2011年4月26日(火)
法務委員会(前半)
- 法務局事務の市場化問題。受託2社(ATG、IA)が業務停止処分を受けたことが明らかに。
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- 井上哲士君
日本共産党の井上哲士です。
まず、法案に入る前に、この間質問してきました市場化テストによる登記乙号事務の民間競争入札の問題についてお聞きします。
様々、法違反の疑いを指摘をしてきましたこの乙号事務を受託しているATGカンパニーとアイエーカンパニーの二社について最近法務省が処分を行っておりますが、まずその点について御報告をお願いします。
- 国務大臣(江田五月君)
この二つの会社に関しまして、委員から様々御指摘がございました。私どもの方でも調べてみますと、この二つの会社の業務に従事している社員が委託業務を実施している登記所において、登記事項証明書の交付申請書を提出することなく自社の登記事項証明書を取得をした事案があったと、これは幾つもあったということですが、こういうことが判明をいたしました。公共サービス改革法三十三条の二第三項で禁止されている、特定業務の実施に関して知り得た情報を特定業務の用に供する目的以外に利用するということに該当するという判断をいたしました。
そこで、四月二十二日付けで両社に対して、公共サービス改革法第三十三条の二第六項の規定に基づいて、五月の十六日から七月十五日までの二か月間、目的外利用が行われた十一の登記所における委託業務の停止を命じました。また、公共サービス改革法二十七条第一項の規定に基づいて、委託業務の適正かつ確実な実施を確保するために、コンプライアンスについての改善指導を行いました。
- 井上哲士君
目的外使用が明らかになったということで処分をされたわけですが、コンプライアンスについての改善ということが言われました。
ただ、この会社は、私この間指摘してきましたように、単に現場の働いている人がどうのではなくて、まさに会社ぐるみで、虚偽の法人登記もそうですし、それから年金の保険料のごまかしをしていた疑いもある、それから一方的な雇用関係の変更などをやってきたという疑いがあるわけですね。そもそも入札に参加をする資格がなかったんじゃないかという指摘もいたしました。
それに加えて、今回、目的外使用というのが出たわけでありますから、この法三十三条の二第八項による契約解除も十分あり得ると思うんですけれども、そこまで踏み込むべきではないでしょうか。大臣、いかがでしょうか。
- 国務大臣(江田五月君)
業務の停止と、コンプライアンスについては研修の実施、体制の構築、さらに、これからのコンプライアンスに係る取組計画の策定、実践、報告、いろいろ指示をしておりまして、これらのものがきっちりとこの会社、両社がこれらに従うことができるかどうかを十分にチェックをしていきたいと思っております。
今回の情報の目的外利用というのは、これは本当にコンプライアンスの欠如によるもので、是正することは可能だと考えまして、是正されれば契約を解除するまでの必要はないと。しかし、なかなかこの是正をするのはかなり高いハードルだと思っておりまして、そこはしっかりチェックをしたいと思います。
- 井上哲士君
登記に対するやはり国民の信頼が問われる問題でありますので、文字どおりしっかりチェックをしていただきたいと思います。
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