衆議院本会議での代表質問初日。今日は立憲、自民、国民の質問でした。
改憲に関する自民党の質問に対し安倍首相は、九条への自衛隊明記が必要な理由の一つに、「隊員募集活動に対する地方自治体の非協力」を上げました。
「防衛大臣からの要請にもかかわらず、全体で六割以上の自治体で自衛隊員募集に関わる所要の協力が得られていません」「このような状況に終止符を打つことが必要」だから改憲だというのです。
自衛隊員の適齢住民の名簿について、住民基本台帳の閲覧にとどまり、紙媒体や電子データで提供していない自治体が六割以上であることを指したものです。
驚くべき答弁。要請はあくまで「お願い」であり、応じるかどうかは自治体の判断だと、防衛相が繰り返し国会で答弁してきたもの。「私の個人情報を勝手に渡さないで」などの市民の声がある中で、自治体が提供ではなく閲覧にとどめていることがけしからんというのです。
逆に言えば、憲法に自衛隊を書き込むことで、防衛大臣の要請を断る事が困難な社会になるということ。軍優先の戦前のような社会への後戻りはを望む人がいるでしょうか。
今日、自衛隊員の募集が困難になっている原因の一つは、安倍政権が違憲の安保法制により、海外での戦闘で「殺し殺される」自衛隊にしたこと。自ら困難を作り出し、それを改憲により打開しようというのは許されません。
今、京都市が適齢者の名簿をタックシールで防衛省に提供しようとしていることに市民の批判の声や、「提供しないで」という申し立てがひろがっています。
京都市がやろうとしていることが、当事者の思惑はどうあれ、安倍政権がねらう九条改憲の流れの中にあることを浮き彫りにしました。