一の1から3までについて
イラクにおける人道復興支援活動及び安全確保支援活動の実施に関する特別措置法(平成十五年法律第百三十七号。以下「イラク特措法」という。)に基づく対応措置の実施に係る航空自衛隊の部隊の活動内容については、国民の理解と協力を得る観点から、できる限り公表したいと考えているが、運航を実施している自衛隊員はもとより、輸送対象となる関係各国、関係機関等の人員の安全確保に十分配慮することが必要であること等から、空輸実績の詳細な内容については公表しないこととし、定期的に、輸送回数、輸送物資等を大別した内容、輸送物資の累積重量をまとめて示しているところである。その上で申し上げれば、航空自衛隊は、派遣当初から平成二十年六月十八日までの間に、合計七百二十三回運航し、約五百九十七・七トンの物資の輸送を行った。このうち、国際連合(以下「国連」という。)への支援の実績については、平成十八年九月の国連に対する支援開始から平成二十年三月末までの間に、合計七十八回運航し、延べ二千二百九十九名の人員及び約四十一・〇トンの物資の輸送を行った。
一の4について
御指摘の「米軍が契約した民間警備会社の傭兵」が何を指すのか明らかではないが、イラク特措法上、我が国が航空機による輸送を実施することができるのは、イラク特措法第三条第一項に規定する人道復興支援活動又は安全確保支援活動として同条第二項又は第三項に定める業務を行う場合である。
一の5について
現在、例えば、アメリカ合衆国、英国、オーストラリア、大韓民国、ポーランド等が、部隊を派遣していると承知しているが、各国部隊ごとの兵力については、確たるところを承知していない。
一の6について
現在までに、例えば、スペイン、オランダ、イタリア等が部隊を撤収させたと承知しているが、現時点において「今後における撤退又は兵力削減の計画を表明した国」については、改めて調査を要するため、お答えすることは困難である。
二の1から3までについて
イラク特措法に基づき活動する航空自衛隊は、国連安全保障理事会(以下「国連安保理」という。)決議第千五百四十六号等に規定される多国籍軍の中でイラクにおける活動を行っているものである。多国籍軍のイラクでの活動については、国連安保理決議第千七百九十号において言及されている二千七年十二月七日付けイラク首相発国連安保理議長あて書簡において、多国籍軍の駐留の維持が要請されていることをもって、イラク政府の同意が得られているものと認識している。また、イラクに派遣された自衛隊員は、連合暫定施政当局命令第十七号の規定により、「多国籍軍の要員」として、その法的地位が確保されているものである。
二の4について
将来における仮定の事実を前提としたお尋ねであり、お答えすることは困難である。
三の1及び5について
将来における仮定の事実を前提としたお尋ねであり、お答えすることは困難であるが、いずれにせよ、イラク特措法上、我が国が航空機による輸送を実施することができるのは、イラク特措法第三条第一項に規定する人道復興支援活動又は安全確保支援活動として同条第二項又は第三項に定める業務を行う場合である。
三の2について
政府は、本年六月十三日にイラク特措法に基づく対応措置に関する基本計画に定める自衛隊の部隊等の派遣期間を延長したところであるが、政府としては、今後のイラクにおける航空自衛隊の部隊の活動については、イラク政府による有効な統治の確立に向けた政治状況の進展、現地の治安に係る状況、国連及び多国籍軍の活動状況及び構成の変化など諸事情を、政府としてよく見極めつつ、イラクの復興の進展状況等を勘案して、適切に対応してまいりたい。
三の3について
外交上の個別のやり取りの詳細について明らかにすることは、相手国との関係もあり、差し控えたい。いずれにせよ、今後のイラクにおける航空自衛隊の部隊の活動については、イラク政府による有効な統治の確立に向けた政治状況の進展、現地の治安に係る状況、国連及び多国籍軍の活動状況及び構成の変化など諸事情を、政府としてよく見極めつつ、イラクの復興の進展状況等を勘案して、適切に対応してまいりたい。
三の4について
多国籍軍の権限は、国連安保理決議第千七百九十号により本年十二月三十一日まで延長されたが、それ以降の多国籍軍の活動の在り方やその権限の延長に関する国連安保理決議の扱いについては、今後のイラク政府と国連安保理理事国及び多国籍軍関係国との間の議論等を踏まえて決定されるものであり、現時点で、お尋ねについてお答えすることは困難である。