国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)第三作業部会は5日、パリ協定に基づく気温上昇を1・5℃に抑えるために、2025年度までに温室効果ガスを増加から減少に転じさせることが必要だと強調しました。一方、日本は新規の石炭火力の支援はやめましたが、進行中の案件は支援を続けており、G7の中で唯一石炭火力輸出を進める国として国際的に批判されています。
その一つのバングラデシュのマタバリ火力発電事業では、フェーズ1に参加していた住友商事が、その拡張事業であるフェーズ2への参加を取りやめることを二月に発表しました。1.5度目標に沿った経営を求める投資家の声が方針転換につながりました。
そのもとで,バングラデシュのエネルギー大臣が同国の英字紙でマタバリ火力のフェーズ2を継続しない可能性があることに言及する事態にもなっています。温暖化阻止に逆行する事業は投資家からそっぽを向かれる状況はさらに強まることは必至です。
また、インドネシアのインドラマユ石炭火力発電は日本はこれまでエンジニアリング借款を支援してきましたが、インドネシアからの本借款の要請はまだありません。背景には同国の電力需要供給見通しが大きく変化しており、当初19年から運転開始予定だったのが先延ばしされ、昨年11月の計画ではさらに2031年以降になっています。
パリ協定の1・5℃目標を達成するためにはOECD加盟国以外の国も2040年までに石炭火力発電をやめることが求められています。31年から運転開始となると、わずか10年で停止となれ資金回収できない座礁試算になりますし、40年以降も運転すればパリ協定と整合しません。
いずれも、国際的な気候変動に関する取り組みやエネルギー事情の大きな変化のもとで起きている事態。もはや石炭火力輸出の支援は地球温暖化阻止の国際的取り組みに反し、相手国の利益にもならないことは明らか。日本は石炭火力支援をやめ、再エネへの転換などへの支援に転ずるよう強く求めました。
林大臣は二つの火力発電は新規支援中止の方針決定前に支援を検討してきたものであり中止の対象ではないとしつつ「石炭火力を巡る国際的な議論の潮流を踏まえつつ、それぞれの国と協議のうえで検討する。脱炭素化社会への支援は各国の固有の事情を踏まえて進めていきたい」との答弁でした。
委員会終了後、亡くなった義父のお通夜に参列するために羽田から高知県室戸市へ。
17:30からのお通夜にぎりぎり間に合いました。