27ヵ国訪問記

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中東見聞録

副首相、上下両院議長らと会談/小児病院視察

 朝からワーリ副首相、フェッキ人民議会外交委員長、スルール人民議会議長、ヘルミー・シューラ評議会議長(写真)らと相次いで会談しました。

与党の幹事長を長つとめているワーリ氏は、アメリカにイラク攻撃は実行されないのではないか、という見通しをイギリスのブレア首相の発言やアメリカ経済に悪影響を与えるなどの理由を挙げて表明。次に会談したフェッキ氏は、イラクは大量破壊兵器の国連による査察を受け入れるだろうが、それでもアメリカは攻撃をするだろうという見通しを示しまた。

 さらにスルール氏は、アメリカは湾岸戦争の時にフセインを追い出すことができたが、中東への駐留の口実にするためにそれをしなかったとのべ、アメリカの事情でフセインを残し、今アメリカの事情で追い出そうとしていると批判しました。

 三人三様の発言でしたが、共通しているのはイラク攻撃に反対であり、フセイン政権には問題があるが、大国が力で政権を変えるような悪しき前例を作ってはならないという点。攻撃が実行されれば、アラブでの反米感情を高め、テロの口実にもなるということものべられました。

 シューラ評議会というのは、上院にあたり、六年の任期で三年ごとの改選という点で参議院と似ています。ただし、この評議会は選挙で選ばれる議員とともに任命で選ばれる各界の識者も含まれています。

 会談の間にカイロ大学付属小児病院を視察しました。同病院は、エジプトでは唯一の小児科病院で、乳幼児死亡率の低下を掲げるエジプトで中心的役割を果たしており、全土からの患者であふれていました。日本はこの病院に対して無償資金協力とともにのべ専門家208人を派遣して技術協力をしてきました。

 乳幼児専用の集中治療室もあり、一ヶ月に60人以上の子どもの命が救われています。エジプトの皆さんからは「ニッポン病院」と呼ばれているそうです。シリアの消防車といい、こういう役に立つ援助にこそ力を集中すべきだと思いました。

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