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本会議で2013年度決算に反対討論/言論弾圧発言を謝罪せよ/多士済々

DSC02124.JPG午前中の参院本会議で、2013年決算に対する反対討論に立ちました。アベノミクス、大型開発推進、原発再稼働、軍拡路線を批判するとともに、自民党の勉強会での沖縄侮辱、言論弾圧発言を取り上げ、総理に謝罪を求めました。

  午後には衆院安保特での本村伸子議員の戦争法案での質問を応援傍聴。本村さんは空中給油について、「給油なしに戦闘機は飛べない。爆撃もできない。なぜ、武力行使と一体でないといえるのか」と切り出して追及。大臣はまともな答弁ができず何度もストップしました。

 「共産党は多士済々だね」――本村伸子議員の質問の後に自民党のベテラン議員が、わが党にこう声をかけてきました。いいぞ!
 
 午前中の本会議討論を紹介します。

●日本共産党を代表して、二〇一三年度決算の是認に反対の討論を行います。 

DSC02122.JPG 一三年度決算は、政権復帰後に安倍内閣が編成した初めての当初予算と消費税増税実施のための経済対策とされた五兆五千億円規模の補正予算についてのものです。

 安部内閣はデフレ不況を抜け出すとしてアベノミクスを始め、さらに施政方針演説で「世界で一番企業が活躍しやすい国」を目指すと表明し、労働などの規制緩和や食の安全と農業をつぶし、経済主権を脅かすTPP交渉など大企業中心の成長戦略を推進してきました。 

 それに加え、補正予算では、大企業が負担する復興特別法人税を一年前倒しで廃止し、三大都市圏・環状道路や、国際コンテナ戦略港湾、空港整備などに三千億円以上の税金を注ぎ込む大型開発優先路線が復活しました。そのもとで、公共事業関係費は二〇一三年度決算ベースで前年度比プラス三八%、二・一兆円もの増額となったのです。

 このような大企業支援策とアベノミクスによる円安誘導、官製相場とも呼ばれる株価対策により、一部の大企業や大株主は巨額の利益を上げました。大企業の内部留保は一二年末から一年間で一三兆円も増え、一三年末には過去最高の二八五兆円に達しました。 

 一方、国民生活と中小企業の営業はどうなったでしょうか。原材料高騰で円安倒産が広がりました。労働者の実質賃金は一三年度予算が成立した五月からマイナスに落ち込み、以来、二五ヶ月連続でマイナスになりました。

さらに税と社会保障の一体改革が実行に移され、生活保護費六七〇億円減、年金給付費千五百億円減、児童扶養手当七億円減など、とりわけ低所得者の生活を直撃しました。 

そのうえ、一四年四月から実施された消費税の増税は経済の六割を占める個人消費の大幅な落ち込みとなり、国民生活と日本経済に深刻な事態を作り出しました。国民に消費税増税を押しつけたうえ、社会保障の根幹部分を軒並み削減し、憲法が保障する生存権を脅かすことなど断じて容認できません。 

 このように本決算から明らかなのは、アベノミクスがもたらしたのは、富める者はより富み、貧しきものはより貧しくなる格差の拡大であり、景気悪化だということです。この道に未来はありません。 

 今、必要なのは大企業の内部留保を活用した国民所得の拡大、働くルールの確立による安定した雇用の実現など内需主導の経済政策への転換です。それに逆行する、労働者派遣法改悪法案は廃案にするべきです。消費税の十%増税は中止するべきです。強く求めます。 

 大型開発推進予算を大幅に増やした口実は、東日本大震災の教訓から「国土強靭化」が必要だというものでした。しかし、この間の御嶽山等の噴火をうけた決算審議で、世界有数の火山大国でありながら、専門家が圧倒的に不足し、監視観測体制がきわめて不備であることが浮き彫りになりました。

 災害に強い安心・安全の国作りというなら、災害に対して脆弱な体制を抜本的に強化し、老朽化したインフラの補修・安全対策にこそ力を注ぐべきです。 

 東日本大震災の被災者の支援は、予算措置が不十分な上、大型開発推進による人手と資材の不足、それに伴う費用の高騰による入札不調と相まって二〇一三年復興特別会計の予算執行が六三・五%にとどまったことは重大です。災害公営住宅の建設促進や住宅再建支援金の五〇〇万円への引上げ、入札不調対策など、住宅と生業の再建への支援をいっそう強めることこそが必要です。 

 福島第一原発の汚染水問題は東京電力のずさん極まりない対応が続いており、依然深刻な事態です。一三年度予備費で汚染水対策経費二〇五億円が支出されましたが、本来、東京電力を支えてきた大株主や原子力産業が負担するべきものです。

 一方、一定地域の避難指示の解除による一律の賠償打ち切りや営業損害賠償の打ち切り行うことなど許されません。加害者である国と東電が、賠償と除染の責任を果たしきることは、「福島の復興」への大前提ではありませんか。 

 福島原発事故で避難生活を余儀なくされている県民は未だに一〇万人を越えています。にもかかわらず、一三年七月の「新規制基準」に基づく原発再稼働が推進されてきました。しかし、この基準は過酷事故の際の住民の安全確保もされていないものであり、原発事故などなかったように再稼働するなど許されません。原発ゼロへの政治決断を行い、再生可能エネルギーへの転換こそ進めるべきです。 

 軍事費は、当初予算で一一年ぶりに増額に転じ、補正予算で、経済対策と称して一二〇〇億円が積み増しされました。F三五戦闘機の導入やミサイル防衛、オスプレイ導入の調査費等が盛り込まるなど、周辺諸国との軍事的緊張を高め、東アジアの平和的環境づくりに逆行するものです。

 さらに秘密保護法と一体で、集団的自衛権行使の戦争司令塔である国家安全保障局設置が強行され、その設置費用は一三年度予備費から支出されました。

 今、衆議院で審議中の安保法制は、こうした戦争する国づくりをさらに進め、アメリカの戦争にいつでも、どこでも、どんな戦争にもでも支援、参加する戦争法案に他ならないことが明らかになっています。憲法学者からも、歴代内閣法制局長官からも、主権者国民からも憲法違反だと反対の声が大きく広がっている戦争法案は廃案にする以外にありません。 

 一三年度予算には沖縄辺野古への新基地建設の予算が盛り込まれましたが、その後、名護市長選、沖縄県知事選、総選挙で沖縄県民は繰り返し新基地建設反対の明確な審判を下しました。にもかかわらず、政府が県民の審判を無視し、抗議の住民を力づくで押さえつけて工事を強行していることは、民主主義そのものを否定するものです。 

 そのことは、先週、自民党本部で開かれた学習会で、沖縄県民を侮辱し、普天間基地の歴史を捻じ曲げ、言論弾圧をあおる発言が相次いだことで浮き彫りになりました。昨日、参院議員会館で行われた緊急抗議集会には、多くの市民、マスコミ関係者、超党派の国会議員が参加しました。沖縄の二つの地元紙から報告があり、琉球新報の東京支社報道部長は、こう発言されました。

 「沖縄の新聞はゆがんでいるというが、ゆがんでいるのは沖縄の現実です。わずかな面積に米軍基地が集中したもとで起きているその現実を、私たちは県民の立場から報道しているのです」。 

 沖縄にゆがんだ現実を押し付けながら、その現実を報道する新聞を敵視することなど絶対に許されません。安倍総理。自民党総裁として国民と沖縄県民に謝罪をすることを求めます。辺野古新基地建設は直ちに中止し、強権的に米軍が土地を奪って作った普天間基地は無条件撤去するよう対米交渉を行うことを強く求めます。 

 以上、国民にとって重大な問題のある予算を執行した二〇一三年度決算を到底是認することはできません。そのことをのべて反対討論とします。

 

 

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