・憲法審査会で「新しい人権」に関する参考人質疑
- 会長(小坂憲次君)
ただいまから憲法審査会を開会いたします。
まず、幹事の辞任についてお諮りいたします。
藤本祐司君から、文書をもって、都合により幹事を辞任したい旨の申出がございました。これを許可するに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
- 会長(小坂憲次君)
御異議ないと認め、さよう決定いたします。
この際、幹事の補欠選任についてお諮りいたします。
幹事の辞任及び委員の異動に伴い現在幹事が二名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。
幹事の選任につきましては、会長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
- 会長(小坂憲次君)
御異議ないと認めます。
それでは、幹事に樽井良和君及び中川雅治君を指名いたします。
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- 会長(小坂憲次君)
参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
日本国憲法及び日本国憲法に密接に関連する基本法制に関する調査のうち、「新しい人権」について必要に応じ参考人の出席を求め、その意見を聴取することとし、その日時及び人選等につきましては、これを会長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
- 会長(小坂憲次君)
御異議ないと認め、さよう決定いたします。
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- 会長(小坂憲次君)
日本国憲法及び日本国憲法に密接に関連する基本法制に関する調査を議題とし、「新しい人権」に関し、事務局から憲法調査会報告書について報告を聴取いたします。情野憲法審査会事務局長。
- 井上哲士君
日本共産党の井上哲士です。
今日はお二人の参考人、本当にありがとうございます。
私たちは、日本国憲法は十三条や二十五条など幅広い人権を保障していく懐の深い構造を持っていて、いわゆる新しい人権についても立法的な措置で実現をしていけばいいと、そういう点で憲法を変えていくということの必要性はないと考えております。
その上で、幾つかお聞きするんですが、一つは、やはり個人の尊厳、個人の尊重ということと立憲主義というものが一体のものであるというようなお話が先ほど来ありました。この立憲主義の問題は、この間、当審査会でもいろいろ議論になってきたんですが、ある参考人は、憲法が国家を縛るものだという考え方は古い王制の時代の考え方だと、こういうことを言われた方もいらっしゃいますし、最近は、例えば総理も、憲法というのは、言わば権力者の手を縛るという、為政者に対して制限を加えるという側面もあるわけでございますが、実際は、自由民主主義、基本的な人権が定着している今日、王制時代とは違うわけでありますから、一つの国の理想や形を示すものでもあるわけでございますというようなことも言われております。
立憲主義が言わば王制の時代のものだというようなのは、ちょっと私は異論があるわけでありますが、この点、それぞれ参考人から御意見を伺いたいと思います。
それから、高橋参考人にお伺いいたしますが、先ほど、例えば環境権を憲法に規定をする場合に、それがなければほかの人権との調整が付かないような場合、理由が必要だというような御趣旨のお話がありました。先生自身は、その環境権を言わば立法だけでは保障できないような、今そういう他の人権との関係での必要性があるとお考えかどうか、この点をお伺いしたいと思います。
土井参考人にも一点。去年の憲法記念日のときに、朝日新聞がアメリカの法学者が行った百八十八か国の分析というのを報道して大変話題になったわけでありますが、世界の憲法にうたわれている権利の上位十九までを日本国憲法が全て網羅している大変先駆的なものだという評価がございましたけれども、この評価については土井参考人はどのようにお考えか。
以上、お願いいたします。