・ネット選挙解禁法案の質問。選挙の自由を保障するためのネット解禁は大きな前進としたうえで、ビラ配布などネット以外の選挙活動を規制した公選法全体の見直しを呼びかけた。
- 井上哲士君
日本共産党の井上哲士です。
国民の基本的人権である選挙権や参政権の行使に当たって、自由な選挙活動が保障されることは極めて重要でありますし、今回、ウエブやメールを選挙で利用できるということは大変大きな前進だと思っております。
一方、先ほどもありましたように、ネット選挙運動の解禁に伴って、ネット以外の選挙活動が様々制限をされていると、こことの矛盾が広がっていくわけですね。公選法全体の選挙運動規制を見直す必要があろうかと思いますが、まずお答えいただきたいと思います。
- 衆議院議員(平井たくや君)
委員御指摘のとおりで、やっぱり時代の変化に合わせて公選法も見直さないと、私も今回のこの改正案を作るに当たって公選法を勉強させていただきましたが、今読んでも余り理解し難いところが結構あります。
そういうものはやっぱりいずれ見直していかなきゃいけないと思いますが、今回は、参議院選挙までにネットが使えるようにすることが一つの大きな世論でもあり時代の要請だということを鑑みまして、ネットに関して法改正でできることを今回取りまとめさせていただいたという経緯でございます。
- 井上哲士君
是非、公選法全体についても速やかな御協議を各党に呼びかけておきたいと思います。
その上で、具体的な点について幾つかお聞きするんですが、名簿を業者から買って政治活動用のメルマガを送り続けてきた、特段相手からのクレームもなかったという場合であっても、この選挙メールの送付の承諾先に転用するということは、これはできないということだと思うんですが、そういうことでよろしいでしょうか。
- 衆議院議員(遠山清彦君)
井上委員にお答えをいたします。
まず、大原則のお話なんですが、私ども法案提出者といたしましては、本改正案で、選挙運動用電子メールの送信に関しては、まず大原則として、その選挙運動用メールを受信したい方々が自らメールアドレスを通知をしたという要件を課しておりまして、この趣旨は、私ども政治家あるいは候補者が業者から名簿を購入してそこに記載された電子メールアドレスに対して同意なく選挙運動用電子メールを送信することは禁止をしたいと。それはもう迷惑になりますからね、はっきり言って、という意味を込めておりました。
御指摘のようなケース、つまり業者から名簿を買ってその方々にまずメルマガだろうが選挙運動用メールを送るということは、自ら通知したわけではないですね、その名簿に載っている方々が。ということでございますので、仮に先生の御想定のように、その方々に政治活動用メルマガを送ってきた、よって選挙期間中に選挙運動用メールを送っていいかどうかというと、私ども提案者としては、それはできないですねというふうに思っております。
これはそもそも論になりますが、政治団体というのは、もちろん先生御存じのとおり、個人情報保護法の適用除外対象になっているわけでございますけれども、そもそも本人に無断で名簿の個人情報を買ってまた同意なく使用するということは個人情報保護法の精神に反しているわけでございますので、これは政治家としてやはりやってはいけないことではないかと考えている次第でございます。
- 井上哲士君
次に、候補者というのは当該選挙区のみに限定をされますから、候補者であってもほかの選挙区ではいわゆる第三者という扱いになるというふうに承知しています。そうなりますと、我々、今後参議院選挙を戦うわけですが、参議院選挙は比例代表と選挙区があるわけですね。この関係がどうなるのかと。
一方、公選法そのものは、参議院選挙での選挙運動で選挙区と比例代表のわたり行為というのも認められております。この関係なわけですが、比例候補がメールにおいて選挙区候補への投票呼びかけをすると、こういうことができるかと。逆に、選挙区候補がメールで比例候補への投票呼びかけができるか、それが政党名での場合はどうかと、これはどうでしょうか。
- 衆議院議員(遠山清彦君)
大変重要な御指摘で、これ後々ガイドラインの中に、衆議院の候補者のケースと、今これからお答えいたしますけれども、参議院の候補者のケースと類型化して一覧をやはり載せなきゃいけないなということを、今朝先生の質問の答弁を調整しながら思っていたところでございます。
お答え申し上げますけれども、まず候補者が候補者としての選挙運動用電子メールを送信することができるのは自らの当選を目的とする選挙運動である場合に限られますので、他の選挙区の候補者を応援するために別の選挙区の候補者が候補者として選挙運動用電子メールを送信することはできないというのが原則でございます。
参議院選挙の候補の場合でございますが、今、わたりというお話がありました。まず、比例代表選挙の選挙運動は選挙区選挙の選挙運動にわたることは認められておりません、参議院におきましては。つまり、比例代表から選挙区のわたりは認められていないので、参議院の比例代表選挙の候補者がその自分の選挙運動用電子メールの中で選挙区選挙の候補者への投票を呼びかけることはできません。
しかし逆に、二つ目のことですけれども、選挙区選挙の選挙運動が比例代表の選挙運動にわたることは認められております、公職選挙法で。よって、選挙区選挙の候補者がその自分の選挙運動用電子メールの中で付随的に政党名や比例代表選挙の候補者への投票を呼びかけることは逆にできるということになっておりまして、これは複雑じゃないかというお怒りの顔が散見されますが、これは公職選挙法上の問題でございまして、私どもの改正案に入っているわけではないんでございます。御理解をよろしくお願いいたします。
- 井上哲士君
次に、国政の補欠選挙とか中間地方選挙など限定された地域で選挙が行われる場合はどうかと。従来の公選法でいいますと、その規制はその選挙が行われている地域だけに掛かるわけですね。地域外で例えばビラを配っても問題はないわけです。ただ、ネットの場合はそうはいかないので、どうなるのかということをお聞きしておくんですが、例えば当該選挙区の有権者以外の有権者が当該選挙区の有権者に選挙運動用メールを送る場合、それから当該選挙区の有権者が外の、当該選挙区以外の有権者に応援依頼などのものを送る場合、それから当該選挙区以外の地域の人が当該選挙区以外の地域でやはり選挙運動用メールを送る場合と、こういう場合はそれぞれどういうふうになるでしょうか。
- 衆議院議員(浦野靖人君)
お答えいたします。
本改正案においては、選挙運動用電子メールを送信することができるのは候補者、政党等に限定されておりまして、それ以外の者が選挙運動用電子メールを送信することは現行と同様引き続き禁止されております。
したがって、その居住地域が、今御指摘のような場合を含め、選挙の行われる地域内であるか否かというのは問わず、メールを送るということはできないというふうに思っております。
- 井上哲士君
じゃ最後に、従来も選挙中の政治活動用メールで政治活動の範囲で候補者名などが記載されるというケースはあったかと思うんですが、本改正案は選挙中の有権者の政治活動メールは禁止をしていないわけですから、これは従来どおりの扱いということでよろしいでしょうか。
- 衆議院議員(遠山清彦君)
御指摘のとおりでございます。選挙運動期間中に有権者の、第三者と我々が呼んでいる一般の有権者の方々が禁じられているのは選挙運動用メールでございますので、政治活動用メールあるいは政策に関するメール、これは送れるわけでございます。
ポイントは、選挙運動性が高い内容になっているかどうか、つまり特定の候補者や政党への投票を呼びかけるような内容がないメール等については選挙期間中も自由にできると、こういうことでございます。
- 井上哲士君
終わります。ありがとうございました。