・2012年度予算案の議決が衆院参院で異なった時に設置される両院協議会の委員として「否決した参院の議決こそ国民の声。衆院はこれを重く受け止めよ」と主張しました。
- 井上哲士君
日本共産党の井上哲士です。
二〇一二年度予算外二件に反対した理由を申し述べます。
第一は、消費税を大増税し、社会保障を切り捨てる一体改革に踏み出す予算だからであります。
既に四月から介護保険料と後期高齢者医療制度の保険料は大幅に引き上げられ、年金支給額は過去最大の削減となります。社会保障の削減と消費税増税は、国民の購買力の低下による深刻な経済への打撃と、それによる財政の一層の悪化をもたらすだけであります。
二つ目は、国民生活を支え、日本経済を立て直す予算になっていないという問題です。外需依存の成長戦略や大企業の利益優先の経済政策は破綻しており、その転換こそ求められております。
三つ目は、沖縄に米軍の辺野古基地をあくまでも押しつけて、グアムへの米軍基地建設経費の巨額の負担を続けようとするものだからであります。
四つ目は、福島原発事故から一年たった今も、事故の収束も、賠償も、除染も進んでいないにもかかわらず、事故究明もないままに原発を再稼働し、原発推進の予算も継続するものだからであります。
衆議院側から、ベストの予算だという説明がありました。どの世論調査を見ても、震災復興と原発事故についての野田政権の対応を評価しないというのが圧倒的多数でありまして、とてもベストと言えるものではありません。
強調しておきたいのは、衆議院で賛成多数で可決されて参議院に送付されて以降の国民世論の変化であります。
各紙の世論調査は、二月から三月にかけて軒並み消費税増税反対の回答がふえて、いずれも過半数が反対となりました。原発の再稼働についても、ある全国紙の調査では、二月は反対四三%だったのが、三月は五五%へと急増いたしました。衆議院では与党が数を頼んで予算案を可決しましたが、その後の参議院での予算審議を通じて、どの問題でも国民の反対の声が強くなり、過半数となっております。
このことを見ても、参議院の予算案否決の議決こそが民意を示しておりまして、衆議院の皆さんには、ぜひ、この議決に示された国民の声を重く受けとめていただきたいと思います。
以上です。