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井上哲士ONLINE
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2006年12月13日(水)

教育基本法に関する特別委員会
「教育基本法案」について

  • 文部科学省主催の「教育改革フォーラム」での「やらせ」「さくら」「天下り利権」を追求。

井上哲士君

 日本共産党の井上哲士です。

 今日、タウンミーティングの最終報告書が出されました。やらせ質問に加えてサクラの動員など、国民の声を聴くと言いながら、実は世論の捏造が行われていたということが明らかになりました。しかし、文部科学省が広く国民の声を聴くと言っていたのはこれだけではありません。私は今日は文部科学省が主催した教育改革フォーラムについてお聞きをいたします。

 まず、田中生涯学習政策局長にお聞きしますが、あなたは十一月十四日の衆議院での質疑で、このフォーラムについて、これまで当時の担当者等に確認をしたところ、発言候補者の確保や発言のための資料の作成はなかったと答えておられますが、この認識、今でもお変わりないか、フォーラムに不適当なことはなかったと、こういう認識か、まずお答えください。

政府参考人(田中壮一郎君)

 お答えを申し上げます。

 ただいま御指摘いただきましたように、平成十五年の教育改革フォーラムにおきまして、あらかじめ発言者を依頼したりあるいは発言メモを用意したような事実はございませんでした。

井上哲士君

 全体として不適当なことはなかったという認識ですか。

政府参考人(田中壮一郎君)

 不適当なことがあったという認識は持っておりません。

井上哲士君

 じゃ、お聞きしますけれども、私どもはこの改革フォーラムが開催された各都道府県の教育委員会にお聞きをいたしました。やらせ、サクラについて聞き取り調査をしましたが、例えば回答があった中で、二〇〇三年五月に開催された山口県と熊本県、ここではサクラの組織が行われたことが明らかになっています。

 山口では、文部科学省から、当日会場に関係者席を設けるので県の職員や関係団体等から百人程度確保していただきたいと、こういう口頭の依頼があったと県の教育委員会が回答しております。それから、熊本、これも県の教育委員会の回答によりますと、文部科学省から開催県分、傍聴者の確保の依頼があって、教育委員、教育長、各課、各教育事務所、各地域の市町村教育委員会連合会、高校、小中学校の校長会などから募集したと、こういうふうに回答しておりますけれども、事実でしょうか。

政府参考人(田中壮一郎君)

 平成十五年の教育改革フォーラムにつきましては、平成十五年三月二十日に出されました、新しい時代にふさわしい教育基本法と教育基本計画の在り方についてという中央教育審議会の答申、これを広く周知し……

井上哲士君

 端的に。

政府参考人(田中壮一郎君)

 はい。教育関係者を始め、国民的議論を深めるために開催したものでございます。

 したがいまして、これらの会場におきましては、一般からの傍聴者を募集するとともに、教育関係者のための教育関係者席を設けまして、教育関係者の積極的な御参加を呼び掛けたと承知いたしております。

井上哲士君

 それがサクラなんですよ。今日のタウンミーティングの報告書でも、一般公募の趣旨にかんがみると、公平性、透明性の観点から問題のある運営方法だったと、こういう動員するのが、こう言っているのに、あなたはそれね、問題ない、不適当なことはなかったという認識ですからね、全く反省してないんです。

 しかも、更に聞きますが、この教育委員会の関係者を集めながら、一般を装っていたんじゃないかと。お手元に二〇〇三年の十月四日の教育改革フォーラムの宣伝物を配付しておりますが、これは東京をメーン会場にして、石川と香川を衛星放送で結んで開催したものです。このフォーラムのときに、香川県の会場で一人だけ女性が発言をしておりますが、この方の職業は何でしょうか。

政府参考人(田中壮一郎君)

 御質問のございました香川県でその発言をした人の職業でございますけれども、この日の各会場とも挙手をした方の中から司会者が発言者を名指しした、指名したところでございますけれども、このときにおきまして、名前を明らかにして御発言くださいということは申し上げましたけれども、職業についてはお聞きをしなかったもので、職業については言及をされなかったというふうに聞いておるところでございます。

 ただ、ちょっと御説明をさせていただきますが……

井上哲士君

 簡潔に。

政府参考人(田中壮一郎君)

 平成十五年のエル・ネット教育改革フォーラムにつきましては、東京と石川、香川、これを会場といたしまして、これを衛星通信で結んで実施したわけでございますけれども、これはこの三会場と同時に、各地域に、全国で九百八十六の公民館、図書館等でこのエル・ネットを受信して、そこで一般の多くの国民の方に聴取できるようにして開催したものでございまして、特に香川と石川に関しましては会場が大変狭かったということがございまして、香川と石川に関しましては一般公募は行っておりません。教育関係者の方から御参加を募ったということでございます。

井上哲士君

 そんなこと、おかしいでしょう。

 今も言われましたように、この香川と石川の会場は一般公募していないんですね。そして、来ているのは教育委員会の関係者だけですよ。

 ところが、その中で当てて質問をした人を私たち調べましたら、小学校の校長先生でした。石川の方の質問者は、私たち調べましたら、県の教育委員会の指導主事の方でありました。その人が名前も名のらずに一般人のような顔をして手を挙げて、当てるんです。東京の会場で見ている人は、それはあたかも一般の人が発言したと思っているわけですよ。これは、実際は来ているのは教育委員会の関係者だけ、それに当てたわけですから、私は、これは組織的やらせ、集団やらせだと思いますよ。

 しかも、当時、全国紙に七百万使って広告出しているんです。で、国民は衛星放送を使って、なるほど広く意見を聴いているかと思いますけれども、実際に発言をしたのは組織をされた教育委員会の関係者だけと。税金大量につぎ込んで衛星放送使って中身はやらせ、これでもあなたは不適当なことなかったと言うんですか。

政府参考人(田中壮一郎君)

 エル・ネットを使いました教育改革フォーラムにつきましては、ただいま申し上げましたように、そういう三会場を衛星中継で結びまして、全国九百八十六会場でこの、公民館、図書館等でございますけれども、その状況が視聴可能な状況にあったところでございまして、当日は約四千百人の方々がこれらの会場で参加されたというふうに認識をいたしております。

井上哲士君

 質問に答えていない。(発言する者あり)

委員長(中曽根弘文君)

 速記を止めてください。

  〔速記中止〕

委員長(中曽根弘文君)

 速記を起こしてください。

政府参考人(田中壮一郎君)

 お答えを申し上げます。

 この平成十五年のエル・ネット教育改革フォーラムにつきましては、当初より、石川、香川会場においては一般公募はしないということで実施をしたものでございます。(発言する者あり)

委員長(中曽根弘文君)

 じゃ、大臣。(発言する者あり)伊吹文部科学大臣。

国務大臣(伊吹文明君)

 井上先生ね、こうやらせ、やらせと決め付けますけれどもね……

井上哲士君

 だから、事実関係を聞いている。

国務大臣(伊吹文明君)

 教育のフォーラムですから、教育委員会の人がそれを主に聞きに行くっていうことはどうしてやらせなんですか。(発言する者あり)いやいや、専門的な人たちがそれを聞きに行くっていうことはあっても構わないんじゃないんですか。

委員長(中曽根弘文君)

 質疑者以外は発言しないでください。

井上哲士君

 さっきも言いましたけれども、今日の報告書でそういうやり方は問題のある運営方法だったと言っているんですよ。ところが、局長は不適当なことはなかったと言っているから、おかしいと言っている。そして、いいですか。(発言する者あり)それは違いますよ。いいですか。この間、大臣は繰り返し、教育改革フォーラムあるいは教育改革タウンミーティングなどを開催して国民の意見を聴くと。同列に並べているんです、同じように。

 更に聞きますけれども、さっき千会場で、約千会場で四千人近くが参加をしたと言いました。一か所当たり四人ぐらいですよ。そこは一般公募をしたのに、なぜ、この石川や香川では一般公募が狭くてできないんですか。理屈が通らないじゃないですか。ちゃんと答えてください。

政府参考人(田中壮一郎君)

 エル・ネットを受信可能な公民館、図書館等におきましては、当日ここでその教育改革フォーラムが視聴できる旨のPRはいたしましたけれども、公募自体はいたしておりません。

井上哲士君

 それが適切な答弁。

国務大臣(伊吹文明君)

 タウンミーティングと教育フォーラムというのは、そもそも性格が違うんじゃないんですか。

井上哲士君

 それは違いますよ。

国務大臣(伊吹文明君)

 いやいや、それは違いますよって一方的に決め付けちゃ違いますよ、それは。

 ですから、教育関係のセミナーをやるとか教育関係のフォーラムをやるときに、教育関係の人が主になって聞きに行くというのは当然のことじゃないですか。むしろ問題は、僕は先生の言っておられることにある程度理があるとすれば、それをもって国民すべての意見を聴いたということを言えばそれは問題ですよ。(発言する者あり)ですけれども、だって、例えばマルクス・レーニンの思想を聞こうなんていうときには、みんなそういう人たちは来るじゃないですか。何で関係者が来ちゃいけないんですか。何で関係者が来ることがやらせなんですか。それは違うでしょう。(発言する者あり)

委員長(中曽根弘文君)

 お静かに願います。

井上哲士君

 いいですか、今日のタウンミーティングのあれでも、一般公募の趣旨に、こういうやり方は問題のある運営方法だと言っているんですよ。いいですか。そして、いいですか、小坂文部大臣、当時の文部大臣、全国各地で教育改革フォーラムあるいは教育改革タウンミーティングなどを開催いたしまして国民の意見を聴く機会を設けてきたと。並べているじゃないですか。国民の意見を聴くということ、並べているじゃないですか。そのフォーラムのこのやり方が適当と考えるのかと。もう一回答えてください。

政府参考人(田中壮一郎君)

 お答えを申し上げます。

 教育改革フォーラムにつきましては、先ほど申し上げましたように、中央教育審議会の答申を踏まえまして、この周知を図るために開催しておるわけでございますので、教育関係者の積極的な御参加を求めたものでございます。

井上哲士君

 大臣の答弁は、国民の意見を聴く機会を設けてきたと言っているんです。大臣の答弁と違うじゃないですか。こんなことだったら、質疑できませんよ。おかしいじゃないですか。

政府参考人(田中壮一郎君)

 したがいまして、教育関係者の積極的参加を求めて、関係者席をつくっておりますけれども、一般公募も、香川と石川以外は一般公募をやっておるところでございます。(発言する者あり)

委員長(中曽根弘文君)

 静かにしてください。

井上哲士君

 ですから、じゃ、もう一回答えてください。

 ほかの施設では一般の人が来ているのに、この会場だけ、ほかは全部やったのに何で石川と香川だけは一般公募ができなかったのか。狭かったらですね、そういうことによって一般の人が来れないようなやり方は問題だと言っているんです、今日の報告でも。その認識をもう一回言ってください。

政府参考人(田中壮一郎君)

 香川と石川の会場につきましては、会場が非常に狭くて入れる人数に非常に制限がございましたために、一般公募は行わなかったものでございます。

井上哲士君

 ビデオで見ていますけれども、十分に広い会場があって、そして空席もあったんです。そんなうそ言ったら駄目だ。ほかのところは来ているんだから、一般の人が。なぜこんなことができないんですか。なぜここで一般公募ができなかったのか、ちゃんと、きちっとした答弁してください。

政府参考人(田中壮一郎君)

 再三のお尋ねでございますけれども、私どもが当時の関係者から聞いたところでございますけれども、その会場が狭くて、一般公募すると混乱を招きかねないということで一般公募はしなかったと聞いておるところでございます。

井上哲士君

 結局、当時のことをかばうだけなんですよ。

 ほかではやっていないんですか、一般公募。答えてください。

政府参考人(田中壮一郎君)

 ほかの会場は香川や石川と比べるとかなり広い会場でございます。

井上哲士君

 これ、大臣、結局こうやって責任逃れをするんです。そして、あなたは、タウンミーティングについては、当時の人に聞いたらこれは真実が分からないかもしれないということで、現在そのラインに乗ってない総括審議官に、トップにして調査をさせると言いました。これ、しかし、結局同じことが起きているんです。ですから、私はフォーラムについても、別の、正にこれに直接かかわってないちゃんとした調査チームをつくって調査すべきだと思いますけれども、どうですか。

国務大臣(伊吹文明君)

 今の参考人が答弁しているように、狭い会場では主に教育関係の人が教育フォーラムだから来るのは当然じゃないですか。そして、広いところでは公募の人たちも入る余地があるんなら入っていただくということでやっているわけですから、タウンミーティングとは違いますよ、教育フォーラム。違いますよ、それは。

 だから、先生は何かタウンミーティングと教育フォーラムは全く同じだという前提でお話をしておられますが、それは私は違うと思いますね。

委員長(中曽根弘文君)

 質疑者以外は静かにしてください。

井上哲士君

 これは小坂大臣が繰り返し答弁しているんです、横並びにして。これが法案提出の根拠だと言っているんです。それを、今になってまた違うことを言うのは本当に問題ですよ。

 では、もう一つ言いますが、問題はこれにとどまりません。

 この教育改革フォーラムの中で一番大規模に行ったのは、今、手にありますこの十月四日のものですが、これは東京、香川、金沢を衛星放送で結んでおりますから、実に二千九百二十四万八千七百十八円掛かっているんですね。このうち、衛星通信ネットワーク業務にどれだけの費用が掛かったか。お手元の資料の中にそのときの請求書が付いておりますけれども、これはこの衛星通信ネットワーク業務を請け負ったところからの請求書で一千百四万六千円、莫大なお金が掛かっているわけですね。これは、タウンミーティングでいえば一回分、フォーラムでいくと二回半分ぐらいのお金なんです。非常にタウンミーティングで無駄遣いありましたから、私は詳細に検討してみました。

 資料、今の資料の見ていただきますと、例えばディレクターの人件費、一日七万五千円なんです。これを三人、リハーサルも含めますと六十七万五千円。制作スタッフを見ますと、アシスタントディレクター一人五万円、カメラマン一人六万五千円、合計二百九十四万なんですね。私は、ちょっと業界の方にも聞いてみました。大体相場でいいますと、ディレクターは五万円前後ということであります。カメラマンも三万五千円、大体通り相場の一・五倍から二倍ぐらい掛かっているというお話でありました。これ、国民の税金なんですね。こういう大変高い人件費が請求されていると。これは、これも不適当だとはお考えにならないんですか。

政府参考人(玉井日出夫君)

 お答え申し上げます。

 これは向こうの見積り、それから請求、それぞれの金額でございますから、それぞれについて市場価格等を勘案しながら精査をし、総価、全体の額が一千百四万六千円でございます。皆さんお配りになられているお手元の資料で、単価もございますが、一番下の方に値引きというものもあるわけでございまして、そういうことでトータルで総価として私どもが契約をしたものでございます。

井上哲士君

 あのね、一千百万で、三十二万の値引きされていますけど、そんな話しちゃ駄目ですよ。今精査したと言いましたけれども、私は、栃木や岡山の見積り見ていますけれども、このときはディレクターは一人二万五千円なんです。アシスタントディレクターは一人二万円なんです。このときだけ物すごく高くなっているんですよ。精査なんかしてないんじゃないですか。

 そして、なぜ私はこういうことが起きているのかと大変疑問に思いましたが、これは衛星通信教育振興協会でありますけれども、これは受注者ですね、文科省の生涯学習政策局が管轄している財団法人ですけど、この請負責任者、理事長の齋藤諦淳さんとなっておりますけれども、この方は文部科学省からの天下りだと思いますけれども、最終役職は何だったんでしょうか。

政府参考人(玉井日出夫君)

 お答えを申し上げます。

 その前に、先ほどの金額でございますけど、その一枚目のその三十二万だけじゃなくて、その次にもそれぞれ三十二万ずつ引かれております。それでトータルということがあるわけでございます。

 そこで、今お尋ねの理事長の文部科学省における最終役職でございますけれども、御指摘の財団法人衛星通信教育振興協会理事長、これ非常勤でございますが、最終役職は文部省の生涯学習局長を最後に退官をしているところでございます。

井上哲士君

 私はこの協会の役員を見て驚きましたけれども、設立当時の理事長は元文部事務次官であります。以来、この元生涯学習局長始めこの協会の役員には別の文部科学事務次官、この方は元生涯学習担当の審議官、元広島大学の事務局長など、文部科学省のOBが次々と天下りしているんですね。

 お聞きしますけれども、この教育改革フォーラムの業務のこの受注は入札が行われたんでしょうか。

政府参考人(玉井日出夫君)

 お答えを申し上げます。

 この協会との契約でございますけれども、これは随意契約でございます。すなわち、会計法第二十九条の三第四項を適用し、随意契約を行ったものでございます。

井上哲士君

 それも適切だとお考えなんですか。不適当なことはないとお考えですか。

政府参考人(玉井日出夫君)

 先ほどの役員のところも、全体でたしか現員で二十六名の非常勤の理事長、理事がいらっしゃるわけでございますけど、その中でそれぞれの知識とか経験を買われて要請を受けて就任したものというふうにまず理解をしております。

 それから、契約でございますけれども、この契約は東京、石川、香川の三会場、いわゆるエル・ネットを結んで同時双方向により開催し、そして併せて全国の公民館、図書館等の受信施設でも聴講しておられて、大変大きな事業でございまして、この通信トラブル等のない円滑な運用が求められていたものでございますから、したがってエル・ネットを活用した双方向の生中継を実施してきた実績があり、併せてエル・ネットを活用した番組制作、エル・ネットシステムに関する知識等を有している者でなければなかなか安定かつ円滑な事業の実施が困難である、こういう考え方から随契という形にしたわけでございます。

委員長(中曽根弘文君)

 速記を止めてください。

  〔速記中止〕

委員長(中曽根弘文君)

 速記を起こしてください。

政府参考人(玉井日出夫君)

 お答えを申し上げます。

 先ほど申し上げました理由で随契にしておりますので、特段の問題があったとは考えておりません。

井上哲士君

 その結果、非常に高い単価になっていることも問題ないとおっしゃるんですか。国民の税金ですよ。

政府参考人(玉井日出夫君)

 先ほど事業の概要も御説明申し上げました。こういう事業に必要なディレクター等の技術ということでの金額であったわけでございます。そして、総価、トータルの金額として私どもは適切なものと考えたわけでございます。

井上哲士君

 さっき、あなた、精査したと言ったじゃないですか、それぞれを。精査をしてみたら、例えばディレクターなどが大変相場よりも高いことになっているんです。そして、三会場結ぶぐらいだったらいろんな業者できるんですよ。エル・ネット流すと言いますけれども、そんなものはビデオで流したら、こんなの同時に見る人はほとんどいないんですから。全然理屈になっていません。

 私、この財団の今年度の事業計画を見ましたけれども、その中に、衛星通信を活用した教育を取り巻く状況は極めて厳しくなっており、当財団としても業務分野の拡大について検討すると、こういう記述もあるんですね。大学分野の衛星については使用が余りにも少ないということで会計検査院からも指摘を受けているんです。結局、私は教育基本法をこの財団の業務拡大に利用したんじゃないかと。しかも、この財団にはずっと生涯学習局長をした人などが文部科学省から天下りをしているんですね。こんなんじゃ生涯学習じゃなくて生涯金もうけに使うということになるんですよ。

 私は、教育フォーラムで国民の声を聴いて提出されたと言いながらこういうことが起きていると、タウンミーティングと同じような事態が起きているんですね。今日の報告にもあったように、いわゆるサクラの動員があった。そして、単価も問題だということになれば、私は独自の、やはり文部科学省として独自の調査を別途するべきだと思いますけれども、それができない理由があるなら、大臣、言ってください。

国務大臣(伊吹文明君)

 できない理由があるわけではありません。先生がおっしゃっていることがやや一方的であるから調査に至らないということです。

井上哲士君

 はっきり示しているじゃない。

国務大臣(伊吹文明君)

 示してはおりません。

 いいですか。今ビデオを撮って持っていけばいいじゃないかとおっしゃっているけれども、その当時やろうとしたことは、ライブですべての会場をつないで、そして一緒にやろうという企画を立てているんですよ。だから、一会場でやっている単価とそれだけの会場をすべて結んでやるときの単価は当然違うわけで、それは適切であるとは私は断言しませんよ。決め付けは私は嫌ですから。しかし、三会場をライブでしっかり結んでやっているものと一会場のものの単価が違うというのは当たり前のことなんですよ。それをいかにも何か決め付けて単価がめちゃめちゃに高いというようなことを言っておられるのは、それは正しいかどうかということは私はもう少し専門家の意見を聞いてみなければいけない。

 それから、いいですか、それから、この会場には教育委員会の人が行くということは、私は何もやらせだとか動員だとか思いませんよ、それ以外の会場にたくさん一般公募の人が入っているわけですから。それを一方的にやらせだとか動員だとかと言って決め付けて調査をしろとおっしゃるから、それは私はにわかには同意はできないと申し上げているんです。

井上哲士君

 東京で見ていた人は、石川会場も香川会場も教育委員会の関係者ばっかり来ているなんてだれも思っていないんです。どこも全部一般公募があると思って、そこで発言をしたから、ああ、国民の声を聴いていると思ったら、実はそれは動員された人だと。こういうやり方がおかしいということを今日の最終報告書に出しているんですよ。

 ですから、私は、全く文部科学省は反省がないということが明らかになりました。国民の声を聴いて提出したと言いながら、実際はこういうことが起きたわけですから、私は、法案そのものの前提も崩れていると思いますし、やらせ、サクラに加えて天下り先の利益確保という疑いもあるわけですから、徹底した調査もしていただきたいし、こういうことがあいまいなまま、こんな重大な問題を持った法案を採決などをさすことはできないということも改めて申し上げまして、質問を終わります。


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