2011年10月12日
訪米3日目@/NRC/エネルギー省/全米科学者連盟/赤旗ワシントン支局/日本大使館
訪米3日目。米国原子力規制委員会(NRC)、エネルギー省(DOE)、全米科学者連名(FAS)を訪ね、それぞれ突っ込んだ意見交換をしました。
ホテルを7:30に発ち、メリーランド州にあるNRC本部へ。NRCは従来の原子力委員会の原子力促進の分野を分離し、独立した安全規機関として1975年から許認可等の業務を行っています。その意思決定機関は5人からなる委員会であり、委員は上院の助言と承認の下、大統領が任命します。
本部では、ポーチャード運営総局長をはじめ幹部の皆さんからNRCの組織や権限、監督官の人材養成システムなど概況説明を受けました。約4000人のスタッフを有し、その内訳は技術者、科学者、弁護士等多様です。
注目されるのは検査官の養成。本部での講義や訓練とともに、訓練センターて7週間の訓練、6〜8カ月の実地訓練をへて資格を有すると見なされれば検査に従事することができ、その後も3年に1度資格の再取得が求められます。多くの職員が修士号、博士号を有しているとのこと。
その後の質疑応答で、推進機関やメーカーからの独立性や、他の国家機関や州に対するNRCの権限など、最新の原子炉に対する知見をどう身につけているかなどなが、活発な意見交換ができました。
その後、オペレーションシステムを視察。大きな画面がいくつもあり、全米104の原子炉の状況が24時間、ここで把握できるようになっており、事故など起きれば、ここに幹部とともに最大70人がが集まって画面をみながら現地と相談して対応できます。日本にはないもので非常に参考になりました。
各原子力発電所で2年に一度、大規模な演習が行われ、NRCの検査官は年に最低4回、演習に参加するとのことでした。日本の規制当局とは独立性や体制ははるかに進んでいますが、それでも福島原発事故をうけて、様々な見直しの検討をしているとのことでした。
日本大使館でお弁当を食べ、午後は米国エネルギー省(DOE)へ。77年にエネルギー安全保障と各安全保障を担う省として設置されました。過去に核兵器の開発を行った多数の施設を有し、放射能汚染された域の除染作業を行っています。
ライオンズ次官補ら幹部と懇談。まず、米国のエネルギー政策、除染技術、破損した燃料の取扱い等について説明を受けた後、質疑応答。アメリカは79年のスリーマイル島原発事故以降、新増設をしていませんが、オバマ政権のもとで新設計画が進んでおり、「クリーンエネルギーのために原発は必要」と強調されたのが印象的でした。
DOEには原子炉の廃炉や汚染対策などの蓄積もあり、福島の事故収束のために事故直後から日本に来ており、今月末には経産省でワークショップも行うとのこと。除染問題での質問が多く出され、参考になる回答をもらいました。ただ、福島のように広範囲にわたる土壌汚染の対策の経験はなく、中間貯蔵施設をどうするかなどの質問については十分な回答はありませんでした。
訪米3日目A/全米科学者協会/赤旗ワシントン支局/藤崎大志
続いて、全米科学者連名(FAS)を訪問。1945年、核兵器の開発に携わった科学者を中心に、核戦争の防止という目的で設置さ、核セキュリティ、エネルギー安全保障等の活動を行っている科学者団体です。
ファーガソン会長からは、日米の事情の違いはあるが、日本にとり原子力は必須なエネルギーであり、信頼を取り戻すための国民との対話が必要ではないかなどの発言がありました。
その後、ここでも時間をオーバーする活発な意見交換ができました。フーガソン氏は、国民への情報開示と分かりやすい説明を強調されました。私からは、低線量の内部被ばくに関する研究が進んでいないことについて質問。重要な問題として今後とも考て行くことが必要との答えでした。
その後、いったんホテルに帰り休憩。この時間を利用して、赤旗ワシントン支局の小林記者と会い意見交換。ニューヨークをはじめ各地で広がっている反格差のデモ行進や大統領選挙の行方などについて生の話を聞くことができました。
夜は藤崎駐米大使の招待による大使公邸での夕食会。2日間の視察で今後留意すべきと感じている点などそれぞれから大使にお伝えするとともに、大使から大使館として震災・原発事故対応や米国内で反応、大統領選挙や国内でのデモの広がりなどについてお話を聞きました。
ホテル着は22時。ちょっと風邪気味で、大使館に行った際、医務室で薬をもらいました。
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