私は、日本共産党を代表して、イラク特措法廃止法案に賛成の討論を行います。
イラクへの自衛隊派遣は、国際法違反のイラク戦争とそれに続く米軍の占領支配に加担するものであり、憲法違反は明白です。しかも、イラク戦争の大義は完全に崩れ、米軍占領支配下でイラク情勢が泥沼化し、イラクからの外国軍の撤退、イラク政策の見直しが国際的に広がっています。一刻も早く自衛隊の撤退を実現することは当然です。
イラク派遣継続を主張する政府の言い分には何の道理もありません。
第一に、米英が国際社会の多数が求めたイラク大量破壊兵器保有疑惑での査察継続と平和的解決の道を断ち切り強行したイラク戦争について、戦争の大義が崩れ去っているにもかかわらず、政府はこれを支持し続けております。
米英がイラクの疑惑の証拠として持ち出した情報は偽物と判明し、元国務長官も証拠として取り上げたことを人生の汚点だと明白に述べています。
当時、政府はこれをうのみにし、国会において当時の外務大臣は、具体性がある等々のことで十分にそこは信頼に足るなどと答弁しておりました。
政府は、事実が明らかになって以降も、当時取った態度について責任を明確にせず、反省も謝罪の言葉もありません。そればかりか、安保理事会の決定に基づかない米英の侵略を安保理決議に基づくなどと正当化し続け、国会が求める戦争支持の判断の検証さえもまともに行っていないことは無責任極まる態度であり、到底許されません。政府はきちんとした検証を行い、国民に説明をすべきです。
第二は、航空自衛隊を派遣し、戦闘任務の中心としているイラク駐留米軍への空輸支援を継続しております。
輸送した米兵員の数、任務、物資等の内容を一切明らかにしていません。空自の支援が人道復興支援が中心だというのであれば、本来、空輸支援の内容を開示すべきですが、政府は秘匿を続けています。空自が支援する米軍は多数の無辜の市民を犠牲にする掃討作戦を各所で繰り広げ、イラク国民の激しい反発を招いています。
今年八月中旬の世論調査によれば、七二%の人が米軍の増派作戦で治安が悪化したと答え、七九%が外国軍の駐留に反対をしています。航空自衛隊による米軍への空輸支援をこれ以上継続することは、イラク国民の声に真っ向から背を向けるものと言わざるを得ません。
第三は、イラク情勢が泥沼化し、戦争とイラク駐留に反対する世論が国際的に広がっているにもかかわらず、政府はイラク政策を見直そうとしていません。
多国籍軍参加国からも撤退や段階撤退の表明が相次いでいます。戦争を始めた米国でも、撤退を求める法案が提出され、イラク駐留米軍の元司令官が政権の政策を批判するなど、ブッシュ政権のイラク政策の破綻は明白となり、政策の見直し、転換の議論が高まっています。
そうした状況になってなお日本政府がイラク駐留の出口についていまだに独自の具体的な方針さえ示さず、米軍への輸送支援を続けていることは、ブッシュ政権政策への追従と言うほかはありません。
以上、米軍への憲法違反の支援活動を中止し、派遣部隊の即時撤退を強く要求して、賛成の討論といたします。