ホーム の中の 参院躍進鼎談

 弁護士の大河原としたか(壽貴)さん(38)=新=が、16年の参院選京都選挙区(改選数2)に日本共産党から立候補を表明して候補者活動をスタートしています。第189回通常国会(26日開会、6月24日閉会予定)を前に、第3次安倍政権の「暴走政治」をストップさせるたたかい、いっせい地方選、次期参院選勝利にむけた決意と展望について、井上哲士、倉林明子両参院議員と語り合いました。

法曹から国会へ

●悪法の強行決意後押し

大河原
大河原
来年の参院選に立候補を決意しました。年明けの会見にはお二人にも同席いただき、ありがとうございました。
 
倉林
よくぞ決意していただきました。
 
井上
安倍政権のもとで、憲法そのものが正面から問われるとき。立憲主義、民主主義の根本の論戦を骨太く貫ける法曹出身者の決意に大歓迎です。(拍手)
 
大河原
ありがとうございます。弁護士として、秘密保護法、集団的自衛権行使容認に反対し、議員要請行動に参加するなかで、安倍政権と対峙できる法曹出身の議員が必要だと感じていました。でも、まさか自分に白羽の矢が当たるとは。(笑い)
 
井上
日弁連が反対を表明しているのに、秘密保護法の担当大臣も集団的自衛権行使容認の与党協議の自・公の代表も全部弁護士で、法律家の顔をして憲法に反することをやっている。どうしても、まっとうな法曹出身者を増やしたいと痛感していたんです。
 
大河原
参院の候補にと声をかけられた時、秘密保護法が国会で強行採決された日(13年12月6日)の思いがよみがえりました。あの日、日弁連の臨時総会で東京にいたんです。
 
井上
その後、抗議集会にもたくさんの方が参加されていたようでした。
 
大河原
国会の外で多くの人が反対の声をあげる中、参院本会議で反対討論にたったのは日本共産党の仁比聡平さんだけ。京都弁護士会の抗議声明を準備すべく京都に帰り、その日の深夜の採決強行の様子を見て、怒りと悔しさが込み上げましたから。

●弁護団活動経験生かし

倉林
 
倉林
そうでしたか。衆院は子育て世代の議員がうーんと増えました。大河原さんは、2人の息子を育てるお父さん。30代の若さに未来を感じるね。要請を受けて「どんな事件でも引き受けます」って感じでしたか。
 
井上
弁護団活動では、平和関係にはじまり、労働、原発、教育問題、反ヘイトスピーチなど、幅広い事件活動にかかわっていて、新春の集いなどで一緒にテーブルを回ると様々な関係の人から声がかかる。改めて頼もしいと感じました。
 
大河原
発表後、お会いする方々に「若い人が良く決意してくれた」と声をかけられます。いろんな分野で勉強をさせてもらった経験を生かし、おおいに頑張りたいと思います。

共産党躍進に注目

井上
井上
総選挙は日本共産党にとって、13年の参院選に続く躍進でした。複数の他党議員から、「ブレないところが評価されたんでしょうね」と声をかけられました。「みんなの党」所属だったある議員は、「我々はブレまくって、なくなってしまった」と苦笑いしてました。(笑い)
 
倉林
今回初当選した看護協会出身の自民党議員(比例北関東ブロック)が、あいさつに来ました。看護協会は、各政党と対等につきあう態度に変わってきていて、協会ニュースに私のあいさつ文が今年も写真付きで掲載されています。
 
大河原
13年の参院選で日本共産党議員が増え、議案を提案していることや、一点共闘の運動の前進など、昨年の総選挙でも支持を訴える上で力になりました。
 
井上
議案提案権を得た参院での取り組みで象徴的な変化は、「ブラック企業規制法案」の提出ですね。
 
倉林
そうそう、今度は衆院でも議案提案権を得たから、自民党の秘書が、共産党はどんな議案提案をするのかと注目していましたよ。他党の日本共産党を見る目が変わってきているのは面白いです。

「自共対決」国会へ

●政党助成金廃止へ法案

 
大河原
衆院で21議席に増えた日本共産党が、第3次安倍自公政権と対決する通常国会が始まりますね。
 
井上
わが党は、さっそく、「政党助成金廃止法案」を提出します。(拍手)
 
大河原
総選挙の公約実現の第一歩ですね。政党助成金は憲法違反。廃止せよの世論を大きくしたいです。

●決意の原点憲法を守る

 
大河原
総選挙後、安倍政権は暴走姿勢をいっそう強めています。集団的自衛権行使のための法整備の具体化を許さないたたかいが大事です。国政の舞台での対決を決意した1つの理由でもあるので、力を入れたいと思っています。
 
井上
安倍首相は、総選挙で信任を受けたとばかりに改憲に前のめりです。「戦争する国づくり」は許さない、憲法守れの国民的な世論と運動のせめぎ合いは、いっそう激しくならざるを得ません。
 
大河原
父方の祖母が満州引き揚げ者なのですが、子どもの頃には直接、話を聞く機会もなく、まったく戦争を知らない世代です。でも、弁護士になって、中国残留孤児やシベリアで抑留された方、被爆者から直接、お話を聞き、言葉では表現できないほど悲惨な体験、悲しくつらい思いを共有することになりました。「戦争はだめだ」と頭で理解していたことを少しでも体感でき、それが、憲法を守る運動へのよりどころになっています。
 
倉林
戦争の悲惨さを追体験しはったんですね。
 
大河原
集団的自衛権行使容認の閣議決定がされて以降、街頭宣伝での反応が変わりました。以前は「憲法が変わっても戦争にはならへんで」という人もいましたが、「戦争する国づくり」へ向かっている危機感や不安感を持つ人が増え、共感してくれているなぁと。
 
井上
憲法解釈の変更だけではなくて、15年度の防衛関係予算案で過去最高額の4兆9800億円を計上し、自衛隊に水陸両用車両やオスプレイの配備を狙う。武器輸出のための支援制度作りや、海外に部隊をどのように出すかも具体的に検討され、「戦争する国づくり」は新しい段階に踏み込んでいます。
 
倉林
安倍さんの動向は怖いと、みんなが我が身に引き寄せている感じがします。

●米基地撤去共同広げて

 
井上
総選挙後の世論調査では、「憲法改正」に、国民の5~6割が反対と答えているのは心強いです。暴走に対峙する国民世論に依拠してたたかう日本共産党の責任の重さも痛感します。
 
大河原
京丹後市に配備が強行された米軍レーダー基地問題では、昨年10月と12月、現地の集会に参加しました。運用強行、米軍属による交通事故の発生など、住民の怒りや不安は増しています。地元のたたかいと連携し、撤去にむけた府民世論を高めたいです。
 
倉林
沖縄で新基地建設反対の一点共闘が広がったように、「基地はいらない」という闘いの発展を目指したいですね。
 
大河原
米軍基地というのは、日本の法制度が及ばない地域が生まれることです。地位協定はおかしいという世論も広げたい。
 
倉林
 根本的には安保条約の問題に突き当たります。その解決の道を示している日本共産党の役割を発揮して、展望をもって闘いましょう。

労働者の権利守る

●雇用破壊の悪法止める

 
大河原
同世代や若者に非正規雇用の人が増え、低賃金、〝ブラック〟な働き方が横行しています。不当解雇撤回の事件にも多数かかわった経験から、安倍政権が進める雇用破壊の法制度改悪を食い止めたいと思っています。
 
倉林
非正規雇用者が2000万人を超えましたね。
 
大河原
現在でも残業代未払いが当たり前というひどい状況ですが、労働時間ではなく成果で賃金を支払う「ホワイトカラー・エグゼンプション」制度が導入されたら、未払い残業代の請求を裁判で争うことすらできなくなります。
 
倉林
安倍さんは、「世界で一番企業が活躍しやすい国」をめざすといって、それを邪魔するものは取り除くんだと強行姿勢で労働法制改悪を狙い、労働者派遣法の改正、残業代ゼロ法案を持ち出してきました。でも、成功はしていません。

●ブラック規制三たび提案へ

 
井上
派遣法の改悪案は2度廃案に追い込みました。昨年の国会最終盤は、議員会館前に、全労連、連合など組合の立場を超えて労働者が座り込んで抗議し、「路上一点共闘」の様相でした。
 
倉林
道理の通らない法律です。安倍政権は国会で3分の2の力を持って暴走はするけれど、だからといって簡単に強行はできない。国民の世論と運動の力、国会内外での共同の力を実感しています。
 
大河原
なるほど。
 
井上
先に触れた「ブラック企業規制法案」提出は、審議する前から政府が動き始める画期的変化をつくりました。(笑い)〝ブラック〟企業の存在を否定していた厚労省が、若者を使い捨てにする可能性のある企業の実態調査に動き出し、対策を講じざるを得ない状態になったんですから。
 
倉林
国会解散で廃案になったから、再々提出しないと。
 
大河原
今度は審議に持ち込んで、ぜひ実現させたいですね。

原発再稼働阻止へ

 
大河原
安倍首相は、再稼働に躍起です。
 
倉林
川内原発の審査に見られるように、火山の噴火リスクや事故時の避難計画など課題が多く審査も遅れています。これも国会論戦と再稼働反対の世論が、簡単には再稼働できないせめぎ合いの状況をつくっています。
 
大河原
再稼働反対の運動の中で、審査基準に周辺自治体住民の避難計画を盛り込まないことを私たちも批判してきました。避難計画を義務付けられる関係自治体も矛盾をかかえながら対応せざるを得ない苦労をされています。
 
井上
重大事故が起きれば通勤できないようなところに原発を立地しておいて、避難計画を作れというのですからひどいものです。
 
大河原
再生可能エネルギーの買い取り制度の改悪も問題です。原発差し止め訴訟で、避難者とも交流し、政府の原発行政や事故後の対応の無責任さを知りました。安心して健康に暮らせる将来の保障、避難者への支援に責任をもつよう国に求めたいです。

いっせい、参院選勝利へ

●沖縄に学び政治動かす

 
倉林
一致する要求で力を合わせ、安倍政権と対峙する、総選挙で示された沖縄方式に学んで「一点共闘」を発展させ、いろんな分野で政治を動かす可能性をつくりたいです。
 
大河原
同感です。
 
倉林
京都府党が呼びかけた、消費税や経済問題でのシンポジウムでは、10%への増税や円安、株高対策では景気回復はできないとの実感が語られています。初めて参加された官公需適格組合の方が、中小企業を地域経済の主役にという考えは共産党と一致できるとおっしゃったことを新鮮に受け止めました。
 
井上
共闘できる可能性はいろんな分野にある。積極的に新しい分野に働きかけなくてはね。
 
倉林
安倍暴走政治との対決で、いまほど日本共産党が注目されているときはない。そんな時にいち早く、次期参院選の予定候補を得た意味は大きいですね。
 
大河原
安倍首相が断言した消費税10%増税(17年4月)の前に参院選がたたかわれます。増税ストップへ責任重大です。

●総選挙躍進で新たな情勢に

倉林・大河原・井上
 
倉林
参院の経済産業委員会で、増税中止を主張しても他党議員の反応は薄かったのに、最終盤は「10月実施は無理」と全体の論調が変わったんです。政治を動かしてるのは安倍さんでも国会でもない、国民世論の力です。
 
井上
「責任」というよりも「やり甲斐」を感じて、たたかいを進めましょう。(笑い)
 
倉林
私が参院の候補者として決意した時(12年)は、「2議席で取れるはずもない」と言われ、どうやって機運を高めていこうか悩んだものです。今度は違う。総選挙での躍進が開いた新たな状況をいっせい地方選での躍進につなげ、「日本の夜明けは京都から」の土台となる大きな流れを作り出すときです。
 
井上
京都から倉林さんを当選させたからこそ11人(参院)になって議案提案権も勝ち取った。2人区で勝つのは質的に違う重みがあります。1986年以来の参院選連続勝利に挑戦する我々の責任は大きいよね。
 
倉林
〝やり甲斐がある〟じゃないですか。(笑い)
 
大河原
 目前に迫った、いっせい地方選で一人でも多くの共産党議員を送り出すために力を尽くし、参院選に挑みたいと思います。ご支援よろしくお願いします。

ページ最上部へ戻る