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原発訪米調査

2011年10月13日

訪米4日目@/連邦議会/環境保護省

 訪米4日目。午前中は連邦議会施設の視察。午後からは、環境保護庁や米原子エネルギー協会などを訪問し、主に除染の問題で意見交換をしました。

 まずは、連邦議会の議事堂へ。アメリカの議会制民主主義の歴史を感じさせる巨大な施設です。いたるところに銅像がありますが、各州から2人ずつが推薦されて飾られているとのこと。この国が連邦国家であることを感じさせます。キング牧師の銅像の前でパチリ。

 印象的だったのは非常に見学客が多く、真っ赤なブレザーをきた案内人がたくさんいたこと。日本の国会見学ももっと気軽に面白く回れるものにする必要があるなというのが一同の多くの声でした。

 午後からは、米国環境保護庁(EPA)へ。ジャクソン長官が冒頭に来られ、名刺交換などはできましたが、所要ですぐに退席。ディートリッヒ長官補から、EPAの概要、放射線防護にかんする規制、緊急事態時における対応、除染作業を行う専門家へのトレーニング等について説明を受けました。

 質疑応答では、事故発生時の政府内の役割分担や住民への避難指示、放射性物質の放出量予測の方法などの質問が出されましたが、日本に比べて具体的な対応が確立しているという印象でした。

訪米4日目A/ビンガマン上院委員長/米エネルギー協会(NEI)

 続いて、上院議員会館に移動し、ビンガマン上院エネルギー天然資源委員長と面談しました。

 その後、米原子力エネルギー協会を訪れてファーテル会長らと会談。同協会は、原子力産業界のための政策機関であり、原子力発電所の運営会社や大学、研究機関等約350団体が参加しています。

 会長からは、米国の原子力エネルギーの概要や原発の廃炉措置について説明があり、除染を行ってきたベクテル社、URS社、CH2MHILL社の担当者も同席されました。

 米国はすでに多くの原子炉を廃炉にしているとともに、核軍事施設の撤去などによる除染については、様々な知見があります。しかし、私たちの「どういう技術があり、どう日本に支援できるのか」という質問に、最初なかなかかみ合わない場面がありました。

 というのは、これまでアメリカが除染をしてきたのは、原発や核関連の施設とその周辺であり、日本が直面している広い住宅地域や畑、森林などの除染については必ずしも十分な経験がないのです。

 チェルノブイリの除染を担当した会社からも、現地政府に資金がないため、土壌の除染はほとんどおこなわれていないのが現状戸の話もありました。

 一方、福島第一原発の廃炉についても、核燃料が格納容器からもれだしている状態での核燃料の取り出した例がなく、どのようにしたらできる各企業も議論しているところだとのお話でした。

 懇談をして痛感したのは、私たちが直面している問題は、人類が今まで経験したことのないような問題だということ。これまでの米国の経験や技術を福島第一原発事故にどう適用、応用できるのか検討されていますが、さらに急がなくてはなりません。

 ハードな日程でしたが、これで調査は終わり。明日は朝からホテルを出て日本に向かいます。


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