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井上哲士ONLINE
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2007年3月9日(金)

予算委員会
「総理の口利き」問題について追及(対総理)

  • 2001年ごろ道路公団の傘下にあった2つの財団に対し、山口県下関市の会社のごみ処理車を推薦するように、安倍首相が内閣官房副長官時代に働きかけたとみられる「口利き」疑惑を追及。

井上哲士君

 日本共産党の井上哲士です。

 今国会は、冒頭から政治と金をめぐる問題が噴出をしております。今日も閣僚の事務所費や光熱水費をめぐって、だれが聞いても信じられないような答弁が出ましたが、総理は問題ないと擁護をするだけでありまして、総理自身の金権問題への姿勢が問われております。

 そこで、今日は総理自身についてお聞きいたします。

 まず、お聞きするんですが、下関市に本社がある株式会社トヨシステムプラント、岡本豊之社長を御存じかと思いますが、いかがでしょうか。

内閣総理大臣(安倍晋三君)

 存じ上げております。

井上哲士君

 マスコミ報道を見ますと、総理の地元後援会の幹事長であり、二〇〇五年の総選挙のときには安倍選対の事務局長を務めておられた大変大事な方だと思います。

 去年の自民党総裁選挙のときの開票の様子が地元紙に出ておりますが、下関市内で総理の地元後援会約四百八十人がテレビ中継されるその総裁選挙の結果を見守り、選出の映像が流れると、大きな拍手で包まれ、万歳三唱やくす玉割りが行われたと。そして、岡本豊之幹事長の携帯電話には安倍氏から地元の皆さまの御支援に感謝いたしますとのメールが届いたと地元紙は報じております。

 そこで、お聞きするんですが、二〇〇二年一月三十日に総理が支部長をしている自民党山口県第四選挙区支部がこの岡本氏の会社から五十万円の献金を受けておりますけれども、これはどういう趣旨と経過だったでしょうか。

内閣総理大臣(安倍晋三君)

 私は、広くいろんな方々から政治献金をいただき、政治活動を支えていただいております。

 今、突然の質問でございますので、確認のしようがございません。

井上哲士君

 後援会の地元幹事長の方なので私は分かると思うんですが、この会社はガラス瓶の再資源化装置の製造、販売などを行っております。

 政府からいただいた資料によりますと、同社は、この再資源化のための特殊車両の研究開発として新規産業創造技術開発費補助金、経済産業省から受けております。二〇〇〇年六月一日に交付決定をした三千百一万円、さらに二〇〇一年七月三日にも交付決定をし、三千五百八十二万円の補助金をもらっております。

 政治資金規正法は、国から補助金を受けた法人は、交付決定を受けた日から一年以内、政治的寄附ができないということになっております。先ほどの五十万の寄附、総理に対する寄附というのはこの法に抵触するんじゃないでしょうか。

内閣総理大臣(安倍晋三君)

 そもそも、事前に御質問が通告がなされてはおりませんから確認しようがないと、このように思います。

 そしてまた、我々、政治献金、広く浅くこれは支持をしていただいているわけでございますが、その際、この補助金を受けているかどうかはこちら側が確かめようがないわけでありまして、先方が補助金を受けている際には補助金を受けていますということを申出がなされれば、もちろん我々そうした寄附はいただかないわけでございますが、いずれにせよ、その件については私はよく詳しく、これは会計責任者がやっておりますから、そちらの方にまず問い合わせをしてみなければ、今何ともお答えのしようがございません。

井上哲士君

 これが政治資金規正報告書で、きちっと五十万出ております。

 先日、私、一昨日指摘をした医療法人からの、補助金を受けている医療法人からの献金については返却をされたというふうにお聞きをいたしましたけれども、国から補助金を受けた会社から献金を受けるということは、結局、会社を通して税金が政治家のところに流れ込んでいくということでありますから、これ国民の理解得られません。しっかり一つ一つ見ていく必要があると思うんですね。

 しかも私は、今日これ問題にしますのは、これ以上の問題があるんじゃないかと。この会社は経産省の補助金で大砕神というこのごみ処理の特殊車両を造っております。これがそのパンフレットでありますけれども。

 二〇〇一年当時、この会社はこの大砕神という装置、車を売り込むために、旧日本道路公団の支配下にある財団法人、パーキングエリアやサービスエリアのメンテナンスを請け負っていた道路サービス機構とハイウェイ交流センター、そしてその下請に働き掛けをしておりました。

 総理、この二つの財団にこの件でお話をされたことはありませんか。

内閣総理大臣(安倍晋三君)

 それはもう全く記憶がございません。

井上哲士君

 では、是非思い出していただきたいんですが、私、ここにパーキングエリア、サービスエリア販売に関してのお願い、こういう文書を持っております。極秘というふうに書いてあるわけでありますが、この文書には、このトヨシステムプラントという会社がハイウェイ交流センター、道路サービス機構という二つの財団にこの大砕神を売り込みに行った、そういう経過が書いてあります。そして、こう書いてあるんですね。両財団を訪問をして、落札先を教示願えないか、それから、両財団から大砕神Vを推薦していただけないかを要請すべく、両環境対策課課長と面談をしましたと。しかし、トヨシステムプラントは未知の小企業で、活動の前面や側面には全国ネットの著名企業のサポートでもあれば公信力もあるがと、門前払いですと、こう書いてございます。つまり、未知の小企業だと、そして公信力、公の信用力が足りないということで門前払いをされて売り込みがうまくいかないということを書いているんですね。じゃ、どうしたのかと。

 もう一つ持っておりますが、これは二〇〇一年の四月二十日にこの岡本豊之氏が発信者で出したメールであります。表題は高速道路情報ということになっておりますが、私はこれ、非常に見て驚きました。各サービスエリア、パーキングエリアの攻略を模索していたが、このほど構想がまとまった、そして以下のアクションを起こすことにしたと、こう書いてですね、いいですか、こう書いているんです。内閣筋から国土交通省経由で両財団に連絡、下記のとおり面談することになったと。面談設定後、再度内閣筋から直接財団の理事クラスに当社機を委託組織に推薦するよう実動部隊の環境部門に伝達するよう電話で要請していただいた。また、訪問には秘書も同行する。また、既に電話で全業者のリストの提供も約束をされていると、こう書いております。そのときに提供されたリストが、これ私持っておりますが、これであります。

 つまりですね、なかなかうまくいかないので内閣筋の政治家に口利きをお願いをするという中身だということなんですね。このメールが出されました二〇〇一年四月といいますと、安倍総理が内閣官房副長官の要職に就いていた、そういう時期だと思います。そして、この岡本社長は、販売に当たっている代理店の皆さんにはこの内閣筋というのは安倍晋三さんのことだと、こういうことを言われているということを私はお聞きをいたしました。

 総理、この岡本社長の依頼を受けて二つの財団などに電話で要請をされたんじゃないですか。いかがですか。

内閣総理大臣(安倍晋三君)

 そのメールがどういう性格のものか私は全く分かりませんが、私は全くそういう記憶はございません。

井上哲士君

 しかしね、このメールは非常に具体的なんです。いいですか、あなた否定されますけれども、代理店の方は、先ほど言いましたように、岡本氏から内閣筋というのは安倍さんのことだと、こういうことを聞いていると。そして、総理と岡本氏の関係というのは、二〇〇五年の総選挙の安倍選対の事務長でもあった、地元後援会の幹事長であったと。さらに、二〇〇〇年に環境展というのが行われたときに、総理の昭恵夫人がこのトヨシステムプラントのブースをわざわざ訪れて、受付にいた岡本夫人と話をしていたということも周りの方は見ておられるんですね。ここまで肩入れするような内閣の関係者というのが当時官邸にいたとは思えないんですね。これはやっぱりここで言われているのはあなた自身ではありませんか。

内閣総理大臣(安倍晋三君)

 委員は勝手なその決め付けを随分しておられますが、まずそのメールがですね、私は全くどういうメールか分かりませんし、岡本さんから出されたメールかどうかも分かりません。そして、そもそも、私が何かその内閣のその筋というのは私だということを、まるでそれを前提にお話をされておられますが、私は全くそんな記憶がないんですから、今突然そんなことを言われて、テレビの前で、まるで私が何かそういうことをやっているかのごとく結び付けをしておりますが、また先ほどの政治献金とのかかわりで、まるであるかのごとく言うというのは、もう私は極めて心外であります。(発言する者あり)

委員長(尾辻秀久君)

 速記を止めてください。

  〔速記中止〕

委員長(尾辻秀久君)

 速記を起こしてください。(発言する者あり)

 速記を止めてください。

  〔速記中止〕

委員長(尾辻秀久君)

 速記を起こしてください。

 井上哲士君に申し上げます。

 本日は、外交・防衛についての集中審議をいたしております。今、理事の皆さんもお集まりになり、その旨で質問をしていただくように委員長からも申し上げます。

井上哲士君

 外交・防衛等に関するという集中質疑の設定でありますし、私は本当に、外交ということからいったときに、政治の信頼というのが必要でありますし、その大本にはやはり今ある政治と金の問題というのはきちっと解明する必要があると、こういう立場でおります。

 先ほど、二〇〇二年に五十万円の献金を受けているということを明らかにしましたけれども、それ以外の政党支部とか資金管理団体、政治団体の収支報告書を一九九八年から直近の分まで見ました。しかし、この会社からのまた岡本氏名で献金しているのはこの年だけなんです。そうしますと、やはり、総理は否定されておりますけれども、この翌年に献金をしたと、内閣筋に依頼したというメールのあるその翌年に献金したというのは、私は口利きの謝礼だということを思わざるを得ないんです。

内閣総理大臣(安倍晋三君)

 それは失礼ですよ、ちょっと。

井上哲士君

 いや、具体的な資料を示して私は質問しているわけですから、それは是非お答えいただきたいと思います。

委員長(尾辻秀久君)

 速記を止めてください。

  〔速記中止〕

委員長(尾辻秀久君)

 速記を起こしてください。

 いま一度、井上哲士君に申し上げます。

 本日は、外交・防衛等に関する集中審議をいたしております。理事の皆さん方の御意見も、ただいまの井上哲士君の質問は外交・防衛等に関する集中審議の中での質問とは認め難い、こういう御意見でございます。私もそのように判断をいたします。

 よって、質問を変えていただきますようにお願いを申し上げます。井上哲士君。

井上哲士君

 私は、予算委員会というのは国政にかかわるすべての問題を議論する場でありますし、そして外交・防衛等の集中審議という表題にもなっております。そして、先ほど申し上げたような理由から、この問題はやはり国民の信頼という、これは大変重大な問題だということでこの質問をさせていただきました。

 今、国民は、いろんな政治献金による税金の還流など、厳しいまなざしを向けておるからこそ、私は客観的資料も出して御質問をいたしましたし、そういう立場で質問をしておりますけれども、委員長のそういう御意見でもございますので、引き続きこの問題は更に様々な場で総理に対しても追及をしていきたいと、そういうことも申し上げまして、ここで私の質問としては終わりたいと思います。


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