反省なき自民党の政権公約

 今日発表された自民党の政権公約には驚きました。「安倍カラー前面」と報道されていますが、7年前に参院選挙で国民の厳しい審判をうけて惨敗し、その後の臨時国会で政権を投げ出したことなどすっかり忘れているようです。安倍氏の時計は七年間止まっていたのでしょうか。

 政権公約の中身は、憲法解釈を変更して集団的自衛権行使を可能にすることや、国家安全保障会議(日本版NSC)の設置、「近隣諸国条項」の見直しなど教科書検定基準の抜本的改定、格差を拡大する新自由主義的経済成長戦略などなど。当時、安倍政権が掲げ、国民的批判の中で頓挫したものばかりです。

 この間の安倍氏や自民党幹部の言動を見ていると過去の政治への反省が感じられません。「民主党ができもしない政策を掲げ、国民がだまされて政権交代になったが、自民党は間違っていなかった」と思っているようです。とんでもない勘違い。民主党にはがっかりだが、自民党にもこりごりが国民の思い。

 それにしても、大型公共事業と大企業向けばら撒き政治の復活への自民党の執念はすごい。この間の三党協議で、○東日本大震災の復興予算を全国の大型公共工事に使える仕組みづくり○消費税増税で作られた財源を公共事業に使うという法案修正○来年度から三年間は赤字国債の発行について自由にする――ということをやりました。

 大型公共事業にばら撒く仕組みとそのための財源の確保を行い、さらに建設国債の日銀買い取りまで口にしています。「財政再建」はどこに行ったのか。国民負担と野放図な借金によって公共工事をばら撒き、付けは国民に回す――最も時代遅れの自民党政治への回帰はゆるされません。負けられない選挙です。

 今日は、解散後の情勢や各党の言動を踏まえた演説の見直しや、髪のカットなど選挙のあれこれの準備。近所の美容院の帰りに少し大回りして吉田神社の境内を通りました。鳥居と紅葉の重なりが美しい。