被爆直後の広島・長崎で、アメリカ軍によって「原爆の被害と効果」に関する大規模な調査が行われました。調査では、被爆地に残る放射線・残留放射線が計測され、科学者たちは「人体への影響」の可能性を指摘していました。しかし、「トップシークレット」として、その事実は隠蔽されることになりました。
「残虐な人道兵器」として国際法違反に問われることを恐れて「調査結果は忘れろ,破棄せよ」と命じられたのです。秘密扱いの報告書や、調査に参加した兵士や調査員の手帳やカメラなどにその悲惨さが残されていることを次々と明らかにします。
長崎の「西山地区」の部分も注目です。谷間の地域で直接爆風などの被害はなかったのに強い放射線量だったことが米軍の調査でも明らかになろっています。被爆者の遺族への取材をはじめ、米軍調査の対象になりながらその被曝が否定された人々に焦点を当てています。
政府は一貫して長崎の「黒い雨」による人体への影響を認めていません。28日の新指針についてのレクでもその態度でした。そうした国の政策の不条理さが浮き彫りになりました。広島高裁判決でも断罪された政府の間違った被爆者認定行政の転換を迫るうえで重要な内容です。