2006年6月8日(木)
文教科学委員会
「認定こども園」法案について(討論、採決まで)
- 反対討論で、利用者と施設の直接契約制で保育料が自由になり、保育を必要とする子どもたちが保育を受けられなく恐れがあり、国や自治体が責任を負う公的保育制度を崩すものだと強調。
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- 井上哲士君
私は、日本共産党を代表して、就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律案に対し、反対の討論を行います。
反対する第一の理由は、認定こども園の施設設備や職員配置、教育・保育内容などが現行の幼稚園、保育所の国の基準を下回ることを許容するものだからです。
認定こども園では、調理室の設置、敷地内の運動場など、子供たちの保育、教育、安全の確保のために必要な施設整備をすべて既存施設からの移行が困難とならないようにとの理由で必須としていません。これでは行政、施設側の都合優先で、子供の最善の利益が実現されず、現状の保育環境や水準の低下、地方ごとの格差が生じかねません。
反対する第二の理由は、直接契約制を導入し、施設ごとに保育料が自由に設定されることで保育が必要な子供たちが保育を受けられない事態になりかねないからです。
保育料の自由設定で高額な負担を求める施設であっても認定されるとともに、直接契約制により、滞納、未払を理由に子供が退所という事例も生じかねません。また、認定こども園では、どの類型でもいわゆる保育に欠ける子に対する保育を行うことになっていますが、幼稚園型、地方裁量型では、保育料の設定、保育に欠ける子の認定、選考に行政が関与する仕組みが法的に担保されておらず、保育を必要としている子供たちへの公的責任が明確にされていません。
以上の点から、国、自治体が責任を負っている公的保育制度を崩すことに道を開くことになりかねず、本法案に反対するものであります。
以上です。
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