2007年11月15日(木)
外交防衛委員会
- 山田洋行の米津佳彦社長の参考人質疑と守屋武昌前防衛事務次官の証人喚問で防衛利権の闇を追及。
|
参考人質疑 株式会社山田洋行代表取締役社長 米津 佳彦君
- 井上哲士君
日本共産党の井上哲士です。
GEの代理店契約が山田洋行から日本ミライズに替わったということは御社にとって大変重大事態だと思うわけですが、言わば巻き返しのためにどのような対応をされてきたんでしょうか。
- 参考人(米津佳彦君)
巻き返しと、あと、代理店が移った後でございますか、その前でございましょうか。
- 井上哲士君
後です。
- 参考人(米津佳彦君)
後でございますか。
後につきましては、一度替わったものでございますので、それについて、何というんでしょう、また戻せというようなことをGEに対して言ったことはございません。
- 井上哲士君
この件で政治家とか防衛省幹部に相談をしたことはありませんか。
- 参考人(米津佳彦君)
ございません。
- 井上哲士君
久間元防衛大臣は昨年十二月の五日に、日本ミライズの宮崎元専務から都内のスッポン料理店で接待を受けております。席上、久間氏が宮崎氏に対して、御社の創業者である山田親子があいさつに来て、いい親子じゃないかと語ったと。宮崎氏がそれを聞きまして、山田洋行に手を出すなとプレッシャーを掛けるサインと感じてショックを受けたというふうに語っておりますが、この山田洋行の創業者山田正志氏が久間防衛大臣のところにあいさつに行ったというのはいつのことでしょうか。
- 参考人(米津佳彦君)
私は存じ上げておりません。
- 井上哲士君
山田正志氏が久間さんのところにあいさつに行ったことはないという断言はできますか。
- 参考人(米津佳彦君)
そのとおりでございます。
- 井上哲士君
今年の六月にパリで開かれたエアショーの際に防衛省の航空課長が出席をして、GEの幹部に、Aランクである山田洋行との代理店契約を解消してなぜDランクの日本ミライズを任命をしたのかと述べたと、これがその後、省内で問題になった際に、私は大臣の指示でやっているんだと課長が答えたと報道されております。この件について何か久間当時の大臣に相談をしたこともございませんか。
- 参考人(米津佳彦君)
私が社長になりまして以後、政治家の方に、どなたにも仕事のことで依頼とかお願いしたことは一切ございません。
- 井上哲士君
それでは、先ほどの御発言にかかわってなんですが、社長になってから二回政治家のパーティーに自ら参加をされたというふうに認められました。就任されたのは昨年の七月でありますから、一年余りのことでありまして、相手がだれだったか覚えていないというのは少し疑問なんですが、いつごろのことだったんでしょうか。
- 参考人(米津佳彦君)
それもちょっと覚えてないのであります。
- 井上哲士君
場所はどうでしょうか。都内でしたか。
- 参考人(米津佳彦君)
都内でございました。
- 井上哲士君
防衛庁の長官や大臣の経験者ではありませんでしたか。
- 参考人(米津佳彦君)
ちょっとどなたか記憶にないものですから、大臣の経験者ということについてもちょっと記憶してございません。
- 井上哲士君
人とのつながりを大事にする商社の営業を携わる方として、私は覚えていらっしゃってしかるべきではないかという疑問は持ちます。
先ほどいわゆるお客様管理リストというようなものがあるということは認められました。この中には政治家は含まれているんでしょうか。
- 参考人(米津佳彦君)
含まれておりません。
- 井上哲士君
様々な贈答も行っているということを認められました。で、このリストで行われているんではないかという報道もあるわけでありますが、防衛省の職員に対して盆暮れなどにカニとかいろいろ贈られてきたということも言われているわけですが、そういう防衛省の職員に対する贈答というのはどれぐらいの規模で行われているんでしょうか。人数をお願いします。
- 参考人(米津佳彦君)
防衛省の方々にそういう贈答していたということにつきましては、公務員倫理規程ができるまででございまして、それ以後については一切しておりません。ですので、どの程度の規模ということにつきましてはお答えできません。
- 井上哲士君
それ以前についてはどれぐらいやっていたんでしょうか。
- 参考人(米津佳彦君)
七年前になりますね、あの倫理規程ができました。ですから、そのことでございますので、どの程度と言われましてもちょっと記憶していないところでございます。
- 井上哲士君
山田洋行は、陸海空の各自衛隊ごとに部長級の担当者を置いてそれぞれが自衛隊幹部をゴルフ接待に連れ出していたと、こういう報道もあるわけでありますが、守屋事務次官以外にこうした自衛隊の制服組に対する接待も行っていたんではないですか。
- 参考人(米津佳彦君)
陸海空別に担当部長を置いていたということではございませんでして、会社の中の組織が陸上自衛隊担当の組織、海上自衛隊担当の組織というふうに分けておりますので、それぞれにその部門の部門長、部長がおりますから、ですから接待上の部長が、担当部長がいたということではなくて、営業上のそれぞれの部長がいたと、そういうことでございます。
- 井上哲士君
そういう部長が自衛隊幹部をゴルフ接待などしていたということはあるわけですね。
- 参考人(米津佳彦君)
私の知る限りでは公務員倫理規程ができてからは一切ないと思っております。
- 井上哲士君
じゃ、更に聞きましょう。
昨年の四月一日時点で御社には十三人の天下り職員がおりまして、そのうち十一人が防衛省からの天下りだとなっておりますが、これは御社からの要請だったのか、それとも防衛省からの依頼で受け入れたんでしょうか。
- 参考人(米津佳彦君)
私が聞いておりますのは、通常は防衛省の援護室の方にお願いして退職される方のあっせんをお願いしているというふうに聞いております。それ以外の方につきましては、宮崎元専務が御自分で、直接もう既に退職されておられる方に御自分で申し入れられて顧問になっていただくよう要請されていたというふうに聞いております。
- 井上哲士君
この十一人の方は防衛省の受注にかかわるような営業の部署で仕事をされているんでしょうか。
- 参考人(米津佳彦君)
していただいているのは、いわゆる顧問という形でございますので、直接営業にかかわるような業務は依頼しておりません。
- 井上哲士君
それではどういう仕事をされているんですか。
- 参考人(米津佳彦君)
防衛に関する専門的な知識を社員に教えていただくのが主な業務というふうに今ではしております。
- 井上哲士君
そうすると、その顧問の方が防衛省と接触をするということはないということなんですか。
- 参考人(米津佳彦君)
営業業務で直接そういう接触をお願いすることはございません。
- 井上哲士君
営業以外で様々あるということでよろしいでしょうか。
- 参考人(米津佳彦君)
営業以外ということはちょっと何のことになるのか分かりませんけれども、会社として直接御依頼、仕事を依頼するということはございません。
- 井上哲士君
時間ですので、終わります。
証人喚問
前防衛事務次官 守屋 武昌君
(証人補佐人 山田 宰君)
- 井上哲士君
守屋証人は、宮崎元専務との宴席に同席した政治家として額賀氏と久間氏の名前を挙げられました。久間氏との宴席というのは少人数であったということでありますが、どのぐらいの規模の宴席だったんでしょうか。
- 証人(守屋武昌君)
私の記憶では四人だったと思います。
- 井上哲士君
どういう趣旨の席だったんでしょうか。
- 証人(守屋武昌君)
たしか、あれですか、外交防衛というか、秋山さんという方がおられますけれども、その方から、大臣と飲むから来ないかと言われて、私が伺ったという記憶でございます。
- 井上哲士君
そうしますと、四人目のもう一人というのは、今日もう名前出ました秋山直紀さんだということで確認してよろしいですか。
- 証人(守屋武昌君)
私の記憶ではそうでございます。
- 井上哲士君
費用は一体だれが出されたんでしょうか。
- 証人(守屋武昌君)
私は承知しておりません。
- 井上哲士君
ということは、あなたは支払っていないということでよろしいですか。
- 証人(守屋武昌君)
私は支払っておりません。
- 井上哲士君
四人で話をされたと。守屋さん、そして久間さん、そして宮崎元専務、そして秋山直紀さんという非常に軍需産業に深いかかわりのあった方々ですが、一体この四人でどういう話をされたんでしょうか。
- 証人(守屋武昌君)
私が、たしか私が遅れて行きまして、で、私が行ったらすぐもう久間先生がお帰りになりまして、後は三人で飲んで、飲んだというようなところで、話した内容というのは全く覚えておりません。
もうそれも、これは今年では明確にありませんし、去年でも、でもありませんし、そういうことでございまして、私はそこが記憶が大変明確でないからなかなか申し上げにくかったんですけれども、そういう事情であるということを御理解いただきたいと思います。
- 井上哲士君
久間氏がどういう発言をされたか覚えておられませんか。
- 証人(守屋武昌君)
覚えておりません。
- 井上哲士君
それでは次に、CXエンジンをGEに決めるときの、あなたが議長をされていた装備審査会のときに、山田洋行がGEの代理店であるということをあなたは今日の証言でも、当時そういう認識として記憶はないと、こういうふうに言われました。しかし、今日あなたが答弁用の資料として手元に置かれている当日出された資料の中にも明確にこの山田洋行が代理店だというふうに明記をされております。あの会議に参加されながらこの資料を見ていなかったと、こういうことでいいんですか。
- 証人(守屋武昌君)
衆議院では、これは四年前に私が就任した一週間後に行われた装備審査会議でございます。それで、当時の認識として知っていたのかと言われたので、私は当時の認識として承知していないということを申し上げました。その後、その装備審査会議にかかった資料がありまして、その中に代理店を記述した資料があるということを役所から国会に提出したという連絡を受けて、私はその時点でそういうような資料があったということは認識しておりますけれども、当時そういうふうな資料があったかどうかということについて、私の認識はございませんでした。
ただ、申し上げますけれども、この装備審査会議というのが、先ほど申し上げましたように、このCXのエンジンとしてどれを使うかというのは事務方からずっと議論されておりまして、当時の審査会議ではそういうことをその結論どおりに採用されたということでございまして、何らもめる会議ではなかったわけでございまして、私はそういうことでGEの代理店が山田洋行であるというのは当時認識しておりませんでしたと、そういうことは知りませんでしたということを再三お答えしているわけでございます。
- 井上哲士君
いろいろ言われますが、当日の議事録見ますと、単に儀式ではなくて、事務次官、当時のあなたは三回にわたって発言をされているわけですね。ですから、やはり当日承知をしていなかったというのは、私は極めて偽証の疑いが強いということを申し上げておきます。
更にお聞きしますが、あなたは防衛省の調査に対しまして、宮崎氏が来日中のアメリカ国防総省や国務省関係者の要人と食事をする際に呼ばれて参加したことがあるということを認めていらっしゃいますが、この要人とは一体だれでしょうか。
- 証人(守屋武昌君)
その前に、このメモのことを先生言われましたので、メモについて私がそういうことを認識していたんじゃないかということを言われておりますけれども、これは委員会にメモを提出しております。
当初、防衛省としては装備審査会議の議事録はないというふうに私は承知しておりました。その後、装備審査会議に出席していた担当者がメモを取っていたということで、このメモが国会に提出されたということを承知しております。
メモの中身で私が言っておりますのは、提案書を受領してから五か月を要しているが、作業期間としてこの時間が必要だったのかということを聞いております。それから二つ目の質問は、提案企業に対する質問等の提案内容の確認行為はいつまで掛かったのかと。三つ目は、提案企業への通知はいつなのかということで、私は代理店のことについては一切発言しておりませんし、そういうことを発言したかどうかということも私の記憶にはございませんけれども、はい、そういうことでございます。
それから、次の質問ちょっと忘れましたけれども、もう一度。
- 井上哲士君
宮崎氏が来日中のアメリカの要人と食事をともにする際に呼ばれて参加したことがあるということを防衛庁の調査で認められていますが、その要人とはだれですかということです。
- 証人(守屋武昌君)
その当日、私のところに来たGEの社長だと思っております、社長です。名前は、ちょっと外国人の名前は覚えにくいものですから。
- 井上哲士君
確認しますけれども、GEの社長とそして宮崎氏と会ったということですね。
- 証人(守屋武昌君)
その席にはたくさんの方がおられまして、私はそういう、五、六人ぐらいいたと思いますけれども、私は、十五分、ほかの会合もありましたのでちらっと顔を出すだけで失礼したということでございます。
- 井上哲士君
防衛省の調査で大臣が発表された中には、アメリカ国防総省や国務省関係の要人と食事する場と言われているんですね。この場合はだれですか。
- 証人(守屋武昌君)
ああ、それは、宮崎さんと二十三年前に知り合ってから、確かに、先ほど言いましたけど、ジム・アワーも紹介してもらいましたし、当時は現職じゃありませんけれども、OBとして、いろんなそういう国防省、国務省関係者等を紹介していただいて食事をしたことはあります。それは最近のことでなくて、もうこの二十三年間ずっとのことでございます。
- 井上哲士君
事務次官になってからもそういう席がありましたか。
- 証人(守屋武昌君)
ええ、あったと思います。
- 井上哲士君
防衛事務次官であれば、アメリカのそういう要人と会うのは直接申し込めばいいと思うんですね。なぜ宮崎元専務に便宜を図ってもらう必要があったのか。逆に、あなたが出ることによって宮崎さんに箔を付けるというんでしょうか、便宜を図ったという結果になったんではないですか。
- 証人(守屋武昌君)
役所で表敬訪問で来られるときはありますけれども、私が日程の都合上会えないとか、夜の時間だったら空いているというようなときにそういうことでなったんではないかと思いますけれども。私の事務次官の仕事というのは大変案件が多うございまして、一日六十人から七十人の人が毎日出入りするというような状況でございましたので、その中で、役所の中で会えなかったということもあったかと思います。
- 井上哲士君
時間ですので、終わります。
|