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2010年1月28日(木)

予算委員会

  • 鳩山総理の4億100万円に上る政治資金虚偽記載問題で、総理の支出総計11億8140万円が一体何に使われたのかをただした。

予算委員会委員長(簗瀬進君)

 次に、井上哲士君の質疑を行います。井上哲士君。

井上哲士君

 日本共産党の井上哲士です。

 総理に、友愛政経懇話会の偽装献金問題についてお聞きします。

 まず確認しますが、この偽装献金の原資に充てられていた総理の母親からの資金提供及び総理の個人口座からの支出はそれぞれ幾らでしょうか。

内閣総理大臣(鳩山由紀夫君)

 これは、調査担当の弁護士が勝場の弁護士に確認をして判明をしたということで、それを事実として申し上げれば、母からの資金提供については平成十四年から平成二十一年にかけて十二億六千万円であるということでございます。

 それから、六幸商会が管理しております私の個人口座から引き出した資金については、六幸商会に確認をいたしましたところ、平成十五年から二十年にかけて三億二千二百四十万円と、そのように承知しております。

井上哲士君

 法務省にお聞きしますが、総理の元秘書の勝場被告の起訴事実の概要として、二つの政治団体の虚偽記載額、その合計は幾らでしょうか。

法務省刑事局長(西川克行君)

 お答え申し上げます。

 勝場被告人の、まず友愛政経懇話会、平成十六年から二十年分の収支報告書、これの虚偽記入額ですが、差額総額が約三億五千九百万円。次に、北海道友愛政経懇話会の分でございますけれども、平成十七年から二十年分、これの不記載、虚偽記入罪の差額総額は約四千二百万円ということになりますので、合計しますと、約四億百万円ということになります。

井上哲士君

 原資は十五億八千二百四十万円ですから、この今の補てん額との差額は十一億八千百四十万円になります。この大金を政治家が何に使ったのかと国民は疑念に抱いているわけですから、総理、明らかにすべきだと思いますが、いかがでしょうか。

内閣総理大臣(鳩山由紀夫君)

 これは何度か御答弁を申し上げているところでございますが、母から資金提供を受けていたという事実が判明をいたしまして、それと併せて、私自身の資金を政治活動あるいは私自身のプライベートな活動も含めて様々に使ったということでございます。

 そして、いわゆる収入に関して、これは指摘されておりますように、収入に関しては様々虚偽記載があったということでございます。これは、修正できるもの、そしてこれから修正をするものというものでありますが、支出に関しては基本的に検察がいわゆるすべてを調査をした中で違法性はなかったという認識をしているというふうに我々は理解をしているところでございます。

 ただし、そうであっても、額が大きいという御指摘もあります。したがいまして、これは弁護士と、今弁護士には申しているところでありますが、すべての公判が終了した時点において、使い道に関して弁護士と相談をさせていただきますが、プライベートな部分に関してどこまで公表をするべきかというところはあろうかと思いますが、支出に関してもその意味で相談をして適切に処理をしたいと、そのように思っております。

井上哲士君

 検察は収支報告の虚偽記載での刑事告発を受けて捜査、起訴したのであって、支出の問題が問題なしということでありませんで、この問題は未決着なんです。

 それで、十二月二十四日の総理の記者会見で、政治団体、それから個人の政治活動、それからプライベートの三つの分野にこの原資から支出をしていたと、こういうふうに言われました。この個人の政治活動というのは一体、具体的にはどういうことでしょうか。

内閣総理大臣(鳩山由紀夫君)

 個人の政治活動というのは様々それはあろうかと思います。例えば、いわゆる私は十全に事務所を構えておりますが、そこの事務所の費用などがかなり大きなものになるのではないかと思っておりますが、そういう個人的な政治家として行動するのに必要な政治活動の費用でございます。

井上哲士君

 その積み重ねがあれだけの巨額になるんだろうかという疑問があるわけですが、個人の政治活動であっても支出によっては政治資金規正法の網が掛かると、この認識はおありですね。

内閣総理大臣(鳩山由紀夫君)

 政治資金規正法の枠に入るものに関してはきちんと処理をしていると、そのように認識をしております。

井上哲士君

 そこが問われているわけですが、総理の率いる民主党内の政策研究グループである政権公約を実現する会がありますが、ここに総理はどれだけ支出をされているでしょうか。

内閣総理大臣(鳩山由紀夫君)

 これは具体額は分かりませんが、私は、この政権公約を実現する会、政権取る前は政権交代を実現する会というふうに申しておりましたが、これは主義主張とかそういうもので集まったものではありません。仲よしグループの会合であります。週に一回程度集まっておりました。そこは基本的にはお昼の弁当代程度のものでございますが、それは各議員が支払っていただいているものでありまして、それほど大きな額になるとは思っておりませんが、いわゆる政治団体としての届出は必ずしも必要がないという思いで今日までそのようにしておったところでございます。

井上哲士君

 今言われたように、この会は七年近くも政治団体の届出をしておりませんので、収支を明らかにされておりませんから今の総理の答弁も確かめようがないわけですが、もう一回確認します。なぜ届出をしなかったんですか。

内閣総理大臣(鳩山由紀夫君)

 今までこの仲よしグループの中での議論、政権交代を実現しようという一つの目的の下で集まった仲の良い議員の内輪のサークルであるということで、仲間内の中からもこれを政治団体として届け出るという声も一切なかったのでございます。

 今、先ほどから申し上げましたように、必ずしも政治団体として届け出る必要がないものだと、そのような認識の下で今日まで行動してまいりました。

井上哲士君

 報道では、今日のこの会の総会で政治団体として届けることを決めると、こういう報道もありましたけど、これは事実ですか。

内閣総理大臣(鳩山由紀夫君)

 そのように聞いております。仲間内で集まって、やはりいろいろと言われるということもあってはいけないということで、それならば、必ずしも政治団体とする必要はないけれどもこれからは政治団体として届け出て行動しようということになったと、そのように仄聞しております。

井上哲士君

 この会への総理の支出は、収支報告書には記載がないのでいわゆる個人の政治活動として支出されたんだと思います。届けるというのは、しかしやっぱり政治団体としての実態があるということだと思うんですね。ところが、未届けですから収支報告書の提出義務はありません。それから、寄附金の量的制限などの政治資金規正法のあらゆる規制をこの会は逃れてきたわけですね。個人の政治活動ということで、収支報告書も出す方はない、もらう方もそういう規制を逃れてきたと。

 これは、やはり政治家の収支について絶えず国民の監視を受けるというこの規正法の精神から私は外れた事態だと思いますが、総理の御認識はいかがでしょうか。

内閣総理大臣(鳩山由紀夫君)

 先ほどから申し上げておりますように、必ずしも同じような主義主張を持って候補者の擁立とかパーティーの開催などを行うような団体としての行動をしてはおりませんでした。いわゆるかつての自民党さんの派閥のような組織としての実態ではなかったのでございます。したがいまして、寄附の控除とか非課税措置、あるいは政治資金パーティーの開催などの優遇措置も受ける必要がなかったものでありますので、政治団体としての登録はしていなかったということでございます。ただ、私の事務所の中で会議などを行っていたというのは実態でございまして、研修会なども時折やっているということでございました。

 ただ、今まさに御指摘がございましたので、これからは政治団体として行動しようではないかということを仲間内で決めたと、そのように仄聞しております。

井上哲士君

 合宿の研修会なども過去報道をされた会でありますが、ある報道では、総理側から一千万円ぐらいのこの運営のお金が支出されていたという報道もございます。これは、政治家個人としての寄附の場合、規正法上、同一の政治団体への寄附の上限は年間百五十万ということがありますから、もし事実であればこれに触れるということになるわけですね。

 私は、今回届出されるということであれば、是非さかのぼってこの会の収支を明らかにして疑念を晴らすべきだと思いますが、いかがでしょうか。

内閣総理大臣(鳩山由紀夫君)

 そのような認識のない活動をしておりましたので、したがって、今さかのぼってと言われましても、その会にどこまで支出されていたかというものの把握はできないと存じております。

 ただ、これからは政治団体として届け出るわけでありますので、その趣旨に沿って行動してまいりたいと思います。

井上哲士君

 それではやはり国民は納得できないと思います。

 更に聞きますが、個人の政治活動には、総理のグループの議員や候補者への資金援助であるとか選挙の際の供託金の提供、陣中見舞い、こういうものは含まれていますか。

内閣総理大臣(鳩山由紀夫君)

 今確かめてはおりませんが、そういうものは含まれていないと思っております。

 今、先ほどから政治団体になぜしなかったのかということでございますが、今でも政党によって任意の議員の皆様方が集まるような例えば派閥とか議員連盟とか研究会、こういうものはたくさんございます。しかし、必ずしもそれぞれが政治団体として届け出ているわけではない、そのようにも認識しております。

井上哲士君

 今の質問でありますけれども、勝場氏にすべての資金の管理を任せていたと、こういうふうに言われてきたわけでありますが、今確かめていないと言われましたけれども、しかしそれはないというふうに断言をされましたが、その根拠はどういうことなんでしょうか。

内閣総理大臣(鳩山由紀夫君)

 確かめているわけではありませんので今正確にお答えはできませんけれども、しかしそういうものはないのではないかと、そのように思っているということでございます。

井上哲士君

 これは重大なんですね。つまり、勝場氏に資金の運用を任せていた、その中でもしあるとすれば、これは規正法や公職選挙法に係る問題になってくるわけですから、これは是非明らかにしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

内閣総理大臣(鳩山由紀夫君)

 必ずしもその趣旨が理解をできませんが、私としても、勝場秘書に任せていたとはいえ、今申し上げましたように、必ずしも多くの支出をいわゆる政権交代を実現する会に私から支出していたのではないと思っておりますので、確実なことは言えないとは思っておりますが、今申し上げたような疑いはないと、そのように御理解を願いたい。

井上哲士君

 不透明であります。

 官房長官にお聞きしますけれども、あなたの資金管理団体である平野博文後援会は二〇〇七年九月十日に総理の友愛政経懇話会から一千万円の寄附を受けていると思いますが、これは事実ですね。

内閣官房長官(平野博文君)

 議員にお答えをいたします。

 日付までは私は覚えておりませんが、確かに一千万円の寄附は受けました。事実でございます。

井上哲士君

 収支報告書を見ますとこの年だけなんですが、この寄附について、平野官房長官は総理にお願いをしたのか、それとも勝場氏にお願いをした結果ですか。

内閣官房長官(平野博文君)

 その当時のことは詳しくは覚えておりませんが、私はその当時、総理は党の幹事長でございました。私はその下で幹事長代理という職におりました。したがって、その当時、非常に選挙とかいろんな党の中での課題もあり、いろんなところの活動をしておったと。そういう中で、多分でありますが、詳細まで覚えておりませんが、総理に私はお願いをしたんだろうというふうに思います。

井上哲士君

 総理、事実でしょうか。

内閣総理大臣(鳩山由紀夫君)

 多分そうではないかと思いますが、すなわち、私が幹事長、そして平野議員が幹事長代理という立場で、また大阪府連の代表をその当時平野幹事長代理が務めておりました。その意味で、法令にのっとってすべて処理をしておりますので全く問題はないと、そのように認識しています。

井上哲士君

 これは確かに収支報告書に出ております。しかし、全部勝場さんに任せたんじゃなくて、こういう出金についてはあなた自身が管理し判断をしていたということではないんですか。

国務大臣(平野博文君)

 資金の云々についての指示は、総理、私がお願いをいたしましたが、実務的には事務方で処理をしている、こういうことだと私は思います。

井上哲士君

 いや、総理の指示なしに秘書が処理したということですか。

内閣官房長官(平野博文君)

 当然私が総理にお願いをした経過でありますから、総理は当然、こういうことで具体的に処理をしろということは総理からされたんではないでしょうか。

井上哲士君

 この懇話会から他の議員の政治団体への寄附は、この〇七年には八団体、四千六百万円も上りますが、ほかの〇三年から〇八年の収支報告書を見ましたけれども、この年以外には他の議員への資金団体への寄附というのは支出ないんですね。非常に私は不自然だと思うんですが、これも総理の指示の下に行われてきたわけです。

 ですから、結局、十二億円の原資のうち個人の政治活動にどういうふうに使われてきたのか、それ以外もどういうことだったのかということが非常に不透明でありますし、秘書に全部任していたということも、私は今のやり取りでも通用しないと思います。是非、総理の責任で明らかにして国民の疑問に答えるべきであります。

 自民党政治時代続いてきたこの政治と金をきちっと民主党で、新しい政権で前向きの解決してほしいというのが国民の願いですから、そのことをお願いしたいし、先日の小沢幹事長の記者会見も疑惑深いものでした。

 ですから、小沢氏の参考人招致と、この問題での、政治と金の問題での集中審議を行うことを委員長に求めまして、質問を終わります。

予算委員会委員長(簗瀬進君)

 後刻理事会で協議をさせていただきます。

 以上で井上哲士君の質疑は終了いたしました。(拍手)


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