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2006年 12 月 20 日

答弁書第四○号
内閣参質一六五第四○号

参議院議員井上哲士君提出米軍戦闘機訓練の小松基地移転に関する質問に対する答弁書

 参議院議員井上哲士君提出米軍戦闘機訓練の小松基地移転に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。
  平成十八年十二月二十日

内閣総理大臣 安倍 晋三

参議院議長 扇  千景 殿


一の1の(一)について

 平成十八年四月二十四日付けで大阪防衛施設局長が小松市長にあてた文書「米軍再編に係る訓練移転について」で示された内容については、現在でも変わりはない。

一の1の(二)について

 防衛事務次官が、平成十八年五月二十三日、小松市議会議長、小松基地・空港対策特別委員長等に対して説明したように、航空自衛隊小松基地における今般の米軍再編に係る訓練移転に伴う日米共同訓練に際し、名古屋防衛施設局長と小松市長との間で昭和五十七年九月二十四日に結ばれた「日米共同訓練に関する協定書」(以下「五十七年協定」という。)の改定が必要な場合は事前に小松市と協議することとしている。

一の1の(三)及び(四)について

 日米間においては、平成十八年五月一日の日米安全保障協議委員会の際に発表された「再編実施のための日米のロードマップ」(以下「ロードマップ」という。)に従い、日米合同委員会で定められている共同訓練の回数に関する制限を撤廃することとしており、政府としては、航空自衛隊小松基地における今般の米軍再編に係る訓練移転に伴う日米共同訓練に際し、五十七年協定を改定する場合は事前に小松市と協議することとしている。

一の2の(一)について

 日米共同訓練における米軍機の離発着回数及び管制回数については、統計を作成しておらず、お答えすることはできない。なお、平成十三年度及び平成十七年度に米軍機が航空自衛隊小松基地を使用して日米共同訓練が行われたところ、当該各年度一年間における米軍機等に対する管制回数は、それぞれ三十八回及び二十六回である。

一の2の(二)から(四)までについて

 今般の米軍再編に係る訓練移転に伴う日米共同訓練に関する具体的内容については、現在、日米間で協議中であり、お答えすることは困難である。

 御指摘の小松基地司令の発言については、小松沖の訓練/試験空域において今後新たに日米共同訓練を実施する場合、平素から同空域を使用している航空自衛隊第六航空団等との間で空域の使用に係る調整が必要となり、このような観点から、一般論として、日米双方の訓練機数の合計についてはおのずから一定の制約が生ずる旨を述べたものである。

 政府としては、今般の米軍再編に係る訓練移転に伴う日米共同訓練に当たっては、できる限り地元の負担が増えないよう配慮する考えである。

一の3の(一)について

 航空自衛隊小松基地については、日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定(昭和三十五年条約第七号。以下「日米地位協定」という。)第二条4(b)の規定の適用のある施設及び区域として、一定の期間を限って米軍が自衛隊施設を共同使用しているものである。

一の3の(二)及び(三)について

 当面、航空自衛隊小松基地における追加的な施設整備は必要ないと考えるが、今般の米軍再編に係る訓練移転に伴う日米共同訓練を実施するために行うことを予定している日米共同現地調査の結果や米軍との調整等に伴い現有施設の改修等の必要性が生じたときには、改めて地元の地方公共団体等に対し具体的な説明を行いたいと考えている。

一の3の(四)について

 御指摘の資料においては、日米地位協定第二条4(b)の規定の適用のある施設及び区域として、一定の期間を限って米軍が自衛隊施設を共同使用しているものについて記載したものであり、御指摘のように「米軍の恒久基地化につながる」ものではない。

一の3の(五)について

 一の3の(二)及び(三)についてで述べた日米共同現地調査については、現在、日米間で協議中であり、現時点において調査の実施時期、具体的な内容等についてお答えすることは困難である。

一の4について

 お尋ねの「米軍との確約」の意味が必ずしも明らかでないが、今般の米軍再編に係る訓練移転に伴う日米共同訓練に当たっては、同訓練に参加する米軍機による航空自衛隊小松基地の使用の態様は、同訓練に参加する自衛隊機と同様とすることとしている。

一の5の(一)から(三)までについて

 防衛庁としては、航空自衛隊小松基地周辺の航空機騒音により生ずる障害の防止等のため、消音装置の設置・使用、飛行方法への配慮等に努めるとともに、住宅防音工事に関する助成措置を始めとする各種の騒音対策を推進しているところである。

 また、今般の米軍再編に係る訓練移転に伴う日米共同訓練に当たっては、できる限り地元の負担が増えないよう配慮してまいりたいと考えている。

 防衛庁としては、FA18ホーネットが今般の米軍再編に係る訓練移転に伴う日米共同訓練のため飛来することのみをもって直ちに航空自衛隊小松基地周辺における航空機騒音が増大するとは考えていないが、いずれにせよ、同訓練の実施に伴い同基地周辺の航空機騒音の状況に変化がみられた場合には、適切に対処してまいりたいと考えている。

一の6について

 航空自衛隊小松基地における御指摘の「タッチアンドゴー」の規模については、統計を作成しておらず、お答えすることができない。また、今般の米軍再編に係る訓練移転に伴う日米共同訓練に関する具体的内容については、現在、日米間で協議中であり、お答えすることは困難である。

二の1の(一)について

 今般の米軍再編に係る訓練移転に伴う日米共同訓練については、嘉手納飛行場、三沢飛行場及び岩国飛行場を使用した米軍機による訓練を他の自衛隊基地に移転させることにより、右三飛行場における米軍機による訓練活動の影響を軽減することを一つの目的としているものであることから、右三飛行場に配備されている米軍機については、給油機も含め訓練移転の対象となり得るものと考えている。同様の観点から、岩国飛行場に移駐が計画されている厚木飛行場のFA18スーパーホーネットについても訓練移転の対象となり得るものと考えている。

二の1の(二)について

 現時点において、嘉手納飛行場、三沢飛行場及び岩国飛行場以外からの訓練移転は想定していない。

二の2の(一)について

 基本的には、嘉手納飛行場、三沢飛行場及び岩国飛行場に配備されている米軍機の訓練を移転することが想定されている。しかしながら、右三飛行場における訓練活動の影響を軽減するという訓練移転の目的に沿う場合において、いわゆる右三飛行場に飛来する外来機が今般の米軍再編に係る訓練移転に伴う日米共同訓練に参加することまでを排除するものではない。

二の2の(二)及び3について

 今般の米軍再編に係る訓練移転に伴う日米共同訓練に当たっては、同訓練に参加する米軍機による航空自衛隊小松基地の使用の態様は、同訓練に参加する自衛隊機と同様とすることとしている。いずれにせよ、政府としては、同訓練の訓練計画の策定に当たっては、できる限り地元の負担が増えないよう配慮してまいりたいと考えている。

二の2の(三)について

 御指摘の「十・四協定」における「早朝、夜間」については、おおむね午後十時から午前七時までを想定している。

二の4について

 ロードマップにおいては、「二○○七年度からの共同訓練に関する年間計画を作成する。必要に応じて、二○○六年度における補足的な計画が作成され得る。」とされている。

 今般の米軍再編に係る訓練移転に伴う日米共同訓練の訓練計画については、現在、日米間で協議中であり、現時点において、当該訓練の実施時期等についてお答えすることは困難である。

 いずれにせよ、政府としては、嘉手納飛行場を始めとする米軍飛行場における訓練活動の影響を軽減するためにも、できる限り早期に実施したいと考えている。

二の5の(一)から(三)までについて

 米軍機による事故が発生した場合には、当該事故の個別具体の状況に応じ、日米地位協定第十七条、日米地位協定についての合意された議事録の第十七条に関する規定、刑事裁判管轄権に関する事項についての日米合同委員会合意、日本国内における合衆国軍隊の使用する施設・区域外での合衆国軍用航空機事故に関するガイドライン等に従い、適切な措置がとられることとなる。

二の6の(一)及び(二)について

 小松進入管制区及び小松管制圏における航空交通管制業務は、国土交通省の委任を受けて防衛庁が行っており、防衛庁としては、今般の米軍再編に係る訓練移転に伴う日米共同訓練を実施するときにおいても防衛庁が行うものと考えている。

二の6の(三)について

 お尋ねの趣旨が必ずしも明らかでないが、一般論としては、小松進入管制区及び小松管制圏における航空交通管制業務は、国土交通省の委任を受けて防衛庁が行っており、仮に当該管制区域内において米軍機が事故を起こした場合であっても、防衛庁が行っている当該業務が米軍の管理下に入ることはないものと考えている。

三の1について

 お尋ねの「真に騒音の著しい」区域としては、今般の米軍再編に係る訓練移転に伴う日米共同訓練による航空機騒音の影響を踏まえて今後予定している、防衛施設周辺の生活環境の整備等に関する法律(昭和四十九年法律第百一号)第四条にいう第一種区域の見直し後の八十五WECPNL(加重等価継続感覚騒音レベル)以上の区域を、また、「建設年度の古い」住宅としては、昭和五十九年十二月二十一日から平成元年十二月二十日までに建設された住宅を想定している。

三の2について

 お尋ねの「樹脂サッシ及びペアガラスの使用」についての記述は、航空自衛隊小松基地周辺において、防音工事の対象となる住宅に樹脂サッシ又はペアガラスが現に使用されている場合等にあっては、防音工事に際し、防音工事希望者の意向等を踏まえて個々に対応を検討したいと考えているとの趣旨である。

四の1の(一)について

 御指摘の小松基地司令の発言については、日米共同訓練期間中においては、訓練の準備等のため、深夜に及ぶ外出は比較的困難である旨を述べたものである。

四の1の(二)及び(三)について

 御指摘の小松基地司令の発言については、一般論として、日米共同訓練に参加する米軍人は、航空自衛隊小松基地周辺の事情に不慣れなため、市街地等へ外出するに当たり、自衛隊員が案内することとするとの考えを述べたものである。また、過去に日米共同訓練に参加した米軍人の外出については、記録は作成しておらず、お答えすることは困難である。

四の1の(四)について

 日米共同訓練に参加する米軍人が、日米共同訓練の期間中に、観光、飲食等のために外出することについて、事前に航空自衛隊小松基地周辺の地方公共団体等に連絡することは考えていない。

四の2について

 政府としては、米軍の構成員等による事件・事故について、米国に対し、累次の機会に、綱紀粛正、再発防止の徹底等を申し入れてきているところである。

五の1について

 平成十七年度の小松進入管制区及び小松管制圏における自衛隊機の一日当たりの平均管制回数は約五十一回である。

五の2について

 平成十七年度の民間航空機を含む小松進入管制区及び小松管制圏全体の一日当たりの平均管制回数は約九十八回である。
 お尋ねの「上限(管制能力)」については、管制を受ける航空機の飛行の態様、気象条件等により変動することから、お答えすることは困難である。

五の3について

 今般の米軍再編に係る訓練移転に伴う日米共同訓練に関する具体的内容については、現在、日米間で協議中であり、お答えすることは困難である。


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