○井上哲士君 日本共産党の井上哲士です。
審議入りからまともな日程協議もないままに職権セットがされました。そして、今日も極めて不公正なやり方が行われた。野党が審議をやろうと言っているのに与党が審議を妨害するような、そんなことが行われたことに私はまず厳しく抗議をしたいと思います。
そこで、まず森大臣にお聞きします。
あなたの地元の福島での公聴会では、全員が反対ないし慎重意見でありました。にもかかわらず、その翌日に衆議院で採決が強行されたことに怒りの声が広がっております。ところが大臣は、公聴会の後に地元紙の福島民報のインタビューで、原発事故を抱える福島県にこそ必要な法律だと、こういうふうに語っておられます。これに一層の怒りの声が広がっております。公聴会での福島県民の怒りの声をあなたはどう受け止められているんですか、お答えください。
○国務大臣(森まさこ君) 公聴会が終わる前のインタビューでございましたけれども、私のお話しした趣旨は、SPEEDI等の原発事故の情報が住民に示されなかったことに対する不安に対しては、これは特定秘密になりませんということをしっかりインタビューの中でも申し上げました。特定秘密になって住民から隠されることはありませんということを申し上げました。SPEEDI又は住民の避難に必要な情報はしっかりと迅速にお示しをしてまいります。
しかし一方で、廃炉作業を抱える福島県において、やはりテロの脅威又はミサイルの脅威というものは大きなものがございます。これは私が、原発の近くのいわきでございますけれども、様々な皆様からもそういうお声を聞いておりますので、テロ等から国民を守るためにそのような情報はしっかりと収集し、そして管理をしていくことが重要であるということを申し上げたわけでございます。
○井上哲士君 一方で、テロのかかわるような原発の様々な警備情報などは対象にならないとかいろいろ言いながら、全く意味不明ですよね。ミサイルの脅威なんかどういう関係があるんですか。私は、本当にこの福島の皆さんの怒りにまともにこたえない、とにかく強行しようという姿勢、改めて強く抗議をしておきたいと思います。
そこで、今度の法案、安全保障上の重要問題には秘密が必要だと、こういうふうに言われます。しかし、これまで重大な問題が国民に隠されてきたことこそが問題だと思います。
外務省にお聞きしますけれども、外務省における秘密文書について、その区分及び指定する役職者について内部規則がどうなっているか、また、それぞれの年間指定件数及び指定に当たっての外相の関与はどうなっているでしょうか。
○国務大臣(岸田文雄君) 外務省における内部規則ですが、この秘密指定区分に関しまして、秘密に分類されるのは、機密、極秘、秘であります。この他に、政府横断的に設けられている特別管理秘密も存在いたします。
そして、秘密の指定者に関しまして、外務省の内部規則上、機密及び極秘の秘密区分の指定は局長等の秘密管理者、そして秘の秘密区分の指定は課長等の秘密管理責任者が基本的に行うということになっております。
そして、この秘密指定の件数でありますが、毎年公電だけで二百万件を超える、こういった数に上ります。こうした公電を含む年間数百万単位の秘密文書が存在いたしますから網羅的にお答えするのは困難ですが、極秘の更に一部に当たる特別管理秘密、これは平成二十四年十二月末の時点で一万八千五百四件存在いたします。
そして、外務大臣のかかわり、関与という点に御質問をいただきましたが、こうした膨大な数の秘文書が存在いたします。この数百万の文書を逐一外務大臣が直接かかわるというのはこれは現実的ではありません。今申し上げました外務大臣の承認を得て策定された秘密保全に関する規則、この規則に基づく仕組みを通じて外務大臣が秘密保全の在り方を管理しているというのが現状であります。
○井上哲士君 つまり、外務大臣は規則を承認しているだけで、一件一件の指定にはかかわらないということであります。
さらに、内部規則を見ますと、秘密文書の取扱いは厳に職務上知る必要のある者に限定するとなっておりますが、この職務上知る必要がある者かどうかの判断は誰が行うんでしょうか。
○国務大臣(岸田文雄君) 外務省の内部規則はただいま答弁させていただいたとおりでありますが、外務省には今申し上げましたように年間数百万単位の秘文書が存在いたします。そして、実務上、それらの個別の秘文書を誰に共有すべきかにつきましては、局長等の秘密管理者及び課長等の秘密管理責任者が判断しております。
○井上哲士君 では、この職務上知る必要のある者には大臣も含まれるということでよろしいでしょうか。
○国務大臣(岸田文雄君) この秘密保全に関する規則は外務大臣の承認を得て策定されるものですが、その規則上定められている職務上知る必要のある者には外務大臣も含まれます。
○井上哲士君 つまり、この秘密文書の指定は局長などの官僚が行うと。そして、それを扱う職務上知る必要がある者かどうかの判断もその役人が行って、その対象に大臣も含まれると、こういう仕組みになっているんですね。
衆議院の政府参考人の答弁では、秘密文書は膨大であって、大臣に見せる必要がある場合は大臣に開示をすると、こういうふうに答弁をしておりますが、こういう外務省の秘文書指定の規定というのはこの法案が成立したら変わるんでしょうか。
○国務大臣(岸田文雄君) まず、基本的にはこの内部規則は骨格は変わらないと存じます。ただ、実務を考えますと、新たにこの特定秘密というものが加わるわけでありますから、そうした秘密との整理、あるいは制度の整理とか検討、こういったことは生ずるのではないかと想像いたします。
○井上哲士君 基本的には変わらないわけですね。
膨大な外交文書があると。その中で重要なものだけ外務大臣に開示をするということではないんですね。重要な文書だからこそ一部の外務大臣に見せていないということが起きております。それが実態でありまして、本当に徹底した秘密体質なんですね。そのことを白日の下に明らかにしたのが日米の核密約の問題でありました。
一九六〇年に、安保改定のときに、核を積んだ軍艦や飛行機の配備は事前協議の対象だけれども寄港や通過については事前協議の対象としないということを述べ、当時の藤山外務大臣とマッカーサー駐日大使がサインをした英文の取決めがあります。手元に配付しております一枚目の討論記録であります。これが核密約の核心と言われてまいりました。これは、一九九〇年代にアメリカが解禁をいたしまして、二〇〇〇年にアメリカの国立公文書館で発見をしたもの、そのコピーを今配付をしております。
当時、このコピーを委員会で配付をして、我が党の当時の不破委員長が小渕、森両総理に国会で質問いたしました。ところが、この存在を否定して、調査すら否定をされました。その後、二〇〇九年に四人の外務次官経験者が共同通信の取材にこの密約の存在を認めました。その後、村田元次官は実名を出して、次官引継ぎ時に核に関しては日米間で非公開の外相の了解があると前任者から引き継いでいた、これは大秘密だったと、こう述べたわけですね。私、当時、この証言を受けて中曽根弘文外務大臣に質問しましたけれども、密約の存在を否定し、調査も拒否する姿勢も変わりませんでした。この文書を目の前に突き付けても、知らない、ないと言ったんですね。
そして、民主党政権に替わりまして、この核密約を含む四つの密約の調査、検証が行われて、二〇一〇年の三月に外務省の報告書が出されました。外務大臣は先日、この報告について自民党政権として踏襲していると答弁をされました。この報告の中には、一九六〇年、藤山外務大臣とマッカーサー駐日大使との間で作成された討論の記録の写しと思われる文書二件が発見をされた。まさに我々が発見をして配付をしてきたものと同じものであります。こういうものが発見されたという事実も踏襲していると、こういうことでよろしいですね。
○国務大臣(岸田文雄君) いわゆる密約問題につきましては、平成二十二年三月にこの結果を外務省の調査報告書として公表をしております。その報告書の中で、この藤山外務大臣とマッカーサー駐日米大使との間で作成された討議記録の写しと思われる文書二件が発見されたとされております。
現政権としましても、今申し上げた記載のある本報告書の内容を踏襲しております。
○井上哲士君 この討論記録について、日米間の公式の合意文書であることを認めるのかと我が党の志位委員長の質問主意書に対して、二〇一〇年三月三十日付けで答弁書が出ておりますが、どのように答弁をしていますか。
○国務大臣(岸田文雄君) 御指摘の答弁書におきましては、「調査報告書においては、「藤山外務大臣とマッカーサー駐日米大使との間で作成された「討議の記録」の写しと思われる文書二件が発見された」と記載されている。当該「討議の記録」は、日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条の実施に関する交換公文の交渉過程において、交渉の当事者であった藤山外務大臣とマッカーサー駐日米国大使との間の共通の理解を記録するために文書自体については不公表とすることとして両政府の間で作成された合意文書であると考える。」、このように答弁しております。
○井上哲士君 これまで、アメリカの公文書館で発見されたその文書を突き付けて幾ら質問しても、存在しないと、調査もしないと歴代自民党政権は言い続けました。ところが、現にこの文書の写しは外務省内に存在をして、今ありましたように政府として日米両政府の間で作成された合意文書だと認めたわけですね。重大ですよ。一体この文書は外務省のどこにあったんですか。民主党の調査チームによりますと、四千四百二十三冊のファイルを探したとありますが、どこのファイルに入っていたんですか。そして、どういう秘文書管理の扱いになっていたんですか。明らかにしてください。
○国務大臣(岸田文雄君) いわゆる密約問題については、先ほど申し上げましたように、平成二十二年三月に外務省の調査報告書として公表しておりますが、同調査は、外務省本省及び在米大使館に存在していたファイル、計四千四百冊以上を対象として行われたものであり、その結果、藤山外務大臣とマッカーサー駐日米大使との間で作成された討議の記録の写しと思われる文書二件が発見されたということであります。
そして、その当時の取扱いですが、平成二十二年三月にこの外務省の調査結果及び関連文書を公表した際に討議の記録の写しと思われる文書も公表していますが、公表以前は極秘に指定されておりました。
○井上哲士君 これは、公表しないという答弁じゃなかったんですね。存在いたしませんと、そして調査もいたしませんと、現にその現物のコピーを示してもずっと言い続けてきたんです。自民党政権時代にはないと言っていたものが実際には外務省の中にあったと、このことをどう認識しているんですか。国民を欺き続けてきたことをどう説明するんですか。
○国務大臣(岸田文雄君) 平成二十二年三月のこの外務省の調査報告書ですが、この調査報告書の中で四つのいわゆる密約と言われる案件につきましてそれぞれ調査をした結果を報告しております。そして、その中で、御指摘の藤山外務大臣とマッカーサー駐日米大使との間で作成された討議の記録の写しと思われる文書二件が発見されたという部分でありますが、この調査報告書の趣旨、ポイントは、要はこの合意文書の中で日米の間で認識が一致していなかった、この点がこの報告書のポイントであります。認識の不一致が日本とアメリカの間に存在した、これがこの報告書のポイントであり、この点が最も重要なポイントだと考えております。
ですから、この密約の存在云々の話につきましては、認識の不一致があったということが密約に当たるかどうか、これは密約の定義にはかかわるかと思いますが、何よりも日米の間で認識が一致していなかった、この点がこの調査報告書のポイントだということを申し上げたいと存じます。
○井上哲士君 話をごまかさないでください。この評価のことを聞いているんじゃないんです。今おっしゃったことは当時の私は報告の不十分さだと思いますが、その後明らかになった文書によってこれは明らかに合意だったということは出ているんです。問題はそういうことじゃないんです。
私は中曽根弘文外務大臣に質問したときに密約と言っていないんです。こういう討論記録が外務省内にあるはずだから、そう元次官が言っているんだから明らかにしろと言ったら、委員会で当時の与党がそれに答えなかったんです。小渕大臣も、この資料を示して言っても、そういうものはないと文書の存在そのものを否定していたんですよ。なかったものがあったんですよ。
まさに歴代自民党政権が国民を欺き続けてきたんでしょう、答弁で。そのことをどう考えているかということを聞いているんです。
○国務大臣(岸田文雄君) 当時の状況についてどう判断するのか、この判断、そう簡単ではないと考えています。
今申し上げました平成二十二年三月のこの外務省の調査報告書と併せて公表されました有識者委員会の報告書においても、外交においてはある期間、ある程度の秘密性は付き物であるとした上で、外交に対する評価は当時の国際環境や日本国民全体の利益、国益に照らして判断するべきものである、こうした旨、この有識者委員会においても述べられております。
その当時の状況について様々な要素が絡んできます。簡単に判断できるものではないと我々は思っています。
○井上哲士君 評価を言っているんじゃないんですよ。ないと言っていたんですから、それが実はあったんでしょう。知っていてうそをつく答弁をしてたんですよ。
私は、これは本当に被爆地である広島出身の岸田外務大臣にちゃんと答弁してほしいんです。私も広島育ちで被爆二世ですよ。だからこそ許せないんですね。国是を覆すようなこういうことを秘密にしておいて反省もしない自民党に、国民に秘密を侵すなと、そんなことを言う権利はどこにあるんですか。数々の密約を結んできて、国民から隠し続けてきたことのけじめも付けずにこんな法案を出すということ自身が許されないですよ。
そして、先ほど聞いた外務省の秘密文書の扱いがこれで大きな問題になっているんです。この核密約については、岸内閣が日米間の合意で結んだのにもかかわらず、きちんと外務大臣に引き継がれてなかった。ですから、次の池田内閣のときに、当時の総理が核を積んだ米軍艦の日本寄港は認めないと答弁して大問題になって、当時のライシャワー大使が大平外務大臣と会って、実はこういう密約があるんだという話をしたと。そういう記録も残っております。
何でこういう密約を結んだのに引き継がれてなかったのかと、これ謎だったんですよ。これがこの四人の元次官の証言で明らかになりました。二〇〇九年の外務省の元次官経験者の証言では、ある次官の経験者は、橋本、小渕両氏ら外務省が信用した政治家だけに密約内容を知らせていたと語っております。それから、別の次官経験者は、形式論としては時の首相、外相に必ず報告すべき事項だが、大きな問題なので、僣越かもしれないが、密約内容を話していい首相か外相かどうか役人サイドが選別していたと、こう述べたんですね。大きな問題だから官僚が首相や外相を選別していたと、ひどい話じゃないですか。外務大臣としてどうお考えですか。
○国務大臣(岸田文雄君) 平成二十二年三月の外務省調査報告書においては、計三百以上の関連文書が公表されております。その中で、公表されたこの関連文書の中には、同報告書におきまして「歴代の総理及び大臣に対する事務次官・北米局長等からのブリーフに使用された模様。」とされたものがあります。
外務省としましては、あくまでもこの報告書の中身を踏襲しておりますし、当時の状況についての判断につきましては、先ほど申し上げさせていただきましたように、外交における特殊性、そして、評価につきましても、当時の国際環境、日本国民全体の利益、国益に照らして判断すべき、こうした考え方があるということ、この辺りもしっかり念頭にこの辺は判断しなければならないと思っています。
○井上哲士君 別の元次官は、自分は当時の首相や外相に伝えたことはなかった、政治家に話をすると漏えいするからと述べております。先ほどもそういうような趣旨の質問がありましたね。ですから、事実を知らせないままに、国会で官僚の書いた答弁書を読まされて否定した人もたくさんいるんですよ。条約課長を経験したある次官はこう言っていますよ。国会で事実と違う答弁を続け、何か恥ずかしいなという思いがあったと。
これ、読まされた方がよっぽど恥ずかしいですよ。もっと怒ったらどうですか。官僚の書いたうその答弁書を、国民や国会を欺き続けてきたんですよ。それでよかったというんですか、反省ないんですか。もう一回答弁してください。
○国務大臣(岸田文雄君) まず、外務省としましては、この問題につきまして、平成二十二年三月の外務省の報告書、これをしっかり踏襲しております。これが我が外務省の基本的な立場であります。そして、その点についての評価につきましては、先ほど申し上げましたように、外交の特殊性ですとか当時の国際環境あるいは国益、様々な要素をしっかり検討した上で、勘案した上でこれ判断していくべきものだと考えています。
○井上哲士君 小渕首相については、次官経験者は外務大臣時代に密約を伝えたとはっきり語っております。ですから、党首討論のときにこのコピーを見せて質問したときに存在していないと言ったのは明確な虚偽答弁ですよ。
そして、これは何か過去の、その当時の問題ではないんです。結ばれてから五十年ぐらいたってから、二〇〇九年に私たちは国会で現物を示してただしたんですよ。アメリカの公文書館でこれは公開されているんですよ。それを目の前に突き付けても、ないと。現在に続いていることなんですよ。こんなことが許されたら、私、この法律ができたら何でもかんでももっともっと広がっていくじゃないか、国民は思うと思うんですね。
もう一回答えてください。明らかに、アメリカの公文書館で明らかになったものを目の前に突き付けられて、それがあることを知っていた総理がないと言ったことは、国民を欺いたこと、これは間違いじゃなかったんですか。反省ないんですか。
○国務大臣(岸田文雄君) 当時の状況について判断するに当たって、外交の特殊性や国際環境、国益、様々な要素が勘案されなければいけないと先ほど申し上げさせていただきました。そうしたことから、当時の状況については簡単に判断できるものではないと考えておりますが、今御指摘の点につきまして、長期間にわたって国民に対してこの問題が明らかにされてこなかった、この点については我々は遺憾に思わなければならないと思っています。
○井上哲士君 そんな人ごとのこと言わないでくださいよ。我々はアメリカの国会、公文書館まで行って探し当てたんですよ、これを。そして、そのコピーをあなた方に見せて国民の前に明らかにしたのに、それでもそれはありませんとうそを言ったんですよ。何か人ごとのように今答弁されましたけれども、そのことについて言っているんです。
こういうことを続けるんですか。これからもいろんな形で、アメリカで明らかになった文書あります。この後もいろんなものを出し続けてきた。そういうものが明らかになったら直ちに調査をして国民の前に明らかにする。それ、約束してください。
○国務大臣(岸田文雄君) 御指摘の問題については、過去様々なやり取り、経緯がありました。ですから、平成二十二年三月に改めて外務省として調査した結果を報告書として公表をさせていただいたわけであります。その成果を今の政権もしっかり引き継いでいるということであります。
今後とも、こうした外交における情報の取扱いの難しさ、これは先ほど申し上げたとおりであります。是非今後とも、そうした外交における秘密あるいは判断、こういったものも念頭に、できる限り国民に対しては実態を明らかにするよう努力をしていかなければならないと思っています。
○井上哲士君 これは過去の問題じゃないんですね。
先ほど、外務省の中の秘密文書の取扱いの内部規定について質問をいたしました。外務官僚が、この秘密の文書について大臣が職務上知る必要があるかということを判断をして、そして大事な問題は、これは漏れたらあかんということで隠してきたというのがこの核密約の文書だったわけですね。こういうやり方は温存をされるわけですよ。ですから、一部のそういうものは政治家に見せずに官僚の中で秘密にしておくと。
一方で、特定秘密というものは、これは外務大臣が指定されるんでしょう。そういうことをやることによって重い罰則で脅しを掛けて、そしてジャーナリストも国民も公務員も萎縮効果を生むと。これ重なったら、もっともっと秘密体質が深まるじゃないですか。そうなりませんか。
○国務大臣(岸田文雄君) 特定秘密につきましては、今御審議いただいておりますが、この法案における別表に列挙された項目に該当し、そして有識者も含めた政府横断的な基準を作成し、それに基づいて指定を判断していく、様々な重層的な仕掛けがつくられています。こうした制度を通じましてしっかりと管理されるものだと認識をしております。
あわせて、従来の秘密、秘文書につきましては、しっかりと、従来の制度に基づき、外務大臣としましても、規則を承認するという形で全体をしっかり管理しながら秘密のありようについてコントロールをしていく、こうした全体の制度の中で、この秘密の取扱いについてしっかりとした体制をつくっていくべきだと考えています。
○井上哲士君 核密約で明らかになったのは、官僚が情報をコントロールしていたんですよ、逆に。そのことで歴代の外務大臣が虚偽答弁を国会でさせられたことについてもまともにこれおかしいということを言えないような、そんなことを温存をしたまま、一方でこの特定秘密保護法によって様々な罰則で脅しを付ける。
私は、一層秘密体質が深まるだけであると、こういう法律は廃案しかないということを申し上げまして、質問を終わります。