予算委員会の外交安保集中質疑で質問に立ち、宇宙軍拡の問題を取り上げました。宇宙軍拡という言葉自体を聞いたことがない方が多いと思います。日本では、憲法の平和原則から「非軍事」に限るとされていたからです。
ところが、「軍事を社会の中心に置く」国づくりを進める安倍内閣の下で、宇宙利用の分野でもアメリカの軍事戦略を補完する形で急速に軍拡が進んでいます。そのことを告発し、中止を求めました。テレビ中継のある総理質問で、この問題を取り上げたことはこれまで余りないはずです。「へ~、宇宙にまで軍拡が」と驚かれた方も多いと思います。
安倍総理の強い指示で作られた「第三次宇宙基本計画」では日本版GPSと呼ばれる準天頂衛星を現在の一機体制から七機体制に抜本的に強化することが掲げられました。日常生活でも便利なGPSですが、実は米国の軍事技術でGPS衛星を打ち上げているのは米国防総省。弾道核ミサイルや無人攻撃機の運行など米軍の軍事戦略に不可欠のシステムです。当面、4機体制にするだけで今後2000億円もの事業費となっています。
私は内閣府宇宙政策委員長が、要望をききに訪問した米国で安全保障上の理由でGPSの補完機能を求められ、七機体制を具体化したと雑誌で語っていることを示し、「米国の軍事的要望に沿って、日米協力をすることに宇宙基本計画の『真価』がある」と批判しましたが総理は言い訳するばかり。
さらにただしたのが、GPS衛星を使った、米国の無人攻撃機がもたらしている深刻な被害です。米国NPOの調査では、パキスタンでは04年以降、無人攻撃機で3999人が殺害され、うち一般市民は965人、子どもは207人。テロリストと同じ攻撃パターンをとっているだけで標的にする「識別特性攻撃」による市民の被害も深刻です。
ところが国連人権理事会での無人機攻撃に対して「国際法順守を求める」決議に日本は米国と共に反対しています。なぜ反対するのかと迫ると「人権理事会の議題にふさわしくない」と米国と同じ理由を繰り返したことには驚きました。深刻な人道、人権問題なのに無人攻撃機の規制に米国と共に反対し、攻撃に不可欠なGPS昨日を補完する衛星を米国の要望にそって強化する――宇宙を戦争に利用することは許されません。
さらに重大なのは軍需産業の要望に沿って、防衛省が無人機の研究開発を始めていること。私は「戦争する国作りはやめよ」と迫り、戦争法の廃止を最後に求めました。
質問と質問後のコメントの動画はこちらから。
https://www.youtube.com/watch?v=3LlNv60eYho
https://www.youtube.com/watch?v=LcFg6Z7HFiE&feature=youtu.be
質問終了後、連休明け22日質問を大急ぎで仕上げ、19時ごろに質問通告。来週も4回の質問が予定されています。がんばるぞ。