参議院のドイツ派遣4日目。朝、ベルリンを立ち、空路フランクフルトへ。空港から車で、ヘッセン州の州都ヴィースバーデンに行きました。町の中心部が世界遺産に登録されており、とても雰囲気のある町です。その中でもひときわ美しい建物が、州議会と聞いてびっくりです。
昼食は州議会のそばにあるレストラン。夜は居酒屋としてにぎわうとのこと。スペアリブを頼むと、こしょうのきいたソースがたっぷりかかった骨付き肉。美味でしたが、ボリュームがすごい。この数日、肉、肉、肉という感じです。
午後にはヘッセン州政府を訪ねて、ルチア・プットリッヒ連邦・欧州問題担当大臣と懇談。ここでも難民問題が話題の中心。同州でも毎日1000人の難民を受けて入れており、当面の住居の確保から言語教育や就労の問題など様々な課題と取り組みについてお話しがありました。
私は、「難民の受け入れを人道的に支持しているドイツ国民に敬意を表します。一方、難民の就労の多くが低賃金労働になれば、人権問題であり、ドイツ国民の賃金低下にもつながり、国民の支持が得られにくくなるのではないか」と質問。
大臣は、ドイツ語教育などの課題を挙げられるとともに「最低賃金制度は難民への適用を外せという声あったが、適用除外になっていない」とのお話しでした。
また、原発をなくし再生可能エネルギーに転換することについての質問に対し、大臣自身がかつて州環境大臣を務め、同州の原発を廃止させたことを紹介しつつ、「再生可能エネルギーへの転換については、電気価格の値上がり、発電施設や送電線の建設に対する地域住民の反対など様々な課題がある。しかし、原発事故をうけた脱原発の決断がなければ、再生可能エネルギーへの転換はこれほどまで進まなかった」と強調されました。
詩人のゲーテは、ヘッセン州のフランクフルトで生まれました。懇談行った会議室にはゲーテの胸像があり、「ゲーテの間」と呼ばれているとのこと。ドイツは街のいたるところに文化の歴史があるとともに、街中や建物の中に現代アートもたくさんあります。
フランクフルトに戻り、欧州中央銀行(ECB)を訪問。最近できたばかりのガラス張りで41階という建物。市内でもひときわ目を引きます。懇談したロスターニョ金融政策局長はイタリア人。リーマンショックによる経済危機への対応や、この間のユーロ圏の経済状況に対応したECBによる金融政策の推移など興味深いお話しを聞くことができました。
その後、神山在フランクフルト総領事の公邸にお邪魔し、現地情勢についてお話しを聞きながら夕食。20:45発の羽田便に乗り込み、約11時間半のフライトで帰国します。