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日本共産党を代表して2024年度補正予算案に対して総理に質問します。
豪雨の直後に輪島市の避難所や浸水した仮設住宅でお話を聞きました。地震で自宅が被害にあい、避難所から金沢に2次避難し、仮設住宅に当選して八カ月ぶりに帰ってきたらすぐに浸水被害を受け再び避難所に入った。「振出しに戻った」「心が折れる」「見捨てられたような気持ち」など悲痛な声が耳に残っています。
災害関連死は247人となり地震による直接死を超えました。先が見えない中、人口流出が続き奥能登4市町では4156人、7・5%も人口が減りました。
総理は先日の答弁で、「災害を防ぐことはできない、しかし、その後に起こることはすべて人災なのである」という言葉を胸に刻んでいると述べられました。能登の現状は、政治の責任が問われている人災というべき状態ではありませんか。
被災者に「見捨てられた」などと思わせることはあってはなりません。大地震と豪雨の複合災害として必要な対策を届け、関係自治体の体制強化も含めて国の責任を果たし、能登で暮らし続けられる希望を持てる支援をすることこそ政治の役割です。
被災者の医療費・介護利用料の窓口負担の免除は年末まで延長されています。実態をみれば当然再延長すべきです。安心して新年を迎えられるよう、年末ぎりぎりではなく早期に延長を決めるべきではないですか。
ところが、それは人員不足であり災害とは関係ないなどという機械的対応で、広域避難の被災者に食事代などの負担が押し付けられています。
実態と乖離した対応をやめ、免除を続けるべきです。答弁を求めます。
公費解体や住宅再建などの支援を受けるには罹災証明書が必要です。ところが自治体による住宅被害認定の判定結果が実際の被害と乖離があるなど不服だとして能登4市町では1次調査が行われた住宅の約30%で2次調査が行われています。被害判定により支援額は大きく変わるので、このままでは住宅再建の見通しが立ちません。
建築の専門家ではない自治体職員が調査する難しさが指摘されており、防災大臣も先日、「現場から、かなり調査結果に対して不満の声も要望もあった」とし、検証して改善すると述べています。
宅地被害を含め、住宅としての失われた機能を反映した判定基準に改善すると共に専門性を持った職員の派遣など支援を強化すべきではないですか。
被災者生活再建支援法による最大300万円の支援金ではとても住宅再建はできません。法改正当時と比べ建設費葉大きく値上がりし、政府も建築費の高騰を理由に能登での災害公営住宅の整備への補助限度額を見直すとしています。
能登6市町にとどめている臨時特例給付金を被災地域全体に広げると共に、被災者生活再建支援法の支援対象の拡大や600万円以上への支援金引き上げは急務です。答弁を求めます。
避難所では床に雑魚寝し、暖かい食事も提供されない劣悪な状況が長く続きました。総理は所信演説で「避難所の満たすべき基準を定めたスフィア原則を、発災後早急に、すべての避難所で満たすことができるよう」にするとしました。
能登では現在も、温かい食事の提供やプライバシーの確保が十分ではありません。直ちに点検し改善すべきではないですか。
3月の予算委で、避難所・避難生活学会が提唱している、トイレ、キッチン、ベッドを48時間以内に避難所に届けるTKB48を示し備蓄強化を求めました。
地方自治体がキッチンカーやトイレトレーラー、段ボールベッドなどの備品を取得するための財政支援をどうするのか、
地方自治体や民間団体が所有する備品を被災地に迅速に届け活用するための仕組みと体制をどう構築するのか、
さらに分散備蓄のために現在は立川市一か所の国の備蓄拠点をどう増やすのか。お答えください。
体調などを理由に在宅避難を選ぶ高齢者や障害者の実態把握や支援の遅れも問題です。国として、地方自治体の取組への支援の強化とともに、災害救助法の対象にこうした福祉支援を加え、国が費用を負担するようにするべきではないですか。
各地で有機フッ素化合物、PFASによる汚染に不安が広がっています。補正予算には対策技術実証事業が盛り込まれていますが、それだけでは不十分です。
食品安全委員会が6月に取りまとめた評価書でのPFOSとPFOA耐容1日摂取量の指標値は米欧の数十~数百倍の摂取を問題ないとする非常に緩い値です。
米欧は疫学調査を重視して予防的に対応する「予防原則」で進めています。日本も手遅れで健康被害を生まないように、国際水準での対策へ改善すべきではありませんか。
この間、在日米軍や自衛隊基地周辺の水路などで高濃度の汚染が発見され、基地内での泡消火剤の使用による土壌汚染が疑われています。
ところが在日米軍は日本側による基地内の立ち入り調査を拒否しています。さらに強く立ち入りを求めるとともに日米地位協定の環境補足協定を実効あるものに改正すべきではないですか。
自衛隊も、因果関係が明らかでないとして、基地内の調査を拒否しています。因果関係の有無やその内容を明らかにするためにも調査が必要です。自衛隊は、住民や地方自治体の調査要請に率先して応じるべきではありませんか。
航空自衛隊基地のある岐阜県各務原市では水道水源池から高濃度のるPFASを検出し、市は浄化対策に10年間で23億円が必要です。
各地の水道事業の維持が困難になっている中、PFAS対策は新たな負担になっています。国として財政支援をすべきではないですか。
高濃度汚染が生じた岡山県吉備中央町では先日、町が住民の血液検査を行いました。政府はこれまで、血液検査を行うと「かえって不安が増す」としてきましたが、先月末に公表された自治体向けの対応手引の改定版では「疫学研究をする上で、血液検査も考えられる」と明記しました。調査手法として有効性を認めたということですね。
今後、住民の不安にこたえて自治体が行う血液検査にも支援をするべきではないですか。
補正予算案は大企業には大きな支援をする一方、国民生活打開のための施策は一時的、部分的なものにとどまっています。
さらに軍事費は、補正予算としては過去最大で能登震災対策費の3倍の8268億円が計上され、今年度予算と合わせて9兆円近くになります。
最新鋭の装備や12(ひとにい)式地対艦誘導弾などの取得と共に、米軍再編経費として、馬毛島への米空母艦載機訓練場建設や沖縄県辺野古の米軍新基地建設の予算が計上されています。これがなぜ経済対策なのでしょうか。
加えて、陸上自衛隊V22オスプレイの移駐に伴い、佐賀駐屯地の開設で380億円を計上しています。この間重大事故を繰り返し、欠陥機と指摘されているオスプレイの配備は、「国民の安心・安全」のための経済対策と逆行しているではありませんか。
こうした軍事費は、災害や景気対策など、本予算編成時に想定されなかった事象に対応するため、という補正予算の趣旨を逸脱したものではありませんか。
以上、答弁を求めて質問を終わります。