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2009年3月19日(木)

予算委員会

  • 在沖縄海兵隊のグァム移転に伴う日本の財政負担により、超豪華住宅やバスケットコートなどが建設されることを示して中止を迫る。

予算委員長(溝手顕正君)

 次に、井上哲士君の質疑を行います。井上哲士君。

井上哲士君

 日本共産党の井上哲士です。

 政府は、沖縄海兵隊のグアム移転に関する日米間の協定に調印をし、今国会に承認を求めております。日本は直接、間接合わせて約六千五百億円を負担することになるわけですが、米国の領土内にある米国の基地に外国の政府が財政出動する例がありません。しかも、日本国民の税金がつぎ込まれるにもかかわらず、どういう施設や事業を積み重ねてこういう金額になったという積算根拠が示されておりません。なぜ具体的な積算根拠が示されないんでしょうか。防衛大臣に。

防衛大臣(浜田靖一君)

 私の方は、当然、今後いろいろな部分で、全体的なものよりも今は一つずつ詰めを行っているところでございますので、まだ我々とすれば、すべての数字が出るという段階にないということでございます。

井上哲士君

 しかし、今回の協定に、このグアム移転経費の総額、そして日本の負担額は明記をされているんですね。その承認を国会に求めながら積算根拠が示されないという、そんなやり方は国民は納得できません。しかも、日本はグアムで米兵の家族住宅三千五百二十戸の建設に直接、間接に二十五億五千万ドルの負担をすることになっております。これ、割ってみますと、一戸当たり約七千五百万円、驚くべき数字になるんですね。

 一体どういう家が建てられるのかと私、調べてみましたら、アメリカの国防総省は統一施設基準というものを持っておりまして、その中に家族住宅についても規定をされております。パネルにしましたけれども、(資料提示)階級ごとなどで広さが決められておりまして、二等兵の場合でも、寝室二部屋でいいますと百二十五平米、そして、准将になりますともう百坪近いことになりますし、大佐の場合で寝室四部屋、二百三十四平米ということであります。バスルームは二つ。

 仕様も細かく決められているんですね。例えば、新規建設の場合は、主寝室はキングサイズのベッドを収容できる広さと、こうなっております。それから、寝室が三又は四部屋になる住宅にはリビングルームと別の家族ルームが提供されなくてはならないとも書いております。

 私は、米兵が広いところに住むのをとやかく言うつもりはありません。しかし、それに国民の税金が、日本の税金がつぎ込まれることは、これはどう考えてもおかしいと思うんですね。

 しかも、これだけじゃありません。住宅関連施設も細かく見られておりまして、テニスコートは住宅百五十戸に一つ、バスケットボールコートは百戸に一つ、開放型運動場は百戸から二百戸に約四千平米のものとなっているんですね。

 こういう住宅関連施設の建設費用も日本が分担をする項目に入っているんですか。お答えください。

防衛大臣(浜田靖一君)

 米国の方の基準、そしてまた、そういったものに対する要望というのはあるのかもしれませんけれども、我々については、まだこれ、日米間で協議をしているところでございますので、現時点では決まっておりません。

井上哲士君

 アメリカは、どこに造るときも明確な統一基準を持っているんです。そして、政府が出しましたこの日米の分担の金額を見ますと、アメリカが分担する項目の中には、先ほど申し上げたような住宅関連施設は何一つ入ってないんですね。じゃ、基準どおり造るとしたら一体どこが負担するのかと。これをどうしても明確にしてもらう必要があると思います。これは積算根拠が示されないと分からないんです。

 委員長、この沖縄海兵隊のグアム移転に関する経費の積算根拠について、当委員会に提出をされるようにお取り計らいいただきたいと思います。

予算委員長(溝手顕正君)

 後刻、協議したいと思います、理事会で。

井上哲士君

 今、派遣切りで遭うと同時に住まいを失った人など、本当に大変な事態があるんですね。そういうときに、こういうような税金の使い方は国民は絶対納得をいたしませんし、そもそも、他国の領土にある他国の基地に税金をつぎ込むことなどあってはならないことでありますし、しかもアメリカの軍事力増強のために使われるわけですね。このようなやり方はどの角度から見ても道理がない。これについては、こうした米軍基地への財政負担はやめるべきだ、申し上げまして、質問を終わります。

予算委員長(溝手顕正君)

 以上で井上哲士君の質疑は終了しました。(拍手)


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