作家の平野啓一郎さんが「分人化とメディア~表現の自由を巡って」と題して講演をされた、京都弁護士会主催の第五十回「憲法と人権を考える集い」に参加しました。
全体のテーマは「あなたが呟く今とこれから」。他の人権より「優越的価値」があるとされ、最大限尊重されるべきなのが「表現の自由」です。かつては、もっぱら、送り手=報道機関等、受け手=国民という図式でしたが、ネットの急速な普及の中、多くの国民が送り手にもなっています。
ツイッター等での個人のつぶやきが世論を形成するなど重要な役割を果たす一方、匿名性の下での暴力的で人権侵害の書き込みなど、様々な新しい問題が起きています。こうした中で、表現の自由をどのように担っていくのか。
講演の後、平野さんは、二人の弁護士によるインタビューを受け、その中で会場から文書で出された質問にも答えられました。文学、社会、法律など様々な角度から議論を深められた、意義深い集いでした。
平野氏は京大法学部在学中、当時は最年少で、「日蝕」で芥川賞を受賞しました。インタビューした二人の弁護士はいずれも同時期に京大に在学していた方。「面識はなかったけど卒業式で一緒に写真を撮ってもらいました」など、当時のエピソードも披露されました。
終了後、明日の長野県での行動のために東京に移動中。パソコンをひらくと、ベナンが核兵器禁止条約の51ヵ国目の批准国になったとのニュース。被爆者の声が世界を動かしています。