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書評『検証 政治sカネ』  著・上脇博之

  「国民の怒りが政治を変える」 

 「しんぶん赤旗」日曜版のスクープと著者による刑事告発が国民の大きな怒りを広げ、岸田総理を退陣に追い込んだ自民党の裏金問題。 私もこの間、裏金問題で何度も質問に立ちましたが、著者が大変な努力で政治資金収支報告書を調べ上げ、その問題を鋭くついた告発文は論戦の大きな力となりました。 

 プロロークで、「本書を読み終えたときには、もう皆さんは『政治とカネ』問題の専門家です」としているように、本書は、政治家の収入源、政治資金がどう規制されているか、抜け道だらけの政治資金規正法と裏金作りの仕組み、金権政治を加速させた90年代の政治改革などを具体的に明らかにし、「誰にでもできる政治資金規正法のチェック方法」についても述べています。本質的であり、実践的です。

 憲法学者である著者は、2002年に「政治資金オンブズマン」の結成に参加して共同代表となり、以来「政治とカネ」の問題で100を超える政治告発をしてきました。私は、2007年に雑誌『前衛』で、「『政治とカネ』根源にいかにメスを入れるか」というタイトルで対談しました。その中で著者は、告発を続ける理由を「国会の場で問題にするだけでなく、市民が声を上げなくてはならないと考えているから」と述べています。先ほどのプロロ―グの言葉には市民への期待が込められています。

 岸田総理の後を決める自民党の総裁選挙は、「自民党は変わる」と言いながら、九人の候補者全員が裏金問題の再調査に背を向け、要である企業団体献金禁止には全く触れず、「裏金問題は幕引き」「金で動く政治は変わらない」と居直るものです。著者はエピローグで「裏金事件は、まだまだ終結させません」と「闘争宣言」され、「金権政治を根本的に変えるのは国民の怒りの継続」と強調されています。 

ぜひ、あなたもこの本を読んで、「『政治とカネ』問題の専門家」として、金で動く自民党政治を終わりにするために力をあわせましょう。(「京都民報」24.9.29)

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