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2005年3月14日(月)

参院予算委員会
「政治とカネの問題」について

  • 自民党旧橋本派(平成研究会)で政治資金収支報告書に記載しない裏金がつくられていた疑惑を追及。

井上哲士君

 日本共産党の井上哲士です。

 二月一日の当委員会で、平成研の氷代、もち代の未記載の問題を取り上げました。

 まず林田副大臣、未記載でありましたけれども、訂正されましたでしょうか。

副大臣(林田彪君)

 政治家として常に襟を正して公明性を保たなければいけない立場の者でございますけれども、委員御指摘のとおり、二〇〇一年度の収支報告を調査いたしましたところ、初歩的なミスでございまして、申し訳ございませんけれども、この年だけ報告書に記載漏れがありました。したがいまして、二月三日、選管に手続の、訂正の手続を取りました。

井上哲士君

 棚橋大臣はいかがでしょうか。

国務大臣(棚橋泰文君)

 お答えをいたします。

 二月一日でしたか、あの委員会が。そのときに、委員から御指摘があった平成十三年の六月二十七日の寄附の件でございますね。この点につきまして調査いたしましたところ、寄附があったという根拠を私どもは入手できておりませんので、訂正しておりません。

井上哲士君

 私、ここに平成研の十三年の収支報告書を持っていますけれども、六月二十七日、自由民主党岐阜第二選挙区支部に支出したとありますよ。これ根拠、どうなんですか。

国務大臣(棚橋泰文君)

 お答えをいたします。

 その点はたしか二月の一日の委員会でも御質問があったと思いますが、平成研の方にはそういう記載があると、私どもの方には記載がないということで調査をした次第でございまして、その結果、現在のところ私どもの方には、その二月の一日の予算委員会で御指摘があった、ごめんなさい、数字が間違っておりました、済みません、平成十三年の六月の二十七日ですか、の寄附があったという根拠は私どもの方では入手できておりません。

井上哲士君

 いや、これが根拠ですよ。平成研が間違っているんですか。うそ書いているんですか。

国務大臣(棚橋泰文君)

 お答えいたします。

 ちょっと委員の御質問、少し違うんではないかと思いますが、平成研の方にそういう記載がなされていたからといって、私どもが間違っていたというわけにはいきませんし、私どもの方にそういう寄附があったかどうかを調べたところ、先ほど申し上げたように、私どもとしては、当該寄附がなされたという根拠を入手できておりません。

 そこで、逆に、今もし委員は多分訂正しろという御趣旨なのかもしれませんが、もしそうであれば、これは根拠もなしに訂正したという、根拠があやふやで訂正したということになるんではないかと。そのようなことは私はできませんので、きちんと調べて現在確認している限り、今申し上げたように、委員御指摘の寄附がなされたという根拠は入手できておりません。

井上哲士君

 平成研の中のこのもち代の扱いがいかにいい加減かということが浮き彫りになりました。

 これは、今の日歯連の村岡元官房長官の公判でも明らかになっているんですね。平成研の滝川元会計責任者が見過ごすことができない証言を次々やっているわけですが、まず法務省に聞きますけれども、こういう証言を新たな捜査の端緒にするということはあり得ますね。

国務大臣(南野知惠子君)

 お答えいたします。

 刑事事件の捜査の端緒には特段の限定はございません。

 一般論として申し上げるならば、公判における証言や、証言内容や投書等種々のものが捜査の端緒となり得るものと承知しております。

井上哲士君

 で、二月十六日の公判なんですが、滝川氏は、自民党本部から〇一年の夏と冬の二回、六千万円ずつ計一億二千万円を氷代、もち代名目で受け取ったと、〇一年夏は事務総長だった野中広務氏に同行して現金を受け取ったと証言をしております。

 この氷代、もち代というのは政策活動費として支出をされていると思います。そこで総務省に聞きますが、二〇〇一年、自民党の収支報告書の中に野中氏に対して政策活動費はいつ幾ら支出をされているでしょうか。

国務大臣(麻生太郎君)

 自由民主党平成十三年度分の収支報告書について確認いたしましたところ、野中広務に対し政策活動費として、平成十三年一月三十一日に一千万、平成十三年六月二十日に三百万、同じく十二月十一日に三百万の支出をした旨の記載がございました。

井上哲士君

 野中氏に対しては今ありましたように千六百万円しか支出の記載はありませんから、つじつま合いません。じゃ、どこに入ったのかと。滝川氏は、この一億二千万円を平成研の金庫に保管したと証言をして、派閥の金として使ったことを認めております。

 もう一回総務省に聞きますが、この一億二千万円は平成研の金庫に保管をし派閥の金として使ったと、こういう場合に政治資金規正法の処理はどういうふうにすべきですか。

政府参考人(久保信保君)

 政治資金規正法によりますと、政策活動費として党から交付を受けたものにつきましては、それから先、受領を受けた者がどのように使うかということについての報告は求めておりません。

井上哲士君

 いや、平成研の収支報告書に書く必要があるのかどうかです。

政府参考人(久保信保君)

 党から平成研への寄附ということでないんであれば、先ほど御答弁申し上げましたように、さらに政策活動費を受け取った者がその受領した金額をどのように用いたかについての報告は求めておりません。

井上哲士君

 いや、党から平成研の場合です。

政府参考人(久保信保君)

 党から平成研への寄附であれば、すべての収入支出については記載しなければいけないという政治資金規正法にのっとって記載されることとなります。

井上哲士君

 それでは、平成研の二〇〇一年の収支報告書にこの自民党本部からの寄附の記載はあるでしょうか。

政府参考人(久保信保君)

 平成研究会の平成十三年分の収支報告書について確認したところ、自由民主党本部から寄附を受けた旨の記載はございません。

井上哲士君

 ですから、この滝川証言と矛盾が来るわけですね。自民党から野中さんへの支出へも、平成研への寄附の記載もない。総務大臣、私はこれは政治資金規正法違反の疑いがあると思いますけども、いかがでしょうか。

国務大臣(麻生太郎君)

 疑いがあるというだけで、私の方として、それについて、個別な案件にそうだとも違うとも申し上げる立場にありません。

井上哲士君

 これは平成研だけの問題ではないんですね。

 滝川氏の証言では、自民党の元宿事務局長から派閥としては記載しなくていいと言われたと言っております。これでつじつま合うんですね。自民党ぐるみの裏金作りという疑いが非常に濃厚になります。

 それだけじゃありませんで、滝川氏は四種類裏金があったと言っております。裁判中の日歯連からのやみ献金の一億円以外に、今の自民党からの氷代、もち代、それから政治資金パーティーの売上金の一部、それから派閥幹部からの寄附と、ここから四億数千万円が参議院選挙の資金に使われたと、こういうふうに言っているんですね。

 私、政治資金規正法を所管する大臣として総務大臣にお聞きしますけれども、この問題の真相解明なしに国民の政治への信頼が得ることができるとお考えでしょうか、お聞かせください。

国務大臣(麻生太郎君)

 個別の案件で、目下司法の場で争われているところだと思っておりますので、その司法の場できちんと明らかにされるものだと存じます。

井上哲士君

 明らかにされなかったときに国民の政治への信頼が確保できるか、これを聞いているんです。もう一度お願いします。

国務大臣(麻生太郎君)

 国民がどう判断されるかというのを私の口から判断しろと、そういう御質問ですか。

井上哲士君

 規正法を所管する大臣としてそういうお考えかを述べていただきたいと思います。

国務大臣(麻生太郎君)

 私の予見をこの場で申し上げるというのは甚だ僣越だと思って、お答えすることはいたしかねます。

井上哲士君

 そういう姿勢では政治の浄化というのはできないと思います。

 法務省、これは見過ごすことのできない証言だと思いますけれども、これを端緒に捜査に着手すべきだと思いますけれども、いかがでしょうか。

国務大臣(南野知惠子君)

 お答え申し上げます。

 お尋ねは、捜査機関の具体的活動内容にかかわる事柄でございます。そのために、お答えを差し控えさせていただきたいと思います。

 一般論として申し上げるならば、検察当局においては、刑事事件として取り上げるべきものがあれば適正に対処するものと思っております。

井上哲士君

 自民党の久間総務会長は二月十八日付けの読売で、この証言について、内容はそのとおりでしょうと追認をしたと、こう報道をされております。滝川氏の証言というのは宣誓をした上での証言であって、大変重いんです。公判でも裁判長が、あなたはパーティー券の話など大騒ぎになることを話しており、かなり本当のことを言っている気がすると、こう言われているんですね。この滝川さんの証言と、参考人、喚問を逃げ回っている政治家と、どちらを国民が信じているのかと、ここなんですよ。

 司法とともに国会が独自に解明する必要がありますから、私は改めて、二月にも述べましたけれども、七人の政治家等の証人喚問を求めます。

 同時に、金で動く政治の大本、企業・団体献金をなくしていく、このことを主張いたしまして、質問を終わります。


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