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NPT再検討会議に参加して

国連本部の会議場に立つ井上哲士参院議員

被爆者の訴えに説得力
町村演説は危ぐした通り

 国連本部で開かれている核不拡散条約(NPT)2005年再検討核兵器廃絶の声を届けるため、私も日本共産党国会議員団を代表してニューヨーク入りし、一日は市内パレードと大集会、二日は再検討会議の傍聴、三日は平和市長会議および世界の反核運動との連帯交流集会に参加、四日は核軍縮議員ネットワークの国際会議に参加しました。

 同会議への要請のために、日本から、被爆者や日本原水協代表団の八百三十人をはじめ、千人もの空前の参加があり、原水協は五百万を超える核廃絶署名を届けました。一方、同会議で国連に行った国会議員は町村外相以外は私一人。被爆国日本の願いを伝える党の誇りと責任を感じながらの日々でした。

「約束」実行迫る

 再検討会議では、前回会議で確認された「核兵器廃絶の明確な約束」をどう前進させるかが問われています。
 二日の一般討論の冒頭に新アジェンダ連合を代表して演説したニュージーランドの代表は、「一部の核兵器国が新型核兵器の開発や現存核兵器の強化を研究どころか計画している」とし、核廃絶の「明確な約束」の実行を求めました。
 ところが続いて演説にたった日本の町村外相は、核軍縮は口にしたものの、前回会議での「核廃絶の明確な約束」には触れず、アメリカの進める地中貫通核兵器の研究・開発の中止も求めませんでした。

米国追従の外相

 私は三月の予算委員会で町村外相に対し、再検討会議への姿勢をただし、この地中貫通核兵器の開発中止を求めるよう迫りましたが、外相は、「今後勉強したい」「いろいろな国がいろいろな研究をすることにものを言う立場にない」というものでした。私は「それで被爆国の外相といえるのか。どうやってNPTで交渉するのか」と批判しましたが、国連での外相の演説は、危惧したとおり、核兵器問題でもアメリカいいなりの姿をさらすものとなりました。

広島育ちとして

 議題する決まらない困難な状況で始まった再検討会議でしたが十一日には議題が決まり、実質討議に入ることになりました。会議の今後は予断を許さないものがありますが、核廃絶へ重要なのは世論と運動です三日に参加した世界の反核運動との交流集会でもキーワードは「国際連帯」でした。その中でも、NPT行動で日本から参加した市民の行動、とりわけ被爆者の「核兵器と人類は共存できない。命ある間に廃絶を」という訴えは大きな役割を果たしています。国連ロビーでの初の原爆展には私も毎日通いましたが、いつも多くの人が展示に見入っていました。
 帰国の日に世界三十ヶ国の議員が参加する核軍縮議員ネットワークの国際会議に出席。私は、広島に育ち、高校の先輩が原爆で全滅したことも紹介し、「核兵器は人類と決して共存できない」と発言。決意新たに空路十三時間半の帰路につきました。

(しんぶん赤旗 関西版)

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