質問後、「気にはなっていたが、そういう理由だったんだ」「取り上げてくれてうれしい」「地方議会でも取り組んでいます」など、様々な声をいただいています。引き続き取り組みます。
内閣委員会の質問の速記録もこのHPにアップしていますので、ご覧ください。
しんぶん赤旗主張(23.5.20)
男女のトイレ格差 我慢強いる行列の解消急ごう
通勤通学の時間帯に駅などの女性トイレに行列ができることは少なくありません。電車の時間に間に合わないからと並ぶのをあきらめる女性もいます。トイレを長時間我慢することは、健康にも深刻な影響を与えます。外出の障壁にもなっているトイレの男女格差を解消することは、女性が安心して生き生きと暮らせる社会づくりの重要課題の一つです。
遅々として進まない増設
公共施設などでの女性トイレ増設は長年の問題です。国土交通省の2016年調査では駅トイレの不満で「行列に並ばなければいけない」が女性は44・0%で男性の31・3%を上回りました。
同省は鉄道会社やショッピングセンター事業者などが参加する協議会を設置し、17年に「女性が輝く社会づくりにつながるトイレ等の環境整備・利用のあり方に関する取りまとめ」とする文書を出しました。そこでは女性トイレの行列の原因は「利用者数に見合った個室便房数となっていない」ことを挙げ、「個室便房の数を増やすことが最も効果的」と明記しました。
しかし、改善は遅々として進みません。行列で困った経験を持つ都内の女性が22年から、公共交通機関の便器数の男女比をトイレ案内板で調査しています。全国各地の300カ所以上を調べたところ、駅や空港などの男性トイレの小便器と個室の合計は平均で女性個室の1・76倍という結果でした。
日本共産党の井上哲士議員は9日の参院内閣委員会でトイレ格差について政府の認識をただしました。この中で、国交省の「取りまとめ」から6年もたつのに、便器数をはじめ女性をめぐる状況について国として把握していないことが分かりました。トイレの整備を鉄道会社などの施設設置者任せにしていることは問題です。
公共施設のトイレの面積は男女で同じところが多数です。そのため全て個室である女性の便器数は少なくされているのが現状です。日本のトイレの多くは、空気調和・衛生工学会の基準で設置されています。同基準は利用者の人数が男女同じなら、男性の小便器と個室の合計数と女性の個室数はほぼ1対1でいいとします。
しかし、中日本高速道路の調査では、トイレにかかる時間は、女性が男性の2・5倍です。今の基準は、女性の待ち時間は男性より長くて構わないと言うに等しいものです。同社は待ち時間が男女とも2分未満になるよう計算し、女性用個室を2倍以上に増やしました。山口県萩市は、公共施設について、女性用個室は男性用小便器の2倍という基準を設けました。
政府として基準を示せ
民間や地方の努力を促進するために、政府としてトイレの男女比に基準になる考え方を示すことが求められています。
イギリスの王立公衆衛生協会は便器数の男女比は1対2が適切だとする報告書を出しています。
日本でも災害時の避難所についての指針で、女性トイレは男性用の3倍という基準を打ち出しています。人道支援の国際基準です。この考え方は公共施設のトイレにも共通します。
トイレの男女格差は、日本が男性中心社会から脱却できていないことの反映です。力を合わせ解決を図っていきましょう。