2006年12月7日(木)
教育基本法に関する特別委員会(午後)
「いじめ等の集中審議」
- 「教育再生会議」のいじめ対策緊急提言や、教基法の政府案がイギリスで法制化されている家庭教育への刑罰導入につながる恐れを質問。
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- 井上哲士君
日本共産党の井上哲士です。
まず最初に、教育再生会議が十一月の二十九日にまとめたいじめ問題の緊急提言について官房長官にお聞きをいたします。
この提言によりますと、学校は、問題を起こす子供に対して指導、懲戒の基準を明確にし、毅然とした対応を取る、それから、教育委員会は、いじめにかかわったり、放置、助長した教員に懲戒処分を適用するなどを盛り込むなど、非常に懲罰的対応が目立っております。
私は、いじめられる側にも問題があるという考えは一掃しなくてはならないと思いますが、じゃ、懲罰的対応だけでいいのかということも大変疑問であります。実際、様々な識者等から、いじめられる側といじめる側が逆転するケースもある、そういう今の実態を分かっているんだろうかという声が上がっているのも事実であります。
一方、あの提言は、いじめを生む素地をつくらないということも書いております。この点、非常に大事だと思うんですが、余りこれには具体的な言及がありません。
そこで、いじめを生む素地ということはどういう内容をお考えなのか、お示しいただきたいと思います。
- 国務大臣(塩崎恭久君)
この再生会議での提言で、いじめを生まない素地をつくりと、こういうことで、その素地、いじめを生まない素地とは何かと、こういうお話であります。
これは、提言の七番目にいろいろ書いてあると思いますが、一言で言ってしまえば、社会総掛かりでやっぱり子供たちを育てていかないといけないということを言っているんではないかと思います。その辺が偏って、昔だったらおじいちゃん、おばあちゃんもいるし、隣のおばちゃんも怖かったりとか、先生も責任を持ってしかるときもあれば、家に呼んでくれて一緒に御飯食べちゃったりとか、いろんなことがあって、いろんな形で社会が子供にかかわっていた。そういう中で、もちろんいじめ自体はなかったわけではありませんけれども、どこかで救済される仕組みというのがあった。その社会がどうも子供に総掛かりで正面向いて向かってないんじゃないかと。そういうことを多分言いたいんではないかと思うんですね。
ですから、社会を構成する人たちがやっぱり子供に正面から全部向き合っていじめの素地というものをなくしていく。言ってみれば、日本の社会全体を変えていかないといけないということを言っているに等しいのかも分かりませんが、かつて日本ではいじめがあってもどこかで救われるという社会がちょっと変質してきているのかなということをもう一回反省をしながら再構築していこうじゃないか、こんなことで広い意味での教育というものをやっぱり言っているんだろうと思います。
- 井上哲士君
今あった社会の様々な問題が子供たちに反映をしている、事実だと思います。
もう一方、やはり学校と教育の在り方全体というものを見る必要があるのではないかと思うんです。このいじめを生む素地となっている問題に子供たちが様々なストレスにさらされているということを私たち指摘をしてまいりました。これは、国連の子どもの権利委員会も、日本に対しまして、教育制度の過度に競争的な性格が子供の肉体的及び精神的な健康に否定的な影響を及ぼし、かつ子供が最大限可能なまでに発達することを妨げていると、こういう指摘をし、その是正を勧告をしておりますが、先ほどの提言にはこういう問題は触れておらぬということになっております。
そこで、文部科学大臣にお聞きするんですが、やはりこういう国連などが指摘している問題にしっかりメスを入れるということなしにこのいじめ問題が解決の方向に向かわないのではないかと思うんですが、いかがでしょうか。
- 国務大臣(伊吹文明君)
多分、先生あるいは先生の政党の御主張としては、競争原理でこういうことが起こっているということをおっしゃっているんだと思いますが。
確かに、いろいろな意味で子供にストレスがあるということは私は否定しません。しかし、自由と民主主義の国においては、基本的には競争というか、自由競争ということは普遍の価値として受け入れているわけですよ。これをどこまで、教育の場でどこまで使うかということについては、教育というのは競争の結果生み出される効率とかそういうものを超えた価値を扱っている部分がありますから、それは心してやらねばならないということだと思います。
ですから、子供の、例えば学校で授業内容に満足をしているクラスの子供は比較的いじめが少ないとか、御家庭で家族の対話のある子供はストレスが少ないとか、いろんな要因が掛かっておりますから、それを一律に学校の競争ということに集約していくというのは、私は少し慎重でありたいと思います。
- 井上哲士君
私どもの党の主張ということで言われましたが、私が聞きましたのは、国連が教育制度の過度に競争的な性格がこういうことを及ぼしていることについての見解をお聞きしたんです。
これはいろんなところで実は指摘もされておりまして、昨日の新聞などで一斉に報道されておりましたけれども、ある研究調査が発表されておりましたけれども、学級内のストレスの要因として、今もありましたが、これは授業が分からない、だから興味が持てない、それからそれに加えて、管理型の学級では教師が威圧的だとか特定の子供だけが認められていると、こういうことがいろんなストレス要因になっているということが言われているわけですね。やっぱりここにメスを入れずに、いわゆる厳罰化的対応だけすれば、私はいじめが一層陰湿化するというんでしょうか、見えなくなっていくんではないか、ここを正す必要があるというふうに思っているんです。
そこで、安倍総理は盛んにイギリスの教育改革を一つの手本として言われてまいりました。このイギリスでも大変いじめが深刻だということが盛んに今報道もされております。サッチャー改革の下で一斉学力テストが実施をされまして、学校選択制と、非常に競争が激しくなった。そのころからいじめ問題というものが認識をされまして、今、市民団体の調査によりますと、高校生まで児童生徒七百万人のうちいじめられたことがある子供というのは六九%、それからいじめで学校を欠席した経験がある人も四二%いたというのがイギリスの調査で発表をされております。また、毎日二万人がいじめが嫌で学校を休んでいるという推計もありまして、大変深刻な問題になっているということなわけですね。
イギリスでは、こういう学校と子供にこの徹底した競争やふるい分けの教育が行われ、そしてさらに、問題があるとされた子供たちを学校から追い出していくという異常な事態があるんですね。今義務教育の修了資格を持たずに学校を去る子供というのは約八%です。不登校などが毎年百万人以上、停学処分が十万人以上、退学処分が一万人以上という報告もこれは出されておりますが、こういう言わば義務教育修了資格を持たずに一割近い子供が学校を去るというふうな、こういう事態について大臣はいかが評価をされるでしょうか。
〔委員長退席、理事保坂三蔵君着席〕
- 国務大臣(伊吹文明君)
英国では法律によっていじめを行った子供を強制的に学校へ来させないとか、そういうことが規定されているということは私も存じております。しかし、各々の国の法律をどう作るかはその国の長い歴史あるいは社会の状況によって違うわけですから、英国がやったことが日本に即いいとは私は思っておりません。
- 井上哲士君
イギリスの中ではこういう競争教育についての見直しの動きが強まっていることは先日もこの委員会で議論になりました。ただ一方で、むしろ家庭にも厳罰主義を持ち込もうという動きもあるんですね。ジョンソン教育相は、家庭にも厳罰主義を導入をするように強調して、いじめをやめるように指導しても児童生徒が従わなかった子の親に一千ポンド、二十二万ぐらいですけれども、こういう罰金を科すというような法案が検討されているということでありますが、私は日本はこういうような方向は取るべきでないと考えていますが、大臣はいかがでしょうか。
- 国務大臣(伊吹文明君)
おっしゃっているのはあれですか、犯罪及び秩序違反法という英国の法ですね。
- 井上哲士君
今、今後検討されているものです。
- 国務大臣(伊吹文明君)
ああ、検討されている。
- 井上哲士君
家庭の。
- 国務大臣(伊吹文明君)
それ、家庭に対して罰金を科すかどうか。これはまあ一律にそういうことはやるべきじゃないでしょうね。ただ、日本でもいろいろな法制がありますから、親が適切な管理義務を、保護者としての義務を怠った場合は、当然日本の既存の法律でも親は訴えられたり損害賠償を求められることはあるのは御存じのとおりだと思いますが、一律にそういうことを法制化するというのは私は日本にはなじまないんじゃないかという気がしますし、例えばいじめの子供を不登校にしろというような話もあります、学校へ来させるなというような話もありますが、いじめというのはいろんな態様がありまして、いじめ即登校停止というのはやっぱり乱暴なことなんですよね。各々のケース・バイ・ケースで判断していかねばならないわけですから、すべてを否定する必要はありませんから、それを、すべてを一般化することは私は適当じゃないと思います。
- 井上哲士君
ただ、安倍総理はこのイギリスのやり方について様々書かれております。あの「美しい国へ」では次のように書いているんですね。
ブレア政権は二〇〇五年五月の総選挙に勝って三期目に入ったが、その後、政権の大きな柱としてリスペクト・アクション・プランを発表した。教育や子育て、青少年の育成、地域づくり、治安まで含めた省庁横断的な政策である。具体的には、例えば問題を起こす児童生徒に対する教員のしつけの権限を法制化したり、地域に悪影響を及ぼすおそれのある問題家庭を二十四時間監視するなど、善悪のけじめをきちっと付けることだといって大変評価をされております。
そうしますと、こういう厳罰化の方向がいわゆる総理の教育改革の下で持ち込まれてくるんじゃないかという懸念の声が出てくるのも当然だと思うんですが、大臣、いかがですか。
- 国務大臣(伊吹文明君)
先ほど辻先生の御質問にもお答えしましたように、安倍総理が総裁候補であったときに書いた書物が国会の議決も経ずに実現できるといったら日本国は独裁国家になりますよ。そんなことはあり得ないんで、そういうトラウマにとらわれる必要は私はないと思います。
- 井上哲士君
過去に総裁選挙の公約だと言って、例えば靖国の公式参拝を行ったり、そして非常に郵政で強引にやった総理を私たちは知っていますから、こういう懸念があるんです。
なぜ懸念が生まれるかには、それだけじゃありませんで、今回の基本法の第十条で「父母その他の保護者は、子の教育について第一義的責任を有するものであって、」云々という項目があります。実は、イギリスでも一九九六年教育法で、子供がきちんと学校へ行くのは第一義的に保護者の責任だと、こういうふうにしているんですね。第一義的に保護者の責任という点では同じなんです。
そこで、イギリスでは、こういう不登校などの保護者にもその責任として刑罰の対象とするという法律がその後できているんです。これは御存じでしょうか。
- 国務大臣(伊吹文明君)
先生から御質問があるということで、読んでみました。
- 井上哲士君
犯罪及び秩序違反法、今いわゆる子育て命令法というような言い方もされておりますが、これは不登校や遅刻も対象になって、保護者が刑罰の対象になります。
例えば、娘の無許可欠席で六十日間の実刑を宣告され投獄されたという例もあります。これは刑期は二週間に短縮されて釈放されたっていうんですけれども、この娘の無許可欠席の理由というのは、十五歳の子が百九十日の登校日のうち五十五日だけ登校して、それ以外休んだ。その理由は、いじめと、それからおばあちゃんの死が原因で、おばあちゃんが死んだ後、お母さんを一人にさせたくなかったということだったそうでありますけれども、こういう実刑が親に科せられたという例がありますし、ロンドンのある区では子供の遅刻を理由に保護者を起訴という事態も生まれております。
私は、同じ第一義的責任ということが今回の基本法に盛り込まれているわけですが、こういうような言わば下位法が作られるべきではないと、こう思っておりますけれども、大臣、いかがでしょうか。
- 国務大臣(伊吹文明君)
基本的には先生のお考えに私は異論を差し挟むものではないと思いますが、今の質問の形に私がまた簡単にうなずくと、明日赤旗に書かれたりしたら困りますからね。
率直に申し上げておきたいのは、今先生がおっしゃったことは現象面のことをおっしゃっているわけですよ。しかし、それに親がどのように、子供がそういう行為に走ったことについて親の責任があったかどうかということについて、かなりケース・バイ・ケースで判断しなければならないんで、私はすべてを否定するわけじゃないけれども、すべてにこのことを適用するのは適当じゃないと言ったのは、正にそういうことなんですよ。その親に一律に刑罰を科すとかですね。ですから、それはケース・バイ・ケースなんです。
ですから、今の日本の法律でも、親が子供をいろいろ虐待をした結果、子供が学校へ来れなくなったときは親は当然処罰されますよ。ですから、一律に私はそういうことを適用することについては反対だと。これは先生と同じ意見です。
- 井上哲士君
親の虐待とか、これは正に今の日本の国内で罰されるわけですね。私が問題にしていますのは、先ほど言っていますように、不登校とか遅刻と、要するに子供がやったことがそれは親の責任だということで一律に罰するようなことはあってはならないと思うし、そういう下位法は作らないんだということはちょっと明言をしていただきたいと思います。
- 国務大臣(伊吹文明君)
下位法は作るつもりはありません。
しかし、子供が不登校だとか遅刻をした理由が子供自身にあるのに親を罰するということはできませんよ、それは。しかし、親が子供を働かせてしまったから行けなかったとか、いろいろなケースがあるわけでしょう。だから申し上げているんですよ。現象面だけをとらえて御質問に相づちを打つのは危ないと申し上げたのはそういうことです。
- 井上哲士君
私は、逆に危ないと思っているから質問しているんですよ。
先ほども言いましたように、同じような、この保護者の第一義的責任という文言があります。そして、総理も書いておられる。そして、総理が教育再生会議の担当に指名された山谷えり子さんは、これは平成十六年の十一月二十四日の参議院の調査会で質問をされているんですが、ブレアも子育て命令法という法律を作りまして、親には子育てをちゃんとしようと、不登校の親に罰金刑までするような、そんなことをやっています、日本はどう探っていくのか検討していただきたいと。要するに、不登校の親に罰金刑を掛けるというようなことも検討するべきだということをその教育担当の補佐官が主張されている。
私は、こういうのを見ましたら、教育再生会議等でこういうことが現実に検討されかねないと、こういう危惧を覚えるから聞いているわけでありまして、やはりこういう形で罰則をもって家庭教育に、家庭内におけるそういう虐待とかそれは今でも取り締まるわけですけれども、そういう家庭教育の中身に刑罰をもって介入するような、そういうものは作らないんだということは改めて明らかにしていただきたいと思います。
- 国務大臣(伊吹文明君)
まず、刑罰を科する科さないの前に、家庭教育についての法律を作るかどうかというのは、これはやはりかなり慎重な、何というんでしょうか、検討が必要なんですね。是非、井上先生も自信をお持ちになるのは、先生が日本の立法者なんですよ、再生会議がどう言うかということは関係ないんですから。
- 井上哲士君
いや、関係ないようなものを今官邸でやっているんですか。いや、そんないい加減なものを国民の税金で内閣府に設置してやるというのは、これは私、問題発言だと思いますよ。
現実に、しかし私たちが国会で議論する間にも内閣府でああいうものがやられて、そして例えばいじめの緊急提言というのを出されているんです。そして、今後これが最終的な様々なことになってくるのを見たときに、やはりこれは国会においてきちっと議論をして、そして今の教育基本法との関係どうなのかというのは、私は議論しなくちゃいけないからこそこうやってお聞きしているわけです。いかがですか。
- 国務大臣(伊吹文明君)
いや、先生の今の御質問こそ私は問題発言だと思いますよ。だって、国権の最高機関として立法権を持っておられるんでしょう。
ですから、再生委員会はいろいろな意見を言いますよ。中にそれは法律になって出てくるかも分からない。その中で私は、できること、いや、これはまずいんじゃないか、これはこうすべきだということは、それは責任ある大臣として当然申し上げます。そして、国会に出てきたときにおかしいと思われたら、それを通さないのが国会でしょう。その方が何か再生会議がやったら決まるようなことを言っちゃったら、日本国憲法はぐちゃぐちゃになっちゃうんじゃないですか。
- 井上哲士君
多数をもって強行採決をするような与党がある下で私たちはこういう国会があるわけですから、こういう懸念があるからこそ私は質問をしているんです。
改めて確認をしますけれども、例えば衆議院の前大臣の答弁では、そういう個々の家庭における具体的な教育内容等について規定するものではないと、この十条は。そのような法律を新たに設けることを意図するものではないということを明言をされておるわけですが、これは立法者意思として確認をしていただけますか。
- 国務大臣(伊吹文明君)
私が先ほど御答弁したのはその趣旨に沿ってございます。
- 井上哲士君
先ほどから言っておりますように、確かに法律として出てくるものがあります。同時に、様々な、先日もやりましたけれども、裁量行政として国会にかからずに行える様々なことがあるんですね。先ほど、一番最初に申し上げましたように、例えばそういう懲戒基準などというものは、私ども国会に一々出てくるんじゃないんです。そういうものが結局行政主導でどんどんいくんじゃないかと、こういう懸念は私は持っているし、そういうことがあってはならないということは申し上げておきたいと思います。
それで、高市大臣にお聞きをするわけですが、私はやっぱり政府が行うべきことは、今の教育基本法が明記していますように、家庭教育の奨励とか支援であって、命令をすることではないと思うんですね。先日、少子化白書が閣議決定をされておりますが、その中では、夫が外で働き妻は家庭を守るべきだと、こういう意識が強くて妻に育児を任せ切りにする現状があるということを指摘をしておりまして、父親の育児参加とか働き方、意識改革の必要性というものを強調しております。
長時間労働など現状の仕事優先の働き方を変えて、いわゆるワーク・ライフ・バランスを実現する、こういう支援が必要だと思いますけれども、その点お考えを聞かせていただきたいと思います。
- 国務大臣(高市早苗君)
今先生、少子化白書を挙げてくださいましたけれども、男女共同参画基本計画、第二次の方なんですけれども、ここにも目標が書いてあります。「概ね平成二十六年度までに育児休業取得率を男性一〇%、女性八〇%にすることを目指し、」というようなことが書いてあり、男性の場合はまだまだなかなか取りにくい職場の雰囲気もありますし、これは自分の仕事をこなし切れないというような事情もあるんだろうと思います。
とにかく、生活と仕事の調和が取れたいわゆるワーク・ライフ・バランスに立脚した働き方というのは、少子化対策でも大いに効果がありますし、それからまた企業にとってもいい人材がちゃんと定着する、またいい人材が来てくれるというメリットがあると思います。
これからは、やはり育児休業が取りやすい、それから短時間労働ですね、この勤務が普及していくような形で今年六月の新しい少子化対策にも書き込まれていますんで、努力をしてまいりたいと思います。
- 井上哲士君
そういう様々な形での家庭への支援こそ必要だと思いますが、法案は全体としてやはり命令的な条文が前面に出ていると思います。
やはり家庭教育に困難を押し付けて命令するようなやり方は絶対すべきではありませんし、現行教育基本法の制定に携わった田中耕太郎氏はこう書いております。国家以前に人類発生とともに存在し、したがってそれがいかに良心によって行使されるかは、良心にとって道徳的問題であり、国家の干渉外の問題であると。国家の家庭への干渉は許されないことであると。それは個人についての思想の自由、良心の自由及び宗教の自由が保障されているのと同様であると、こういうふうに述べておられます。
私は、やはり家庭教育まで踏み込むようなことをやるようなことはやるべきでないということを申し上げまして、質問を終わります。
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