保育士の皆さんの賃上げと配置基準の改善について四月に続き質問しました。
国による四・五歳児の保育士の配置規準は30:1。七十年以上変わっていません。愛知県の「子どもたちにもう一人の保育士を! 実行委員会」をはじめ粘り強い運動と声が広がり、政府も「配置規準の改善」を決めました。ところが、基準自体を変えずに加算で対応するとしています。四月の質問で基準自体を改善せよと迫ると、当時の担当大臣は「新しい基準に見合うだけの保育士等を確保することが必要になるため、保育の現場に混乱が生じる」と答弁しました。
今回、私立保育所では規準の1・5倍の保育士が配置されているという調査を示し、「そうしなければ現場が回らないのが現実だ。実態に配置基準が見合っていないことが問題」とただすと、加藤鮎子・子ども政策担当大臣は「基準以上の配置がされているのは承知している」と認めざるを得ませんでした。そうであれば基準自体を改善すべきです。
もう一つは賃金の問題。国は月額九千円の賃上げ措置を行いましたが現場での十分な引き上げにはなっていません。さらに、この間の勤続年数に伴う加算が12年で頭打ちとなり、四十代半ばをピークに賃金が下がる事態が生まれています。「保育士のキャリアが正当に評価されるよう改善すべき」と求めました。
来年度予算概算要求では配置規準改善は金額を示さない「事項要求」になっています。必要な予算を盛り込めとさらに声を上げましょう。(23年11月18日 しんぶん赤旗・東海北陸信越版)