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中南米訪問記
2009年10月15日

ブラジルからパナマへ/スーツケースが間に合わず

 中南米ODA調査に出発してから6日目。ブラジルでの調査を終えて今日は移動日です。ブラジリアからサンパウロを経由し、空路8時間半かけてパナマへ到着しました。

 ブラジリアからパナマへの直行便がないため、サンパウロまで1時間半かけて南下し、そこからパナマシティーに7時間かかるという大回りのコースでした。

 ホテルを8時過ぎに出て空港へ。飛行機乗り込んだものの、サンパウロ空港の天候が良くないとの理由で1時間半近くも待機。サンパウロでの乗り換え時間がほと んどなくなり、空港内を早足で移動。パナマ便になんとか間に合いましたが、空港でブラジル土産を買うことはできませんでした。残念。

 ブラジルでの調査の中で、日系人の皆さんがブラジル国民の高い信頼を得ておられること、そのことが非常に強い親日感情を生み出していることを実感しました。

 アマゾンの農業は入植した日本人が切り開いてきたといって過言ではありません。調査で訪問したトメアスなどは、何もない地域に80年前に日本人が入植し、今 日は6万人の市となっています。こうしたことを通じて、日系人は勤勉で、技術力があり、時間や約束を守るとしてブラジル社会から信頼されていました。

 そして移住者の皆さんが厳しい中でも子どもの教育を重視し、今日、日系人は高い教育水準を得ており、多くの日系人がブラジルの各界に進出して高い評価をうけ ています。このような150万人の日系人社会があり、その周辺に強い親日層があるブラジルは、世界一の親日国という評価もあります。これは、日本にとって 貴重な宝といえます。

 しかし、日本人の多くの認識はブラジルいう国は地球の裏側の遠い国というもので、強い親日感を持っている国であると いう認識はあまりないように思います。いま、ブラジルから日系人を含む多くの「出稼ぎ」があり、この間の派遣切りなどで大変困難に直面しています。そうい う皆さんに、ブラジル国民が日系人と日本に対して持っているのと同じような親しさをもって日本人が接しているとはとてもいえません。残念なことです。

 一方、この間日本がブラジルに対してアマゾンやセラードでの農業支援を行い成果をあげてきたことやアマゾンの環境保全への支援を行っていることは現地では大変感謝されていました。この点も日本ではあまり知られていないのではないでしょうか。

 ワールドカップサッカー、リオのオリンピックと注目のイベントが連続して開催が予定され日本国内でのブラジルへの関心は高まっていくでしょう。この機会にこう した両国の歴史的な関係を再認識し、友好を深めて生きたいものです。そのためにも今回の調査の経験を生かせれば、と思います。

 もう一点。ブラジル経済が好調な理由のひとつに、「家族手当」など中低所得者向けの支援により個人消費が活発であることがあります。「ばら撒き」という批判も一部に聞かれましたが、国民のふところを暖めてこそ景気が良くなる点は教訓的でした。

 さて、パナマ空港に到着し、三沢大使らの出迎えをうけましたが、ここでトラブルが発覚。サンパウロで荷物の載せ変えが間に合わず、スーツケースは明朝の到着になるとのこと。不便ですが、人が乗るのは間に合ってよかったと前向きに考えましょう。

 パナマとブラジルの時差は2時間。パナマ空港到着後いったんホテルに入った後、現地時間の19:30から大使らと夕食。スペイン料理が美味でした。ただし、やっと日本との時差に慣れてきたのに実質21:30からの夕食ですから、また調子が狂いそうです。

 写真はブラジリアのホテルのテラスからの風景とブラジル国会。


 

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