国会質問議事録

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決算委員会

shitsumon201111.jpg・決算委員会で2010年度決算の討論


井上哲士君

 私は、日本共産党を代表して、二〇一〇年度決算と国有財産増減及び現在額総計算書を是認することに反対、二〇一〇年度国有財産無償貸付状況総計算書を是認することに賛成の立場から討論を行います。

 二〇一〇年度予算は、民主党への政権交代後、鳩山内閣が編成した初めての予算であり、経済危機から国民の暮らしを守り、日本経済を立て直すことが期待されました。そのためには、大企業の巨額の内部留保と利益を社会に還元させて雇用と中小企業を守ること、自公政権が続けてきた社会保障削減路線を是正し、社会保障の拡充を図ること、軍事費と大企業・大資産家減税という二つの聖域にメスを入れて財源を確保し、庶民増税の不安を解消することが必要とされたのであります。

 しかし、二〇一〇年度予算はこうした政治の転換に踏み出すものとはなりませんでした。生活保護の母子加算復活や公立高校の授業料無償化など、国民の要求と運動を反映した部分的改善は図られたものの、後期高齢者医療制度の廃止は先送りされるなど、全体として自公政権の下で改悪された医療、介護、福祉制度を元に戻し、社会保障拡充へと転換を図るものとはなりませんでした。

 また、大企業の巨額の内部留保と利益を社会に還元させて、雇用、中小企業を守る予算への転換も図られず、大企業が幾らもうけても企業内部に蓄積されるだけで国民の暮らしに回らないシステムにメスが入れられることはありませんでした。

 さらに、財源では、庶民には増税を押し付け、軍事費や大企業・大資産家への優遇税制が継続されました。こうした聖域を温存した結果、巨額の公債発行と埋蔵金に依存する先の見えない予算となりました。

 我が党は、政治を変えたいとの国民の要求にこたえることはできないとして、二〇一〇年度予算に反対いたしました。その予算が執行された決算と執行結果を国有財産の増減として集約した国有財産増減及び現在額総計算書を是認することに反対するものであります。

 二〇一〇年度国有財産無償貸付状況総計算書については、国有財産を公園や緑地等に使用する目的で地方公共団体に無償で貸し付けることに基本的に必要な措置と認められることから、是認することに賛成するものであります。

 以上申し述べ、討論を終わります。

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