私は、日本共産党を代表して、政府提出の新テロ特措法案に反対、民主党対案にも反対の討論を行います。
新テロ特措法は、海上自衛隊をインド洋に派遣し、アメリカの報復戦争支援を再開するものであり、断じて許されません。政府は自衛隊による補給は海上阻止活動に限定すると言ってきましたが、これまでの審議で、アフガニスタンやイラクへの空爆を含むあらゆる米軍の軍事活動をこれまでどおり支援することになるのは明らかであります。憲法違反の本法案はきっぱり否決し、廃案にすべきであります。
戦争でテロをなくせないことは今や明らかであります。今、日本がなすべきは和平のための外交努力であります。アフガニスタンでは、カルザイ大統領自身が空爆に反対し、タリバンを含む武装勢力との交渉による平和と和解のプロセスに踏み出しています。いまだにアメリカが軍事力による打開に固執している中で、軍隊を派遣してきたアメリカの同盟国でも重要な変化が起こっています。イギリスのブラウン首相は、力でねじ伏せる手法は限界だとして、軍事中心の手法から和解を促進させる戦略に重点を移そうとしています。オーストラリアの国防相も大幅な方向転換の必要性を強調しています。
こうした下で、多くの世論調査で自衛隊派遣に反対が賛成を上回っています。総理は国民の理解を得てと言ってきましたが、審議をすればするほど反対の声が高まっているのが実態であります。本法案は、アフガニスタンの現実、国際社会の変化、国民多数の声に真っ向から反するものであり、どこから見ても道理はありません。アメリカ言いなりで軍事支援に固執することはやめ、廃案にすることを強く主張するものであります。
また、民主党案は、和平支援を言いながら、武器使用を拡大してアフガニスタン本土に陸上自衛隊を派遣するものであり、その上、海外派兵恒久法の早期整備を明記をしております。憲法違反は明白であり、反対であります。
最後に、今、国会がなすべきことは日米軍事利権の徹底解明であります。兵器調達、米軍再編、ミサイル防衛など守屋防衛事務次官の下で進められてきた防衛政策の根幹が腐敗まみれなのであります。この解明抜きに海外派兵を進めるなどはもってのほかであります。
以上、討論を終わります。