私は、日本共産党を代表して、国の補助金等の整理及び合理化等に伴う義務教育費国庫負担法等の一部を改正する等の法律案に反対の討論を行います。
反対の最大の理由は、義務教育費国庫負担制度の負担率を二分の一から三分の一へと引き下げるからであります。
義務教育費国庫負担制度は、憲法と教育基本法に定められた教育の機会均等、水準維持、無償制の確保という教育条件の整備に対する国の役割を制度面から担保しているものであります。国の負担率を引き下げれば、国の財政上果たすべき責任を一層縮小し、地方にその責任を押し付けるもので、認められません。
削減分は税源移譲が行われますが、二〇〇六年の所得譲与税による税源移譲では、文部科学省の試算によれば三十九の道府県で財源不足となり、二〇〇七年以降の住民税による税源移譲では地方格差は更に拡大することが審議の中で明らかになりました。不足分は地方交付税で措置されるとしていますが、地方交付税の総額が大きく減額されている今、多くの県で財政上困難な状態にならざるを得ません。既に一般財源化された教材費、旅費では、実際は国の算定よりも少ない金額しか措置されず、学校現場は必要な教材がそろえられない実情があります。
今後、教職員の人件費は、退職手当の増大など、既に地方の負担とされる部分を中心に拡大することも審議の中で明らかになりました。この上更に負担率の削減を進めれば、現在多くの道府県が独自に取り組んでいる少人数学級の拡充が困難になるばかりか、将来的には、財政事情によっては標準法上必要な教職員数を下回ることも懸念されます。
義務教育費の国庫負担を現行の二分の一の負担で堅持すべきだと、このことを主張し、反対討論といたします。