・米兵の私有車両、いわゆるYナンバーの車庫証明の添付なし車両が、いまだに横行している問題を再度追及した
- 井上哲士君
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日本共産党の井上哲士です。
最初に、一年前にも取り上げましたアメリカ兵の私有車両、いわゆるYナンバー車の車庫証明について聞きます。
自動車登録に当たっては車庫法に基づいて車庫証明が添付が必要です。政府は一九九八年に米兵といっても法律適用の除外は認められないとして基地の内外を問わずYナンバー車の登録については車庫証明の添付がなければ認めない旨の通達を発出をしております。その後も法律に反する状況が見られまして、二〇〇四年の七月二十日の日米合同委員会で保管場所が基地の外にある車両については車庫証明を添付するということが日米間で合意をされております。
ところが、この合意が守られてないということを一年前にも指摘をいたしました。
まず、国土交通省にお聞きいたしますけれども、全国のYナンバー車の保有数、それから今年の一月から三月の間にYナンバー車の登録台数及びそのうち車庫証明が付いている台数について全国それから沖縄、それぞれ答弁いただきたいと思います。
- 国土交通省自動車交通局技術安全部長(内藤政彦君)
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お答えいたします。
まず、Yナンバー車両の保有車両数、アメリカ合衆国の軍隊の構成員若しくは軍属又はそれらの家族の私有車両でございますが、平成二十年度末現在十一都県で登録がなされ、その総数は五万五千九百九台でございます。
それから、本年一月から三月の登録申請時に保管場所証明書が添付されているYナンバー車両の台数でございますが、まず全国の方から、本年一月につきましては、総登録台数二千百五十台中二百四十六台、二月が総登録台数二千六十三台中二百三十三台、三月が総登録台数二千四百九十七台中三百三台でございます。また、沖縄県陸運事務所の管轄区域におきましては、本年一月が総登録台数一千四十台中五台、二月が総登録台数一千五十四台中四台、三月が総登録台数一千百九十九台中十台でございます。
- 井上哲士君
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全国で足しますと、六千七百十台のうち添付されているのが七百八十二台ということになります。
米兵の基地外居住というのは全国的に三割なのに、車庫証明は一割程度しかないというこの傾向は一年前とほぼ基本的に一緒ですね。しかも、沖縄の場合は、昨年は三千三十九台の登録に対して車庫証明添付はわずか四件でした。今回は三千二百九十三台の登録中十九台と、極めて少ないということもこれまた変わっておりません。
外務省にお聞きしますけれども、この一年前に質問した際に、この沖縄の少なさについては米側に事実関係を照会しているという答弁がありました。にもかかわらず、こういう変化が起きていないということはどういうことなのか。かつ、基地内の車の取扱いについては、二週間に一回協議することになっている日米合同委員会の特別分科会が二〇〇四年の八月以降開かれていないということも明らかになりましたけれども、その後、この協議がどう行われて進展しているのか、お答えください。
- 外務省北米局長(梅本和義君)
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平成十六年七月に、車両の保管場所が米軍施設・区域外にある場合について、米軍関係者が私有車両を登録する際、自動車保管場所証明書、いわゆる車庫証明書を取得することで日米間で合意をいたしました。
その際、車両の保管場所が施設・区域内にある場合の取扱いについては引き続き協議を行うことといたしましたが、日米間に意見の隔たりがあるというようなことから集中的な協議が困難となり、平成十六年八月三十一日以降、日米合同委員会合意の下での本件に関する特別分科委員会そのものは開催をされておらないということでございます。
他方、本件につきましては、昨年以降も様々な非公式の場において協議を行ってまいりました。さらに、特別分科委員会での正式な協議を再開すべく、合同委員会本体においても米側に対して申入れを行ってきております。
政府としては、関係法令に沿った対応が実現するよう引き続き米側との協議を行っていく考えでございます。
- 井上哲士君
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沖縄が極めて少ないという点について米側に事実関係を照会していると一年前に言われましたけれども、その後どうでしょうか。
- 外務省北米局長(梅本和義君)
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沖縄におきまして、登録台数全体に対して施設・区域外にある保管場所の登録件数が少ないという点については、こちらからの照会に対し、米側は、平成十六年の日米合同委員会合意に基づいて必要な登録を行っているというふうにしておりますけれども、政府としては米側に対し更なる事実関係の照会を行っているところでございます。
いずれにしても、外務省としては、関係省庁と連携の上、引き続き協議をし、この平成十六年の合意が確実に実施されるように対応していきたいというふうに考えております。
- 井上哲士君
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沖縄でも基地外居住が増えているということは去年も質問いたしましたけれども、にもかかわらず、三千台の登録がありながら十九台しか車庫証明が付いていない。どう考えてもおかしいんですね。
去年私が質問した直後に、この問題で沖縄県知事が記者会見をされておりまして、合同委員会で決めても余り実行されないような決め方をしているのかフォローしたいと、強烈に不公平感が募ると、ここまで言われているんですね。
当時の高村大臣も合意が守られているか疑問だと認められて、これが守られるように努力をしてまいりたいという答弁をされたにもかかわらず一年間何も変わっていないということでありますけれども、なぜこういう事態なのか、これでいいのか、外務大臣、いかがでしょうか。
- 外務大臣(中曽根弘文君)
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今御答弁、参考人の方からいたしましたように、政府としては米側に対して更なる事実関係の照会を行っているところでございますが、いずれにいたしましても、外務省としては、関係省庁とやはり連携をしながら引き続いて米側と協議をしていきたいと、そして平成十六年の日米合同委員会の合意が確実に実施されるように適切に対応していきたいと、そういうふうに思っています。
- 井上哲士君
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結局、一年間何も変わっていないわけです。基地外にあるにもかかわらず基地内にあるかのようにして登録しているとすれば、これはもう虚偽であるわけで、つまり日本の法律も、そして日米間の合意すら守られていないと、こういうことが起きている下で沖縄でのいろんな問題があるわけですね。
様々な重大な基地被害がもたらされてきたわけですが、その一つに環境の問題があります。危険物や有害物質の投棄、油の流出など、基地外で発生して分かる場合もあるわけですが、基地内で発生しますと外からなかなか分からないという実態があります。米軍から跡地が返還をされたと思ったら、土壌が汚染されて使い物にならないという事態も数々発生しておりまして、周辺の住民の健康被害の不安もありますし、仮に返還をされてもその処理を余儀なくされる、耐え難い被害です。
例えば平成八年に発覚した恩納通信所跡地の事件では、汚泥からPCB、カドミウム、鉛、砒素、これが検出をされ、基準値を超えるものも含まれておりました。
外務大臣にお聞きしますけれども、こうした過去の数々の事例を見ますと、日本には環境基準があるにもかかわらず米軍の駐留の下でそれがないがしろにされて、我が国、特に沖縄の環境が汚染をされてきたということでありますが、このことについての大臣の率直な所見をお聞きしたいと思います。
- 外務副大臣(伊藤信太郎君)
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環境保全の対応については、在日米軍は、我が国の国内法上の基準と米国の国内法上の基準のうちより厳格なものを選択するとの基本的な考え方の下に、環境管理基準、いわゆるJEGSを作成いたしまして、これに基づき厳格な環境管理行動を取っているとは承知しております。
また、二〇〇〇年九月に開催された2プラス2の機会に発表された環境原則に関する共同発表において、「米国政府は、在日米軍を原因とし、人の健康への明らかになっている、差し迫った、実質的脅威となる汚染については、いかなるものでも浄化に直ちに取り組むとの政策を再確認する。」こと等を確認しております。これは当然のことながら、米軍はこうした方針に基づき環境汚染を招かぬような行動を行っていると承知しています。
そうした中で、委員御指摘のいろいろな事件、油漏れ等の事案が生じた場合には、それは誠に遺憾なことであると考えておりまして、そのような際には必要に応じて政府として施設・区域への立入調査を行うとともに、原因究明、再発防止を強く申し入れてきております。
いずれにいたしましても、環境汚染はあってはならないことでございますので、政府としては引き続き、日米合同委員会の下に設置された環境分科委員会の場で環境汚染を招かぬようにアメリカ側にしっかり要請し、また協議を続けていく考えでございます。
- 井上哲士君
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在日米国海兵隊のホームページを見ますと、ジルマー司令官の名前と写真入りで環境方針という文書が載っております。その中に、今言われた、日本環境管理基準を遵守しますというふうに確かに書かれているんです。
ところが、実際はどうなっているか。先日、委員会で沖縄に行った際も、宜野湾市からいただいた資料にも載っておりますけれども、つい先日、今月の初めにアスベストが捨てられていたという事件すら起きているわけですね。つまり、幾らこういう基準を持っていても、こんなアスベストを使って投棄をしているということになると、こんな内規があっても環境を守るということは難しいということになるんじゃないでしょうか。いかがでしょうか。
- 外務省北米局長(梅本和義君)
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アスベストについては報道等で承知をしているわけでございますが、現在、米側に対して情報収集を行っているところでございます。引き続き、米側、関係省庁と連携しつつ、適切に対応していきたいというふうに考えております。
- 井上哲士君
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そういう中で幾つも事件が起きているんです。しかも、基地内の有害物質漏れなどの汚染が明るみに出るというのは、基本的にはアメリカ軍が公表したものだけなわけですね。
まず聞きますけれども、日米合同委員会では、この基地の中の汚染事故についての公表のルールはどのように定めているでしょうか。
- 外務省北米局長(梅本和義君)
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平成九年三月の日米合同委員会の合意では、公共の安全又は環境に影響を及ぼす可能性がある事件、事故が発生した場合、米側は事件、事故発生情報を得た後、できる限り速やかに日本側、東京では外務省、現地では防衛局に通報することになっております。
また、米側から通報のあった事案につきましては、関係省庁との間で情報共有を行うとともに、防衛局から県及び関係市町村に対して情報提供を行うということになっております。
今後とも、公共の安全又は環境に影響を及ぼす可能性がある事件、事故が発生した場合には、ただいまの合意に基づきまして適切に対処していきたいというふうに考えております。
- 井上哲士君
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つまり、これを公表するかどうかという判断は米側がすると、こういうことでよろしいですか。
- 外務省北米局長(梅本和義君)
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まさに、この施設区域内で公共の安全又は環境に影響を及ぼす可能性がある事件、事故が発生した場合というのは、通常米側が先にそれを知ることとなるわけでございますので、一義的には米側が判断をして私どもに通報してくるということになっております。
- 井上哲士君
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ですから、結局、公表の基準というのはアメリカの判断次第だということなんです。その下でどうなっているのかと。
普天間基地に関してお聞きしますけれども、一九九九年以降、普天間基地で発生した汚染物質の漏出事故、アメリカ軍から外務省及び自治体への通報ベースでは何件あるでしょうか。
- 外務省北米局長(梅本和義君)
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外務省として承知をしておりますのは、この平成九年三月の合同委員会の合意以降、普天間飛行場における燃料漏出に関係する事案として、平成十四年四月十七日に発生した燃料タンク落下事案、同年七月二十六日に発生した燃料漏出事案及び本年三月三日に発生した燃料漏出事案の三件を承知をしているところでございます。
- 井上哲士君
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岩波の専門誌の「環境と公害」という本の二〇〇八年の冬号に、大妻女子大の林先生という方の論文が掲載されております。
この中で、米軍に情報公開請求を掛けた結果、普天間基地の汚染物質の漏出事故の実績が記述されておりますけれども、そこで出ているだけでも九九年から二〇〇六年までに十八件発生しているんですね。ところが、今ありましたように、外務省には今三件しか来ておりません。宜野湾市に聞きますと、一件も通報はないという話なんですよ。同じようなことが横田基地でも起きているということを国会でも取り上げておりますが、つまりアメリカが判断をするということですから、これは必要ないといえば通報していないわけです。
つまり、現状では日本が知り得ない事故がたくさんあるということになっているわけで、私はこれは放置すべきでないと思いますけれども、大臣、いかがでしょうか。
- 外務大臣(中曽根弘文君)
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今の委員が御説明になられました九九年から二〇〇六年までですか、私どももこの報道については、報道といいますか、これについては承知しております。多少件数が違うところがございますけれども。
米側から日本側へのこの通報につきましては、実質的な汚染が生ずる相当な蓋然性がある危険物、それから有害物の流出、漏出等が発生した場合には、平成九年三月の日米合同委員会の合意に従いまして、この事故の発生情報を得た後できる限り速やかに日本側に通報されると、そういうことになっているわけでありますが、この報道の件につきましては、今現在、念のため米側に確認をしておるところでございますが、この合意に基づく通報の対象となる事件それから事故に該当しない事案であったことから日本側に通報がなかったものと、そういうふうに認識をしておるところでございます。
- 井上哲士君
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つまり、住民に対して明らかにするという姿勢に欠けているし、そしてこの下で原因の究明であるとか再発という姿勢がどうなのかということが問われているわけですね。そもそも通報がないと。しかも、通報があっても国や自治体の立入調査は厳しく制限をされております。
これも、先日の委員会の派遣の際に県議会からの要望書にもありましたし宜野湾市からの要望からもあったわけですが、今年の三月に普天間基地で燃料漏れ事故が発生をして、三月の十三日に国と県と市が立入調査をしております。ところが、その際にアメリカ側は、写真撮影も禁止、それから土壌のサンプル採取も認めなかったわけですね。
日本の国土の中で起きている、そういう事故があって、それを当然、自治体や国が調査に行ったときに写真撮影も認めない、土壌のサンプル採取も認めないと、これは私は、なぜこんなことが認められるのかと思いますけれども、どこの国の話かということになりますが、大臣、いかがですか。
- 外務副大臣(伊藤信太郎君)
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今議員御指摘のように、三月三日、普天間飛行場において燃料が流出した事案については、米側から通報があったのに対して、外務省から翌四日、遺憾の意を表明し、原因の究明及び再発防止の徹底の申入れをいたしました。
そして、本件については、三月十二日に普天間飛行場内の油漏れ現場において、沖縄県及び沖縄防衛局が現場を確認するために米軍が事故概要、今後の処理等について説明を行ったと承知しております。
今委員がおっしゃられた詳細について、私も今初めてお聞きしましたけれども、今後とも、それも踏まえて米軍施設・区域における環境保全について米側としっかり協議してまいりたいと考えております。
- 井上哲士君
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そもそも、この地位協定上、例えば米軍基地が返還された場合に、原状回復をするという義務がアメリカにはもうないわけですね。その下で、これまでにもこの返還後に発覚した汚染というのは大きな問題になってきました。
先ほどの恩納通信所のこともありますし、それから、二〇〇二年、北谷町の米軍基地の跡地から、工事中に地中からタール状の物質の入ったドラム缶が実に二百十五本発見をされて大問題になったわけですね。漏れ出した油は二万三千六百グラム、日本政府により約八千四百万円が支払われて処理をしました。
それから、〇三年に返還されたキャンプ桑江の北側地区の土壌からは環境基準の二十倍もの鉛を始め、砒素や六価クロム、PCBが検出をされています。
これによって非常に跡地利用が妨げられましたし、これからの基地返還後も重大な困難が予想されるわけですね。これは通常の使用で汚れたものじゃないんですよ。地中にドラム缶を二百本以上も埋めるなんというのは明らかに違法な処理をしているわけですね。これは、どう考えても原状回復の義務がないからといって責任を免れるものではないと思うんですね。
こういうのはちゃんと米側に責任を持って原状回復をせよと迫るべきだと思いますが、いかがでしょうか。
- 外務省北米局長(梅本和義君)
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日米地位協定第四条は、米側に日本に施設・区域を返還するに当たり当該施設・区域を提供されたときの状態に回復し、又はその回復の代わりに日本に対し補償する義務を負わない旨規定をしております。同時に、米側は、二〇〇〇年九月に発表された環境原則に関する共同発表におきまして、在日米軍を原因とし、人の健康への明らかになっている差し迫った実質的脅威となる汚染についてはいかなるものでも浄化に直ちに取り組むという政策を再確認をしているところでございます。
施設・区域として提供された土地が返還された後の原状回復については、国と土地所有者との方の契約において国の責任を明確にしておりまして、土地の引渡しの際に所有者からの原状回復の請求があれば、これに要する費用の補償等の措置を国がとっているところでございます。
- 井上哲士君
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その差し迫った問題というのも、これはまた結局米軍の判断になるわけですね。しかも、これまで長い使用の間に、先ほど述べたようなドラム缶が地中に埋められているとかいうようなことがあります。これは基地内で働いている従業員の方の証言などもたくさんあるわけですね。
ですから、こういう過去のいろんな問題も含めてきちっと処理をするということが必要でありますし、そのためには、一体どうなっているのか、現状がということをつかむということが非常に大事だと思うんですね。このままで行きますと、嘉手納以南の返還ということも言われておりますけれども、返還後に汚染が見付かって、この基地利用ビジョンとか今日も議論になっていますけど、それこそ絵にかいたもちになりかねないということになるわけですね。
ですから、返還の前に基地内に立入りして検査をする、そして基地の土地の利用とか汚染物質の処理状況などがどういうふうになっているか、そういう汚染履歴をしっかりつかんで、さらには基地従業員とか周辺住民からも聞き取り調査をして、どうなっているかということを早い段階から解明をする必要があると思います。
そういう返還前の立入調査、それに基づく対策を行うという点で、これは是非大臣、リーダーシップを発揮していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
- 外務大臣(中曽根弘文君)
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二〇〇〇年の九月に日米両国で発表いたしました環境原則に関する共同発表におきまして、環境問題に関して在日米軍の施設とか区域への適切なアクセスの提供等についても合意がされているわけでありまして、今後とも、日米合同委員会の合意に基づく手続に従って、必要に応じて米軍の施設それから区域内への立入りなどについて米側と協議をしていきたいと思います。
- 井上哲士君
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最初のYナンバーでも申し上げましたように、合意をしても守られていないという実態がたくさんある中で様々な問題が起きているわけでありますから、強い態度でこの問題の解決に迫っていただきたいと思います。以上、終わります。■2009年4月21日
外交防衛委員会<イラクやアフガンに派遣されている米海兵隊が、グァムに戻る際の住居まで日本が負担することをただした。>
- 井上哲士君
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日本共産党の井上哲士です。
海兵隊のグアム移転によって大幅に沖縄の負担軽減になると強調されてきました。しかし、減るのは実数ではなくて、定員が八千人減って一万人になるだけだと。沖縄には一万三千人前後しか海兵隊いませんから、移転する実数は二、三千にとどまるという可能性があります。
そこで、まず外務大臣にお聞きしますが、米兵による犯罪などの沖縄県民の負担と苦しみというものは実数が減らないと解消できないんじゃないでしょうか。定数が減っただけで解消できるとお考えでしょうか。
- 外務大臣(中曽根弘文君)
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海兵隊のグアム移転によりまして、これが実現することによりまして定員数が一万八千人から一万人へと削減されるわけでありますけど、この定員数は、海兵隊の部隊の配置とかあるいは活動の基礎となる数字でありまして、今後の実数の削減においても極めて大きな意味を持つものと考えております。
また、人口の密集地に多く存在をしております嘉手納飛行場以南にあります五つの施設それから区域、先ほどからお話ありますけど、八百九十五ヘクタールのこれの全面返還及びキャンプ瑞慶覧の部分返還が実現することにこれでなるわけでございますが、このような返還の実現は、これはもう一九七二年の沖縄返還以降最大規模のものでございまして、これは沖縄の経済振興にとって大きな機会を提供することだと考えておるところでございます。
私、一月の三十一日から二月の一日まで沖縄県を訪問しまして、米軍関係者による事件とか事故とかあるいは騒音、こういう問題を含めまして沖縄県民の皆さんの負担というものを私自身改めて実感をしたわけでありますが、そのときに、ジルマー米四軍調整官に、事件、事故の再発防止を含めて、沖縄県民の皆さんが安心して暮らせるように申入れを行いました。
その上で、沖縄全体の負担を大きく軽減するためには、普天間飛行場の移設・返還、それから在沖縄海兵隊のグアム移転や、さらには嘉手納飛行場以南の施設・区域の土地の返還などの米軍再編を是非とも実現しなければならないと、そういう思いを強くしたところでございます。
- 井上哲士君
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定数は実数が減る基礎になるということでありますから、まさに実数が減ってこそ負担軽減につながるわけですね。
ところが、実数は八千人も減らないじゃないかということは我々はしばしば指摘してきましたけれども、政府は答弁では認めるようになりました。しかし、今なお国民には実数が八千人減ると思わせるような言い方、宣伝がされております。
昨日、沖縄に調査行きましたけれども、一番このことで関心を持っている宜野湾の市長さんですら、今回の国会審議を通じて明らかになったように、実際には何名がグアムに移るのか分からないということでは沖縄の基地負担軽減に結び付くとは思えなくなりましたと、こういうことを言っていらっしゃるわけですね。なぜ、減るのは定員なんだと正確にかつ正直に言われないんでしょうか。
- 外務省北米局長(梅本和義君)
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政府は、二〇〇六年五月に合意したロードマップに至る協議の中において米側からは、沖縄に駐留する海兵隊の要員については常に変動する実員ではなく機構上の定員であると説明を受けております。この点は、累次の国会答弁においても政府として明確にしてきております。
- 井上哲士君
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国会では言っても、国民向けには実数が減るような言い方をしてきているから、多くの沖縄県民もそう思っているんですよ。ですから、やっぱり巨額の負担を納得させるためにあえて誤解を招く言い方を意図的にしてきたんではないかということを言われても仕方がないと思います。
じゃ、定数の意味についてお聞きします。
今日も若干議論がありましたが、この新たな定員一万人というのは今後沖縄に駐留する海兵隊員の上限だと、これより一人でも多くならないということで確認できますか。
- 外務省北米局長(梅本和義君)
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これも先ほど来御答弁を申し上げておりますけれども、海兵隊の定員というのは、このグアムにほぼ恒常的に駐留するであろうプレゼンスの言わば基礎となるものでございます。したがって、全体の状況が平準化すれば定員が充足され、ほぼこの数と近い実数になるであろうということが予想されるわけでございます。
それでは、在日米軍あるいは在沖海兵隊につきまして、安保条約の目的達成との関係で部隊の運用等日々変動しているわけでございます。こういう変動の中で一万人を一人たりとも瞬間的に超えることがないのかといえば、それはそういうことは十分あり得るのではないかと思います。
- 井上哲士君
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つまり、定数があってもそれを上回る駐留もあるということでありますが、じゃ、定数は変わらないのかと。そもそも駐留米軍の定数について日本はアメリカ側から日常的に報告を受けているんでしょうか。
- 外務省北米局長(梅本和義君)
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在沖縄海兵隊を含む在日米軍は、安保条約及び地位協定に基づきまして我が国及び極東の平和と安全の維持という目的を達成するために日本に駐留しているわけでございます。実員につきましては、我が国を含む全世界に展開する米軍の軍種別人数という形で一定期間ごとに対外的に公表されているわけでございます。日本における定員について、合同委員会等の場を通じて日本政府が恒常的に報告を受ける仕組みというのがあるのかといえば、それはございません。
しかしながら、このロードマップに係る協議の過程で、沖縄に駐留する米海兵隊の定員数につきましては米側から約一万八千であるという説明があり、本件グアム移転が実現した後の在沖縄海兵隊の定員数は約一万人になるということを確認をしているところでございます。
- 井上哲士君
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恒常的に報告を受ける仕組みはないけれども、今回のロードマップの議論の中では数が出されたということでありますが、じゃ今後、アメリカ側が駐留米軍の定数を増やすという場合に日本に対しての合意というものが必要なんでしょうか。
- 外務省北米局長(梅本和義君)
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在沖縄海兵隊を含む在日米軍は、安保条約及び地位協定に基づきまして我が国及び極東の平和と安全の維持のために日本に駐留をしておりますけれども、その在日米軍の定員数を何人とするというようなことについては、そもそも日米間で合意をするということにはなっておりません。したがって、在日米軍の定員を変更するに当たっても、これは基本的に我が国の同意は必要とされないわけであります。
しかし、現実には、在日米軍の運用については日常からいろんな意見交換が行われております。したがって、そこにおいて、大きな部隊が変更する、そういうようなことについてはいろいろ連絡を受けるということになっております。
- 井上哲士君
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同意は必要ないということであります。
そして、今、日米間で様々、騒音防止協定などを結んでいても守っていないという実態があるわけですね。今後、そういうことで相談があると言われても、これは、はいそうですかと言うわけにいかないわけであります。つまり、安保条約、地位協定において、これについて日本が合意したり協議をするという仕組みはないと。
じゃ、今回のこの協定の条文の中に八千人定数を削減して一万人にするというふうに書き込んだらいいんじゃないですか。なぜそれができないんでしょうか。
- 外務省北米局長(梅本和義君)
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これも累次御説明しておりますとおりに、今次協定は、ロードマップの実施ということをこれから日米両政府は進めていくわけでございます。そのロードマップの実施の中の一つの案件でありますグアム移転事業がある。そのグアム移転事業につきまして、そのまた真水事業について、主としてその資金の移転に係る部分について権利義務を定めたというのが今次協定でございます。
- 井上哲士君
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つまり、条約上の削減の縛りを掛けたということには全くならないわけですね。ですから、実数も定数を上回る場合がある、今後定数を増やす場合にも日本の合意は条約上必要ない、そして今回の協定でも削減をして一万人にするという縛りは何もないと、これが実態なわけですね。
元々アメリカは自分の戦略的判断で軍の配置を決めてきたわけで、日本が定数を変えるとかいうことを拒否する仕組みもないわけです。結局、だから沖縄の海兵隊員の実数にしろ定数にしろアメリカの自由なわけでありまして、その下で日本は八千人の移転分の財政負担をさせられるということだけなんじゃないですか。いかがですか。
- 外務省北米局長(梅本和義君)
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一万八千人の定員を一万人にする、八千人の定員の海兵隊を沖縄からグアムに移転するということは、ロードマップの中で明確に合意をされているわけでございます。
このロードマップについては、2プラス2の外務大臣、防衛大臣、国務長官、国防長官で合意をされ、さらに、その後の累次の首脳会談においても、これは日米両首脳がこのロードマップに従って米軍再編を進めるということを確認しているわけでございますので、両国政府としてこれを、一万八千人を一万人の定員にしていくということについては明確にこれを進めていくという意思が両方で確認をされているということでございます。
- 井上哲士君
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ですから、条約上も、そして今回の協定からいっても、はっきりしているのは日本が八千人分の移転の財政負担をさせられるということだけなんですよ。
さらに、じゃ聞きますが、衆議院の答弁で、家族住宅も最大で三百戸として日米間で協議中だと、米側の見積もった戸数を前提に交渉しているわけではないというふうにされました。そうしますと、沖縄の負担軽減ということでやっているわけですが、日本側が負担する隊舎や家族宿舎の建設戸数は沖縄から移動した海兵隊員の実数の範囲内になるんでしょうか。
- 防衛副大臣(北村誠吾君)
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お答えします。
日本の分担で整備することになっている隊舎及び家族住宅の棟数や戸数といった所要数につきましては、現時点では結論が出ているわけではございません。引き続き日米間で協議を行っておるところでございます。
その所要数の算定に当たりましては、日本の分担する事業は在沖米海兵隊の沖縄からグアムへの移転に伴う所要の増大に対応するものとの考え方に基づきまして、基本的には、定員数としての八千名の海兵隊員の移転を前提としつつ、今後日米間の協議等を通じ具体化をしていくというものでございます。
いずれにいたしましても、これらの所要数や整備に必要な経費につきましては、引き続き日米間で協議を行い、日本政府としてしかるべく精査をいたしました上で予算を計上し、国会での御審議を賜るということと考えておるところであります。
- 井上哲士君
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実数は二、三千しか減らなくても八千人の定員が減るという前提でその所要を考えるということでありますが、そうしますと、現在は例えばイラクやアフガニスタンに展開しているけれども定数としては沖縄の枠内だと、こういう部隊がグアムに移転する際の隊舎や宿舎まで日本が負担をすると、そういうことでいいんですか。
- 防衛省防衛政策局長(高見澤將林君)
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お答えいたします。
これは衆議院でも議論があったところだというふうに思いますけれども、今回の隊舎、家族住宅の検討の前提というのは、基本的には定員の枠組みというものの変更に伴ってグアムへの所要が増大すると、それに対応するものを整備するという、そういう考え方でやっているところでございます。
- 井上哲士君
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ちゃんと質問に答えていただきたいんですが、要するに、現在イラクやアフガニスタンにいるけれども、定数としては沖縄の部隊というものがグアムに移転した場合も隊舎、宿舎を整備するということでいいんですか。
- 防衛省防衛政策局長(高見澤將林君)
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ですから、基本的にグアムへの移転というのは定員の枠組みで考えておりますので、実際に現在、沖縄のまさに定員の中でどういったところにいるかというときに、すべての沖縄の海兵隊の定員の枠組みで常に沖縄に所在しているわけではございませんので、そういうことを前提にして今回の議論も行われているということでございます。
- 井上哲士君
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沖縄の定数が充足していないのはアフガニスタンやイラクに展開しているからという答弁をさんざんされているわけですね。これはとんでもない話だと思うんですね。
イラクやアフガニスタンにいる部隊、定数だけは沖縄にあるかもしれませんけれども、アメリカの都合で戦争をしに出ていっているわけですよ。言わば日本の国外に出ていった部隊なんですね。なぜこういう部隊が、アメリカの部隊が任務を終えてアメリカの自分の国の基地に帰るというその際の隊舎や宿舎まで日本がどうして負担しなくちゃならないのかと。海外に出ている部隊は現に沖縄の県民の負担になっているわけじゃないんですよ。なぜその分の負担をしなくちゃいけないんですか。
- 防衛省防衛政策局長(高見澤將林君)
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お答えいたします。
米軍の運用にかかわることになりますけれども、基本的には、もしこういった定員の枠組みの変更というものがなければそれは沖縄に帰ってくるということになるかと思いますので、まさにそういう定員の変更というものがあって具体的な部隊なり装備の運用というものが変わっていくと。それを、グアムに移転をするということで沖縄の負担の軽減を図ろうというのがそもそもの考え方でございます。
- 井上哲士君
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そんないいかげんな答弁しちゃ駄目ですよ。
梅本局長は衆議院での答弁で、仮に定員が充足されていないものがあっても、それは根っこが沖縄からグアムに移りますので、将来、定員が充足されるような事態になってもそれは沖縄には来ないと、それはグアムに行くんだということでございますとはっきり言っているわけですよ。沖縄には来ないんですよ、帰ってこないんですよ。なぜその分の負担までしなくちゃいけないのかということです。
- 外務省北米局長(梅本和義君)
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今の定員が一万八千人ということでございます。それについては定員が必ずしも充足されていないということで、実数がそれより大分乖離をしているというのが現状でございます。
しかし、その一万八千人の定員がいるということで沖縄にはそれに必要な施設というものがあるわけでございまして、これはその定員がいずれ平準化して充足されるようになればまたその施設を本来は使用するということで、一万八千の定員の部隊がそこにいることになるわけでございます。この一万八千のうちの八千の定員の部分をグアムに移すということでございますので、今度そういう状態であれば、仮に定員がまた充足されるようなことになれば、それは沖縄において充足されるのではなくてグアムの方において充足をされることになりますので、グアムにそれだけの設備というものが必要になってくるということで、ただいま防衛省の方から御答弁をしているように、そちらの方の施設整備が必要になるということでございます。
- 井上哲士君
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それはアメリカの国土でアメリカ軍によって必要になるわけですから、アメリカが造ったらいいんですよ。なぜ日本が負担しなくちゃいけないということを問題にしているんです。
そもそも外国の領土にある外国の基地に日本政府が負担をすること自身が前代未聞ですけれども、政府はどういう説明したかといえば、これは負担軽減のために日本側が要望したものだということが一つですね。
それから、これ、防衛省が平成十九年二月に出した在沖米海兵隊のグアム移転についてという説明文書ですと、在日米軍が日本国内で部隊を移転する場合、施設整備の費用は基本的に日本が負担しますと、今回は海外に移転しますが、海兵隊の任務には依然として我が国の防衛が入っています、したがって、移転先が日本国内でないから負担はしなくていいということにはならないと考えますと、こういうふうに言っているんですね。つまり、日本防衛の任務を持っているから払うんだというのが大きな理由の一つなわけですね。
しかし、中東で戦争をしている部隊に日本防衛の実態などないんですよ。ですから、政府が説明をしてきたことからいっても、このイラクやアフガンの作戦に従事しているアメリカの部隊がアメリカの基地に移転をするための費用を日本も負担などは、必要は私はないと思いますが、これ大臣、答えてください。外務大臣、いかがですか。
- 外務大臣(中曽根弘文君)
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各地で活動をしているこの米軍の部隊がそこで固定されているわけじゃなくて、またいろいろな状況の変化によって、この日本を中心として、あるいはこのアジアを中心としてこの米軍が活動をしているわけですから、行ったり来たりしたり戻ったりするわけでありまして、そういう意味では、イラクに行ってきたから、この部隊はもうイラク専門だから、この沖縄なりあるいはグアムなり、我が国が造った施設に入っちゃいけないと、そういうことには私はならないと思うんですね。やっぱりその状況によって出動する場所とか人数が違いますし、これは地域全体の安全保障のための米軍でございますから、そういう意味で私は支障ないと、そういうふうに思います。
- 井上哲士君
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ですから、地域全体の安全保障の米軍が自分の国に戻るときの基地の負担を日本がする必要がないんじゃないかということを言っているんです。
政府の説明は、沖縄県民の負担になっているということ、そして日本の防衛の実態があるということなわけですね。じゃ、現に今、イラクやアフガン作戦に従事をしているアメリカの海兵隊が日本の防衛の任務持っているんですか。
- 外務大臣(中曽根弘文君)
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今はイラクやあるいはあの周辺地域で活動しているということかもしれませんが、任務によってはまた違う地域、あるいは日本の近くで活動するということもあり得るわけでありますから、先ほど御答弁もそういう意味で、私は沖縄なりあるいはグアムなり、そういうところへ行ってきた部隊がまたそういうところへ入っても問題はないんではないかということを申し上げているんです。
- 井上哲士君
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先ほど申し上げましたように、そういう部隊は将来定員が充足されるようになっても沖縄には来ないんだ、グアムに行くんだということを梅本局長も言われているわけです。政府は沖縄の海兵隊が日本防衛の任務を持っていると言いますけれども、イラク戦争を見ても明らかですが、敵地の制圧に真っ先に乗り込むのが海兵隊の役割なわけですね。沖縄は、アメリカが世界のあちこちで戦争をするための出入り自由の出撃基地として使われて、これを政府許してきたというのが実際のところでありまして、それを日本の防衛などと口実を付けてイラクやアフガンの戦争に行った部隊がアメリカ本国の基地に戻るための経費を日本が負担するいわれはないと、これは許されないということを改めて強調したいと思います。
最後、防衛大臣にお聞きしますが、ロードマップを承認した直後に当時の額賀長官は日本の負担額について、これからきちっと積算していくと、我々もコストダウンを図る、合理化を図る、効率化を図る中で、更に予算をできるだけ少なめにしなくてはならないと述べて、詳細については今後更に積み上げて、きっちりと精査をした上で説明をするというふうに述べておりましたが、それから三年たったわけですが、金額は変わっておりません。
今年度予算で真水負担の一部が初めて計上されたわけですが、この部分について、当初計画より、かつて額賀長官が言われたように、どういう合理化、効率化による経費の削減ができたんでしょうか。
- 防衛大臣(浜田靖一君)
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我々としましては、我が国が二十八億ドルを上限に真水による負担行為を行うこととしておりますけれども、政府としては国民の皆様の御理解を得るべく、我が国の真水による負担額について各年度ごとに精査の上、最も効率的な形で所要額を計上し、国会の審議を賜りたいと考えておるところでございます。
この考えに立って、政府としては平成二十一年度予算に計上された真水経費については、米側の提示した経費見積りを基に日米間でより効率的なものとすべく協議を行い、我が国として精査することにより、例えばグアム島などでの過去の米軍建設事業におけるより安価な実績単価を使用するなどの工夫によって効率化を図ることができたと考えております。
なお、協定においては、我が国が提供した真水資金について事業の執行過程で生ずる未使用残高、すなわち効率化分は原則として日本政府に返還される旨規定されており、政府としては事業の執行過程においてもより一層の効率化が図られるよう、適切に対処してまいりたいと思っているところであります。
- 井上哲士君
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今回の真水負担の中にあるアンダーセン基地やアプラ港の基盤整備事業というのは当初の計画からは読めないんですね。日本が仮に節減をしても、その分、上限二十八億ドルの中で新たな事業が加わっているんではないかというようなことも思うわけですね。
どういう積算が最初に行われていたのかということが示されないと、どういう経費節減がされたのかも、そして、もしかしたら新たな事業が加わったのかということすら国会としては判断できないわけですから、これは何も分からない、審議できないと。やはり全体の積算の根拠をまず示していただいて、その上で年ごとにどういう合理化努力が行われたのか、こういうことが当然議論をされるべきだと思います。全体の積算を示していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
- 防衛省防衛政策局長(高見澤將林君)
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お答えいたします。
我が国が負担する真水事業の対象ということにつきましては、司令部庁舎、教場、隊舎及び学校等生活関連施設を前提とするという考え方に立ってこれをやっております。具体的には、精査をしながら各年度ごとに事業を見積もって国会の予算の形で御承認をいただくということでやっておりますので、そういう全体の考え方に立って年度、年度で十分に御説明をしていきたいというふうに考えております。
- 井上哲士君
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年度ごとの説明では十分でないので、二十八億ドル全体についてしっかりした積算を示していただきたいと改めて求めまして、質問を終わります。