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京都少年鑑別所と浪速少年院を視察

 今国会に提出される予定の少年院法、少年鑑別所法の改正法案の審査や質問準備のため、京都少年鑑別所と大阪の浪速少年院を視察しました。

 京都少年鑑別所は私の住んでいる吉田学区内にありますが、これまで訪問したことがなく、そもそも少年院は何ヶ所も視察しましたが、鑑別所を視察したこと自体がありませんでした。

今回の法改正は、広島少年院での職員による暴行事件をきっかけに設置された「少年矯正を考える有識者会議」の提言に基づくものですが、この提言の中で鑑別所の役割が強調されており、ぜひ視察に行きたいと考えていました。

少年鑑別所が何をしているのか知らない方が多いと思います。非行などを犯した少年が家庭裁判所の決定を受けて最長8週間収容され、その間、医学、心理学、教育学の専門家が、面接などを通して、本人の性格や非行のいきさつ、今後の立ち直りへの指導・援助の方法を明らかにする「鑑別」を行う施設です。

その結果は鑑別結果通知書として家庭裁判所に送付され、少年院送致、保護観察、児童自立支援施設等送致、不処分などの審判に活用されます。

 自宅から歩いて15分で到着。関根哲所長さんから概況説明を受け、面接室や寮内の部屋などを見せていただいた後、主席専門官の方や勤務医である精神科医の定元ゆき子さんらを交えて懇談しました。

 この間、社会の変化の中で生育環境に困難を抱えたり、発達障害等により人間関係が苦手だったり衝動的行動をとるなどの困難をもった少年が増加していること。その中で、発達障害などへの最新の知見を身に付けるなど常に専門性を高めながら鑑別にあたっていることなど、少年院や保護観察所、児童自立支援施設など他の施設との連携の強化の必要性など現場のご苦労やご意見を伺うことができました。

 続いて大阪府茨木市にある浪速少年院へ。菱田律子所長から概況説明を受け、施設内を視察しました。同少年院は職業訓練を主な教育内容としている施設で、電気工事士やクリーニング師、ガス溶接技能講習修了証などの資格を取得することができます。

 退院した少年が仕事に就いて立ち直っていることを報告してきた手紙も見せていただきました。しっかり技能を身に付けて、仕事につけることは立ち直りについて極めて大事ですが、今日の経済情勢のもとで困難も多いようです。

 講堂に少年たちの書いたポスターが張ってあり、その中に「金、力、権力から愛、夢、希望へ」というのがありました。少年院での処遇の中での少年の変化を感じさせるものでした。

 両施設の施設を通じて感じたことの一つが、今の少年非行の実態を正確にとらえることの大切さです。マスコミ報道などで、少年非行がどんどん増えているかのような印象を持ちがちですが、実は、少年の刑法犯検挙・補導数は年々減っており、両施設とも定員に対する収容率は五割以下でした。

しかし、だからといって楽観できるとはいえず、少年鑑別所での懇談で出されたような、新しい深刻さも持っています。この両面を見て、総合的に対応を強化することが必要です。今後の国会審議に生かしたいと思います。

 視察終了後、東京へ。

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