもあるかと思うんですけれども、この方については、経過どうでしょうか。

政府参考人(増田暢也君)

 お尋ねのアフガニスタン人につきましてですが、この人につきましても、今年の三月十八日に名古屋地方裁判所におきましてこの人から起こされておりました難民不認定処分あるいはその裁決取消しの請求訴訟、それから退去強制令書発付処分とその裁決の取消し請求訴訟において、この原告の請求をすべて棄却する判決がございまして、入国管理局の処分の適法性が全面的に認められました。

 当局といたしましては、おっしゃるとおり、国連難民高等弁務官事務所から所轄の地方入管局にあてて意見書が出されておりますので、それは考慮しながら、この裁判所の判決も踏まえて、今後適正に対処してまいりたいと考えております。

井上哲士君

 私は、その UNHCR が出しました文書も持っておりますけれども、UNHCR は、アフガニスタンの情勢について言えば、まだまだ不安定であって、地域的に言いますと非常にやはり危険な場所もあるということを基本的に認定しております。

 今度の新しい制度で、参与員の中には UNHCR の推薦の人も入れることを検討するという答弁もありました。全体として、この難民認定のプロセスに UNHCR を関与させていくという今の方向の中ですから、こういう UNHCR などが出している各国のリスク評価などなどは、これは十分に尊重すべきかと思いますけれども、この点、改めていかがでしょうか。

政府参考人(増田暢也君)

 これまでも、私どもは UNHCR からは各国のそれぞれの情報、情勢についていろいろと提供していただいており、それを難民認定の判断の際に参考にさせていただいてまいりました。ですから、もちろんこれからも UNHCR からは、UNHCR が現地で入手している情報などについては積極的に提供を求めていきますし、受け取った情報は審査の中できちんと活用していきたいと考えております。

井上哲士君

 この方の場合も UNHCR からは送還危惧対象者として申入れがされまして、仮放免を延長するということを求められているわけでありますから、是非こうしたことを考慮をして、人道的な見地からの対応を強く、今の二つの件、求めておきます。

 次に、一時庇護の問題についてお聞きをいたします。空港などでの一時庇護の数というのは、今どういうふうになっているんでしょうか。

政府参考人(増田暢也君)

 昭和五十七年の今の難民認定制度が発足してから平成十五年末までの数でございますが、一時庇護のための上陸許可申請者数が百四人、そのうち許可された人は三十五人でございます。

井上哲士君

 昨年はどうなっていますか。

政府参考人(増田暢也君)

 昨年は申請者数二人、そしていずれも不許可となっております。

井上哲士君

 大変数が少ないわけでありますが、門前払いしているんじゃないかというような報道もあるわけですけれども、この点いかがでしょうか。

政府参考人(増田暢也君)

 申請者数を申し上げましたとおり、元々母体となる申請者の数がやはり少ないというのが一つあろうかと思うのです。

 一時庇護のための上陸許可というのは、船舶等に乗っている外国人が難民に該当する可能性があって、その人を一時的に我が国に上陸させるのが適当であると、こう考えられるときに所定の手続に従って難民審査官が与えるものですが、これは、外国人が上陸申請を行う際に入国審査官に提出する ED カードにその渡航目的として庇護を求めるような記載をすればこれは一時庇護上陸の申請ということになるわけですから、申請方法はそんなに難しいわけではないし、分かりにくいわけでもないので、申請方法が悪いから申請の数が少ないというようなことでもなかろうかと思うんです。

 現に、我が国で難民として庇護を求めている人というのは、この一時庇護上陸許可申請ということで庇護を求める人もおりますが、これは少なくて、むしろ一般上陸の許可を受けて、在留資格を与えられて本邦に入ってから難民認定申請を行う人とか、あるいは偽造旅券などを使って入ってきて退去強制を取られて、その過程の中で難民だから庇護してほしいというような申請を求める人とか、このように難民として庇護を求める態様が非常に様々でございます。そういったことで、数が少ないことから、それに伴って一時庇護許可を受ける人も少ないんじゃなかろうかと思うわけです。

 一時庇護許可というのは、元々入管法の十八条の二にはっきりと要件が定まっていて、つまり、その方が難民条約に定める理由などによって生命、身体、身体の自由を害されるおそれのあった領域から逃れて本邦に入った者であることなど、明確に要件が定められておりますから、入国管理局といたしましては、申請された案件について、法令上の要件を満たしていればこれは一時庇護上陸を許可する扱いにしているわけで、決して門前払いを行っているというようなことはございません。

井上哲士君

 空港での窓口が分からないんじゃないかということもこの間指摘をされてきたわけですが、この点はどうなっているんでしょうか。

政府参考人(増田暢也君)

 おっしゃるとおり、我が国に逃れてきても、難民庇護の手続、案内が分かりにくいから申請者が少ないのではないかというような、そういう御指摘がございました。

 そこで、昨年、平成十五年一月に、成田空港に三か所の上陸審査場がございますが、そこに三か所、難民の手続の案内所を設けました。また、昨年四月、関西空港にも同じく二か所、上陸審査場に難民手続の案内所を設置いたしました。このことによりまして、成田空港や関西空港に到着した外国人で我が国に難民として庇護を求める方については迅速に対応ができる、そういうサービスの向上が図られる、そういう体制は整備されました。

井上哲士君

 より分かりやすく、窓口にして、迅速な対応を強く求めておきます。

 最後に、参与員制度についてお聞きをいたします。

 これが本当にきちっと機能するかどうかというのは、今、本改正の中でも大変大きな問題でありますが、参与員のメンバーに商社員というのも例として挙げられておりました。確かに、現地の経済情勢とかそれからビジネスにかかわる情報というのは詳しいかと思うんですが、一番肝心な人権状況とかそれにかかわる政治情勢というのは必ずしも詳しくないんではないか。日本にいる外国の商社員の方を見ていると私はそう思うんですが、なぜこういうことが挙げられているのか、いかがでしょうか。

政府参考人(増田暢也君)

 これは元々はこの難民認定制度の見直しを御検討いただいた専門部会、そしてその報告を受けて御審議いただいた出入国管理政策懇談会から取りまとめられて提出された意見書の中で、難民審査参与員の母体の一つとして、海外経験のある人あるいは海外情勢に明るい人から選ぶのがいいだろうというのがございまして、その中に一つの例示として、例えば商社員として海外に勤務した人が例示されているわけでございます。

 難民認定手続におきましては、異議申立てがあった場合に、その本人の出身国における政治的あるいは社会的な状況を正しく認識していることが必要、有益であろうと思いますが、商社などに勤務されて海外勤務を経験された方については、例えば問題の難民の出身国で現に長年生活して勤務していたとか、あるいはその周辺国で暮らしていたとか、あるいはその出身国と同じ民族的あるいは宗教的な背景を持った国で生活し勤務していた方など、いろいろいらっしゃると思います。そういった方々の中には長年の豊富な在外生活経験を通じて、あるいは現地の方々との幅広い交友関係あるいは人脈を通して、その問題の国の政治的、社会的な状況に精通されて豊富な知識、情報をお持ちで、難民審査参与員としてふさわしい方もいらっしゃると思います。

 そういったことから、難民審査参与員の候補になり得るのではないかと考えているわけでございます。

井上哲士君

 あくまで例示だそうでありますが、やはり慎重に、本当に人権状況などに通じた方が選ばれるということについて求めておきますが、関連しまして、第三者機関という性格からいいますと、この参与員に元入管職員などは入れるべきでないと思いますが、この点はいかがでしょうか。

政府参考人(増田暢也君)

 お尋ね、御指摘のように、今回のこの制度は審理、判断の公正性、中立性をより一層確保するために導入するものでございますから、そういった趣旨を踏まえますと、出入国管理業務に携わった元入国管理局職員を選ぶことは適当ではないと考えております。

井上哲士君

 今回、参与員という制度を作るわけですが、参与員の皆さんがこの事例について検討するという点でも、そして申請者が一次審査で不許可になったけれども、その理由をはっきり示されて、この点をやっぱり補強するということを明確にするという点でも、認定不許可の理由というのを詳細に申請者に対しても参与員に対しても示すべきだと思うんですね。

 諸外国のこれは異議申請の関係の文書がありますけれども、なぜ不許可かなどの文書が、これは、アメリカでいいますと A4 で十三枚、オーストラリアが二十枚、ニュージーランドが三十八枚、大変膨大な量が出ておりまして、そして、プライバシーに配慮しながら、ホームページでも見れるというふうに、公開をされるということになっているわけですね。

 私は、やっぱり新しい制度にする上でこういう、この間、昨年若干、不許可の理由を今までよりもたくさん書くようになったようでありますけれども、更にこの点は改善をすべきだと思うんですが、その点はいかがでしょうか。

政府参考人(増田暢也君)

 御指摘のとおり、平成十五年一月から、それまでの記載の在り方を改善いたしまして、具体的な理由を付記することに努め、難民認定手続の透明性を一層高めてきたところでございます。

 今後とも、委員の御指摘を踏まえまして、不認定判断の基礎となった理由を、個々の事案の申立ての実情に応じ、更に適切に記載していくことに努めたいと考えております。

井上哲士君

 三回にわたって質疑をさせていただきました。

 我々は、難民認定と入管行政というのは基本的に分離をすべきだということを主張をしてまいりました。政府案については、その点が改善されておりませんし、多々問題も指摘をいたしました。しかし、個々には現状よりも前進の中身を含んでおりますので、我々、政府案には賛成をいたします。

 ただ、この政府案が可決をされますと、民主党案について態度表明をする機会もないかもしれませんので、民主党案につきましても、我々も、この二つの、難民認定、入管行政を分離をしていくということも含めまして前進的な内容を含んでおり、賛成であるということも申し上げまして、質問を終わります。


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