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韓国 2泊3日の旅で得たもの
―自衛艦出航と西大門刑務所歴史館―

日本共産党参議院議員 井上哲士

(2001年11月9日〜11日)

西大門刑務所歴史館前で
慶福宮の興礼門前で
 超党派の「死刑廃止を推進する議員連盟」(亀井静香会長)の一員として9日から11日まで、韓国を訪問しました。ソウル市内で開かれた「死刑廃止アジアフォーラム」に参加することが目的でしたが、韓国から日本へ向けられた厳しいまなざしを再認識する旅となりました。
 象徴的だったのが、10日付けの韓国の朝刊。9日にテロ対策を口実に佐世保から自衛艦が出航したことをすべて1面で取り上げていました。日本の新聞と決定的に違うのは写真の角度。自衛艦の「勇姿」の写真を掲げた日本の各紙とは逆に、韓国の新聞はすべて反対運動の中を出航する写真を載せていました。
 その背景にある歴史認識の深さをソウル市内にある西大門刑務所歴史館を訪問して痛感しました。1908年に新築された同刑務所は、98年に歴史館として開館。かつて日本の植民地支配からの独立運動に参加した人々の弾圧と拷問・処刑の場として使われ、その後、民主化運動の弾圧の場となり、金大中大統領も収監されていたこともあります。7棟の獄舎や死刑場が保存されています。独房の中に入らせてもらいました。真冬には零下15度にもなる暗くて狭い部屋で、多くの人々が獄死したのです。当時の拷問室が再現された地下監房では、今にも拷問に苦しむ人々の悲鳴が聞こえてきそうでした。

 先日は、小泉首相もこの歴史館を訪れました。その後もしゃにむに自衛隊海外派兵の道を突き進む首相は、この歴史館で一体何を見たのでしょうか。懇談した、次期大統領候補の1人である千年民主党の幹部は、自衛隊の海外派兵を進める小泉政権の「危うさ」に厳しい批判の声を上げておられました。
 同歴史館のパンフには、「国のために命をささげた烈士たちの志を偲び、屈辱的な過去の歴史を克服するために、国を愛し民族を愛する志を学ぶ場」とありました。侵略を謝罪し、歴史の真実を伝える歴史教育があってこそ、21世紀に韓国やアジアの人々との真の友好がある―2泊3日の旅で得たものは重く、深い。


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