二つ御質問をいただきました。
まず最初の、そういう正に世界的な交流基盤の促進による交流活性化というのと内発型のコミュニティービジネスは何の関係があるのか。
多くの世界的大企業は最初はコミュニティービジネスです。ウォルマートも八百屋でした。ただ、お聞きになっているのはそういうことじゃないと思います。コミュニティービジネスがコミュニティービジネスのまま、その世界と交流することに意味があるのかということだと思いますので、そこでお答えいたしますと、二つあると思います。
一つは、コミュニティービジネスであればあるこそ、東京ではない、世界やほかのローカルなところとの経営ノウハウの交換に意義があります。
例えば、先般、こちらで、国交省さんお借りして、自発的に新潟・兵庫観光カリスマ会議なるものをやらせていただきました。私、今委員をやっておりまして支援させていただいたんですが、そこでは城崎だとか新潟の村上といった人たちが集まって具体的にどうやって震災対策をやったかというノウハウの交換をしたわけですが、これ東京の人に聞いても分かんないことが非常にもう直接分かります。そして、彼らは、事実お互いに城崎と村上でのところを行き来しています。
実は、東京の人は気が付かないんですけれども、地方の勉強している人は大変よく相互に移動しています。由布院、さっきちょっと全体としてはと申し上げましたが、優れた事業者の方は、これほど全国行っている方はいらっしゃらないと思います。そういうふうに、実はアジアにも優れたノウハウが一杯ありまして、そういう人たちは日常的に交流する中から意図的にお金を掛けて交流するのを投資としてやっていて、ビジネスチャンスをつかんでいきます。東京に座ってマスコミだけを見ている大企業の方がむしろ圧倒的にそういうことにお金を使っていません。ですから、現実に近年の交通基盤の整備はそういう方々には大きく進展をさせていると思います。
市場拡大なんですけれども、こういう例がございました。先般、福岡である小さい町づくりコンサルと話をしていたら、中国で五十五ヘクタール、五十五平方キロの大規模開発のコンペに勝ってしまったと。もう町の小さい、女性、私より若い女性のやっているコンサルです。どうしましょうと、だけど今からやるしかないわと言っていたら、地元の大手企業の社長なんかと、これこれ、ああだこうだと相談していまして、そこに教授も加わって産学連携やっていたんですけれども。
西の方に行きますと、余りにも中国が近いもので具体的にそういうビジネスチャンスというのが起きています。実はしかし、上海が九州が近いったって、東京からも近いんですよ。アメリカとかシンガポールから比べれば全然近いわけでありまして、同じように東日本もそういうことは本来享受できるはずであります。今の場合、その五十五ヘクタールの開発をしたからといって、やっぱり町の小さいコンサルであることには変わりないと思うんです。コミュニティービジネスのまま、そういうふうにチャンスが広がるというケースがあるということです。
同じように、野菜を例えばいきなり外国に売っている例、飛騨古川に台湾の人たちが年間百数十人視察に来ている例、それから、先ほどのニセコにオーストラリアの方がたくさんコンドミニアムを今建てているという例、いずれも東京の人が気が付かないところで非常にしっかりとした交流が起きています。
さて、B市繁栄の理由について短く申し上げます。
これは特殊要因であります。ですが、一つ環境面で一つだけ申し上げると、山が迫っていて田んぼが極めて少ないために、近年の農業不振による田んぼの開発という、どこでも起きていることがやりにくい。それほど田んぼがないということが非常に恵まれています。ただし、車の普及率はA市とB市はほとんど同じということについて申し上げておきます。A市は市内に無料止め放題駐車場が一杯ありますが、全く活性化していません。B市は何とすべて有料駐車場で、かつ自走式もほとんどありません。タワーが圧倒的に主流ですが、活性化しています。鉄道利用者はA市がB市の八倍あります、駅の利用者。よろしいですか。Aの方が八倍なんですよ。ですから、交通条件ではありません。
違いは、商店街が全国にまれに見るほど、本当にこんな人たちがいるかというぐらい努力している極めて珍しい例です、Bはですね。商店として努力しているのは当たり前ですが、コミュニティーの核として努力しています。
加えて、実は地権者の方が目に見える形で町づくりをやっています。町の中にコーヒー店があるというのがありました。あれは家賃をかなり安くしないと入りません。実は、非常に全体として家賃高いんですけれども、相手によって柔軟に下げて、いろんなものを入れることによって集客を増やすという、ショッピングセンターのノウハウをローカルビジネスが導入してショッピングセンターに対抗しています。同じ武器を使って闘っている。ほとんどの町が逆にうまくいかないのは、地権者がそのようなノウハウ研さんをしていないからです。ある意味、商店主がやる気がないのは地権者がやる気があれば入れ替えることができます。ですが、地権者がやる気がない場合、入れ替えるのは極めて困難です。実は、市街地問題は地権者問題です。そのことを非常によく示しているのがB市だと私は思っております。