共産党の井上哲士です。時間も限られていますので、雇用の問題に絞ってお聞きをいたします。
最近、いわゆるワーキングプアという問題が大変社会問題になっております。どんなにまじめに働いても十分な賃金が受け取れない、生活保護水準以下の賃金しか受け取れないということがマスコミ報道なども通じて大変問題になっているわけですが、この問題を私ども予算委員会などで質問した際に、安倍総理は、いわゆるワーキングプアと言われる人たちを前提にコストあるいは生産の現状が確立されているのであればそれは大変な問題であろうと思いますと、こういう答弁をされました。現実は、正に前提にコストや生産の現状が確立されているということで問題になっているわけですね。
そこで、総理もこれは大変な問題だという認識をされた以上、一定の制度的な、また法制的な対応も必要でありましょうし、経済界等にも強力な要請も必要かと思うんですが、どういう取組を厚生労働省として、この議論を踏まえて考えていらっしゃるのか、これが第一点です。
それから、先ほど松議員からもありました偽装請負の問題ですが、このワーキングプアと言われる事態の一つの大きな温床にこれがあると思います。
それで、先ほどの説明のペーパーを見ておりますと、この偽装請負がなぜ問題かという弊害としては、安全衛生等の事業者責任の所在があいまいなことになり、労働災害の発生などが起きると、こういうことが言われております。口頭では安上がりということも言われたわけですけれども。
私、ちょっとこれだけではこの弊害のとらえ方が弱いのではないかなという思いがしているんですね。安全衛生の問題は第一あるわけですが、例えば、一年以上雇用した場合にも正規としての申入れをする必要がないというようなこともありますし、それから、単に安上がりというだけではなくて、正に保険なども全くないような働かされ方をしている、そういうことがある。そういう点で、企業としては大変、物のように扱えて使い勝手がいいという、ここが企業がやっぱりやっている問題があると思うんですね。
ここまでこの偽装請負が持っている弊害というものをとらえなければ十分な対策が私はできないんじゃないかと思うんですが、どういう弊害と認識をされているのかもう少し突っ込んでお聞きをしたいと思います。
それから三点目は、今回、国会でこれが随分問題になる中で、経団連など、御手洗会長自身が、むしろ請負法制に無理があり過ぎるんだと、是非見直すべきだというような発言をしたということも、大変これも問題になっているわけですが。
よく総理が教育問題で規範意識ということを言われるんですが、違反をしておいて法律が悪いということを財界の幹部が言われるようではどうかなと思うんですが、こういうような財界からの要請などではなくて、やっぱり、むしろきちっとこういう事態が起きないような規制こそ必要だと思っているんですが、こういう発言を受けて厚生労働省はどういうことを考えていらっしゃるのか。
以上三点、お願いします。