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虎に翼

 共感するシーンが毎日あるNHKドラマ「虎に翼」。一つが、寅子が戦後、法律家の仕事を再開する際、弟の直明に大学に行くように話した時。

直明「僕は猪爪家の男としてこの家の大黒柱にならないと」。寅子「そんなものにならなくてもいい」「新しい憲法の話をしたでしょ。男だからって、あなたが全部背負わなくていい。そういう時代は終わったの」。

 このシーンをジェンダー平等を求める集会で紹介し、「男女平等になったら自分の権利が削られると誤解する男性もいる。そうではなく、男だからと押し付けられてきたことから解放されるということを広げたい」と発言しました。後日、婦人団体の幹部が「あの発言良かったわよ」。わが意を得たりです。 

 寅子のモデルの三淵嘉子判事が、米国の原爆投下を「国際法違反」とした最初の判決を下したことも知り、判決文を読みました。驚きました。 

 当時の政府は、原爆投下が国際法違反と言えない理由を「原子爆弾の使用は日本の降伏を早め、戦争を継続することによって生ずる交戦国双方の人命殺傷を防止する結果をもたらした」と述べているのです。なんと、米国政府の主張する原爆正当化論と同じ内容。原爆の被害を過小評価し、人類と共存できない非人道的兵器であるという立場もありません。米国の「核の傘」に依存し、核兵器禁止条約にも加わらない政府の立場の土台はここにあるのです。

 古い政治を変えなければ――毎日、そんな思いで見ています。(赤旗東海北陸信越版 24.7)

 

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