広島に住んでいる、広島国泰寺高校の同級生から朝、こんなLINEがありました。
「サミットに期待はしていませんでしたが、やはり、ガッカリです。
ヒロシマビジョンにヒロシマを冠してほしくない。
ヒロシマの願いを汲み取ったものにはなってないです。
市民に苦痛と不便だけ与えてパフォーマンスに終わった感じです。
何かしら意味があったのでしょうか?」というもの。
朝からもやもやしていた怒りに任せて書いたとのことでした。
発表された「核軍縮に関するG7首脳広島ビジョン」は、「核兵器のない世界」を「究極の目的」として永久に先送りし、「核抑止力」を公然と宣言。「核抑止」とはいざというときには核兵器を使用し、広島・長崎のような非人道的惨禍を引き起こすことはためらわないという議論。
しかも核兵器禁止条約には一言もふれていません。サミットの首脳たちは原爆資料館でいったい何を見たのか、岸田総理は何を説明したのか。
こんな「ビジョン」にヒロシマの名前を冠してほしくないというのが被爆地からの声です。地元紙のインタビューに、カナダ在住の被爆者サーロー節子さん(91)は、「自国の核兵器は肯定し、対立する国の核兵器を非難するばかりの発信を被爆地からするのは許されない」と批判しています。
サミットに先立ち、ICANの主催で開かれた「G7国会議員フォーラム」の広島会議にGW中に参加しました。会議の前にカナダやイタリアの国会議員、日本の超党派の国会議員で原爆資料館を訪れました。
時間をオーバーして食い入るように展示を見つめていた、カナダ、イタリアの国会議員。その後の会議では、核兵器の使用がもたらす破格的な影響を認識し、あらゆる核兵器使用の威嚇を明確に非難し、核兵器禁止条約の重要性について認識すべきとする声明を採択しました。
これこそ被爆地から示すべきビジョンです。